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“考察”・・・地球温暖化      

産業革命いらい、我々の生活は非常な進歩を遂げたが、その一方で、膨大なエネルギーを使用することとなった。その結果、無限だと思われてきた自然の恵みが、有限であり、このまま続けば、われわれの子孫は数十年のうちに、人類の存続を脅かしかねない大災害が来ると言われている。その一つが地球の温暖化現象である。

この地球上の炭酸ガスの濃度は、熱帯雨林の炭酸同化作用で、バランスされている。その炭酸ガスの濃度が急激な上昇を続けているのだ

 

炭酸ガスの削減について

   

 季節外れの台風の襲来、歴史上最強の台風の発生、どこかで干ばつが起これば、その一方では、大洪水がおきたり、長雨で土砂崩れが発生したりと、甚大な被害を及ぼしている。こうしたことがあるとき突然に起きるものだから、そして、まさしく「天災は忘れたころにやってくる」ものだから、こうした異常気象により引き起こされたものを自分たちの文明生活の結果であることに目を向けずに、その責任を免れるために我々は「想定外」のこととして、一口で済ませている。しかしながら、そんなことがいつまで通用するのだろうか?

 この異常気象の原因の一つが地球の温暖化であると考えられ、その要因となっている温暖化ガス、とりわけ炭酸ガスの濃度の上昇が問題となっている。こうして、地球環境をこれ以上悪くしないようにするためのCOPConference of the Parties、国連気候変動枠組条約締約国会議)では、炭酸ガスの排出量を規制し、大気中の炭酸ガス濃度の上昇を抑えようと、各国がその努力目標を掲げている。にもかかわらず、世界経済の二大大国のアメリカと中国がこの協定から離脱してゆこうとしているのはまことに、身勝手であり、かつ又、目先の利益に執着し、人類の将来の生活環境を良くしようという姿勢がなく、まことに遺憾に思う次第だ。

  そうした中で消費活動の一大拠点でもあり、技術先進国のリーダーでもある日本の炭酸ガス排出量の削減に係る努力が注目されており、これからの成果が大いに期待されている。そして、その一つが電気自動車関連であり、また、建設・林業に係るカーボンニュートラルをよりどころにしている活動である。しかし、果たして、これらの取り組みは、地球規模での環境という観点から考えたら、果たして、我々の日常生活の中で確かな効果をあげうるものであろうか。たとえば、電気自動車について言えば、確かに自動車の走行という過程では、従来の自動車がガソリンを燃焼させてエネルギーを取り出しており、この時、大気に排出される炭酸ガスを考えると、排出ガスとして炭酸ガスが直接大気中に放出されるのに対し、電気自動車では、電気エネルギーが直接動力となるわけであるから炭酸ガスが排出しないのである。しかしながら、この電気エネルギーが、原子力発電の稼働が制限されている現在、化石燃料の燃焼によるエネルギーから得られていることを考えると、この時に発生する炭酸ガスも、自動車の走行にともなう炭酸ガスの排出とみなすべきではなかろうか? 必要な電気を確保するときに排出する炭酸ガスの量は、その効率を考えると、必ずしも環境に良いというわけではないような気がする。

 また、森林伐採をしても、元来、森林は大気中の炭酸ガスを吸収したものであり、これを伐採し、木材として使用するならば、使用している間は、炭酸ガスが固定されているわけで大気中に排出しているわけではないから、炭酸ガス濃度を上昇させていることにはならない。たがって、森林伐採は全く問題ないというカーボンニュートラルという考え方にしても、木材の伐採と使用については時間的な感覚が全く無視された観念的なものであり、果たして、その客観的な根拠はどうなっているだろうか?

 こうした状況の中で、世界のなかで日本が置かれている状況を念頭にし、どのような対応が可能であるか、そして、どのような効果が期待できるのかを考察してみたい。

 以下に、熱帯雨林の伐採に始まる、日本の合板型枠の場合を念頭に、果たして、地球環境という観点からどのような認識が必要であるかを整理した。地球環境問題は、目先の利益に惑わされずに、我々の子孫のためにどのような努力が必要であるかを考えることが必要ではないか・・・・・? 

