物流コスト
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                                  物流費削減

 物流費というと 物流業務に携わっていない方には 運賃と倉庫賃の事だと誤解されます。

 現在では 「物流」 は 下記の6機能を合わせた活動だと定義されています。

   @ 輸送

   A 保管

   B 包装

   C 荷役

   D 流通加工

   E 物流情報

  従って 運賃(輸送)だけを捉えていたのでは 物流費の 全体像が全く見えません。

  物流費の範囲については 研究者により少しずつ異なっており、他社より何%高い安い

  と言った議論は危険です。

  もちろん 運賃は 物流費の大きな要素で 通説では 物流費の約60%を占めると

  言われていますが。

  単に 運送会社を値切っているばかりでは物流合理化の本質的な解決にはなりません。

  拠点配置から始まり、情報の流れ、在庫保管のシステム、物流作業の合理化・・・・・

  仕組み全体として改善する事が 本来の改善です。

  ちなみに 「ロジスティクス」 となれば その範囲は 「物流」より更に広大になります。

  従って ロジスティクスコスト という捉え方をすれば、取引先を含めたトータルな仕組み

  から捉えていかなければなりません。

  物流コスト低下には さまざまな対策が有ります.

  ただ なにか一つだけを改善して大きな効果を挙げろと依頼を受けたら

  大半の場合は 情報システム系の再構築が最も有効であると考えています。

 

 本来の物流システムの目的

   1.商品を最小のコストで消費者に届ける。

   2.すべての利用者に満足いただけるよう サービスレベルを維持する。

   3.在庫投資コストを最小にする。

   この3つが 物流の目的です。このために物流拠点、サプライ、在庫、輸配送、の

   管理を整備し、最適なサプライチェーンを構築する事が重要です。

   本来 在庫などせずに供給者から需要者に直送されれば、物流コストはミニマムに

   なります。 物流センターが   無くて済めばこれが理想です。

   しかし 小分けやストック等の必要性からセンターを作らざるを得ません。

   物流機器ばかりに過剰投資した機器のショーウィンドウの様な物流センターを作っても

   自己満足でしかありません。

  基本構想・運用実務・情報システム・物流設備のバランスがキーです。

   基本構想をはっきり定め、情報システムと物流施設へ適切に投資を配分し、基本に

   忠実な運用をする。

   この物流システムの構築が課題です。

  多くのロジスティックス・プロジェクトがコスト削減に失敗しています。

   情報システム、物流、営業の各部門が納得しなければ 物流システムは機能しません。

   米国の研究によれば 物流に従事する者の95%以上が、ロジスティックスの ロジック

   を体系的に学んだことが無く、物流プロジェクトを成功させている企業は 30%にも

   満たないと言われています。特に ソフトウェア変更を伴うロジスティックスプロジェクトは、失敗の

   確率が増大するとも言われています。しかも物流システム改善には 多くの専門的な検討が必要で

   運用改善・指導教育も 決定的な要素です。

    ロジスティックス改善に どの企業でも共通の回答はありません。

   企業ごとに また各物流センターごとに 抱える問題点は異なります。

   センターごとに 最適なソリューションを探していく必要があります。

 物流競争力

    私が かって関係させていただいていた 某日用品雑貨問屋さんの話です。

   その会社は 単価が安く、体積が大きく、すぐ特売の目玉商品に使われる商品 トイレットペーパーや

   ティッシュ ペーパーを主力に扱っていました。しかも 商圏は大都会で 日中の荷下ろしに駐車する

   スペースさえ無い小売店さんが お客さんの主力だったのです。

   その会社には いくつかの物流センターが有りました。

   ある 1箇所のセンターの物流責任者が 面白いアイデアを出しました。

   道路も 町中もすいている時間に配送したら・・・・・」

   そのセンターは とんでもない事を始めました。

   物流部門全員が 朝 3時50分に 全員出勤したのです!!!!