関係各位の冷静なるご理解を願う次第である。

テーマ 項       目 検討項目
木の成長速度 森林は炭酸同化作用により、大気中の炭酸ガスを吸収し、成長している。したがって、木の生長速度を知ることができれば、大気中の炭酸ガスがどの程度の速さで削減されるのかがわかる。

近年、文化の発達により人類は大気中に大量の炭酸ガスを排出してきた。地球温暖化の要因とされる炭酸ガスの濃度は、排出される速さと、吸収される速さのバランスで決まる。

これまで、木の成長速度に関しては、情報が乏しく詳しい検討はなされていない。そこで、大気中の炭酸ガスの削減を議論するために、木の成長速度に焦点をあてて、大気中の炭酸ガスの固定について検討した。

数式化した木の成長速度をもとに、熱帯雨林の森林伐採の問題点を指摘する。
森林伐採と環境問題

樹木の成長速度の数式化

樹木の成長についての観測データから、炭酸ガスの吸収と成長とがどのような関係にあるかを量的に解析するために、樹木の成長のスピードを数式化した。 炭酸ガスの吸着が、樹木の成長を支配していると考えた。
森林伐採と環境問題 その2

Richardsの式による樹木の成長速度

森林の成長速度を、一番手な植物の成長速度を数式化するRichardsの式で表現する試みをした。鈴木の提案した式よりも精度は落ちるが、成長期の成長曲線は非常によい一致を示し、樹木の成長も、植物の一種として議論できることが判明した。 Richardsの式による樹木の成長速度。
森林伐採と環境問題 その3

熱帯雨林の成長速度と伐採について

熱帯雨林に対するRichardsの式の適合性を確認した。

熱帯雨林を伐採し、植林をしても、7〜8年で伐採を繰り返すことは、大気中の炭酸ガスの濃度が上昇することになる。合板の製造のために熱帯雨林を伐採している日本の業界はこのことをしっかりと認識すべきだ。

Richardsの式による熱帯雨林の成長状況の把握

熱帯雨林の伐採が持つ環境問題について

森林伐採について考える 木の成長速度を考慮して、森林の伐採による炭酸同化作用の静止がどのような影響をおよほしているのかを考察した 成長速度と伐採期が問題
Carbon Neutral の正しい理解

成長速度から森林の伐採問題を考える

森林の成長速度にRichardsの式を適用し、熱帯雨林の伐採・植林の繰り返しにより、炭酸ガス濃度がどのように変化するかと検討し、

現実の伐採の問題、そして、植林をどのように進めていけば、森林の活性化につながるかを考察した。

Carbon Neutral の議論には、こうした植物の成長速度という点から議論すれば、これを正しく理解することができる。

Carbn Neutral を議論する時には、定性的な理解から、定量的な理解をすることが重要。
Carbon Neutral って? 本当の意味は何か 木材の利用の仕方により、Carbon Neutralの考え方が大変な誤解を生んでいる。大気中の炭酸ガスの濃度変化については、時間の観念を導入する必要がある。 時間の概念が大切
森林伐採は、カーボンニュートラルか? 森林伐採に関するカーボンニュートラルの考え方と考察した。

伐採の時期により、カーボンポジティブにも、カーボンネガティブにもなる。伐採の時期を選択することが重要だ。

カーボンニュートラルとは何かを正しく理解するために。
環境問題に対する優しさとは

  ISO13315-2より

環境問題を議論する場合には、環境負荷について、比較する範囲を定めて、数値により比較する必要がある。建築物について、その指針となるISO13315-2について考察した。 ISDO13000の考え方
合板型枠のLCA評価 建築工事における、重要な工程であるコンクリート打設に使われている合板型枠について、LCA評価を実施した。  森林伐採から、焼却まで
鋼製型枠のLCA評価 土木工事において、合板型枠と同様大量に使用されている鋼製型枠について、LCA評価を実施した。 鉄鉱石の採掘から、廃棄まで
樹脂型枠のLCA評価 近年、合板型枠に替わるものとして実用化が検討されている樹脂型枠についてLCA評価を実施した。 原油の採掘から、廃棄まで
型枠工事における炭酸ガスの発生量の比較 型枠工事における炭酸ガスの発生量について、異なる型枠材を使用したときの炭酸ガスの排出量について、比較検討をした。 異なる材料の間の比較をした
地球の環境に優しい製品とは 自然は地球の遺産であり、生物はその遺産の上に生きてきた。その自然環境を守るのは、我々の使命だ。文化的な生活を営むために、その自然を破壊してはならない。

 炭酸ガスの総排出量という観点から、さまざまな異なる材料を用いた製品どうしの環境に対する優しさについての議論を提起する。

考察すべき範囲を決め、比較手段を標準化する
これが成果だ!

炭酸ガスの削減効果

建設業界での工事について、とりわけ、マンション建設工事において、工事別の炭酸ガスの排出量がどの程度削減できるのかを検討した。 工事ごとに炭酸ガスの削減効果について算出
型枠のLCA 解析 材料の異なる型枠について、環境負荷・炭酸ガスの排出量を議論 排出炭酸ガスの計算

                    

    --->  報告書

 

 各種型枠