   前日夕方に積込み担当者が満載にしておいたトラックが朝4時 一斉に飛び出します。

   繁華街の小売店さんの店先に 置いて帰ってくるのです。(もちろん 受領印はもらえません)

   こうして 6時頃センターに帰ってきたドライバーは 朝食をとります。そして第2回戦に 出陣します。

   近距離担当のドライバーは 10時頃帰社し 第3回戦に出陣します。

   そして 昼過ぎには 大半のドライバーが 帰社し家に帰ります。

   この結果 そのセンターは 利益率の低い かさだかな商品を 都会地で配送していても圧倒的な 

   コスト競争力で 業界一の純利益を上げ 他センターも おのおの地域特性 に合わせた物流システムを

   構築した結果 会社全体でも 毎年同業者がびっくりする ほどの経常利益を計上しました。

   マーケッティングで差別化するとか、小売店との取組み強化とか どの流通業でも 同じような御題目を

   唱えていますが、それだけで存在意義が出せるのでしょうか。

   前述の会社の様な工夫から生み出されたシステムは決して他社の追随を許しません。

   メーカーにとっても こういう問屋さんこそが得がたい流通業者であり、こういった会社にとっては、

   問屋中抜き論など恐れる必要も、全く有りません。

   貴社も 独自の 他社に真似の出来ない物流システムを考えてみませんか。

 

   競争力といえば 最近では どこの会社でも パート、アルバイト、派遣社員を利用しています。

   業務の繁閑や 時間帯別の勤務を調整するために いまや欠かす事の出来ない存在です。

   貴社は 正社員以外の利用メリットを 正確に計算されていますか?

   単純に 不景気になった場合 簡単に退職してもらえると言った理解ではありませんか?

 コスト面

    正社員と比較して 実質何%のコストか計算されていますか?

    給与、賞与、法定福利費、福利厚生費を入れて計算した場合

    ある日用雑貨卸売り業での実計算値は 下記の通りです。

   800円/時間 月間  80時間のアルバイトさんの経費は 男性現場正社員の 25%

      〃      月間 160時間    〃               〃        32%

  1000円/時間 月間  80時間の派遣社員さんの経費は  女性事務社員の  30%

      〃      月間 160時間    〃               〃         39% 

隠れた優秀人材

   採用が楽になったと言っても、優秀な社員がどんどん応募してくれる訳ではありません。

   パート、アルバイト、派遣社員の人達の中には、家庭環境や税金面で あえて 正社員を希望しない 

   優秀な人達が隠れています。

   特に 事務等では 実務経験豊富な主婦層や パソコンスキルに優れた学生アルバイトが応募してくれる

   可能性も意外に高いものです。           

 物流を管理する指標 には いろいろあります

物流管理者にとって、毎月の物流指標を知る事は必須ですが、管理指標を作る作業量が膨大に

なったり、 資料が ぶ厚過ぎて誰も読まなくては 意味が有りません。

あまり細かな管理をするより、大きなくくりで月毎の推移を捉えた方が現実的です。

最低限 把握すべき数値

@物流コスト

  月単位の物流に関する総コストを把握します。

  物流に関する費用が倉庫出荷金額に対し 何パーセントを占めているかを計算します。

  但しメーカー等 原産者からユーザー宛に直送されている金額は対象外とします。

A在庫金額

  月末在庫の金額をアイテム群別に算出し、前月との推移を調べます。

B倉庫出し在庫回転率

  直送されている分を除いて月間販売金額を月末在庫金額で割り在庫回転率を出します。

C滞留品、デッドストック

  個別アイテム中で月度内に出荷数量が無い物や在庫回転率の極端に低い商品をリスト化します。  

物流コストの分析    

    次に 物流コストの内容をチェックします。

@総物流コストを管理可能費と管理不能費に分割します。

  とりわけ 物流コストのうち 現場の創意工夫で削減可能な部分(管理可能費)削減が当面の課題となります。

A管理可能費の内容を分析します。

    原価要素別に管理可能費を分解します  

  人件費・在庫金利・外部支払い費用・ロス・雑経費  この程度の 大きな くくり で 数値を捉えます。

B機能のグループ別に作業人件費コストを把握します

  保管人件費(内 パート人件費)・流通加工人件費(内 パート人件費)・配送人件費・庸車費用・

  情報関係人件費・物流管理人件費

その他の管理指標

  上記の数値を毎月把握出来れば、物流の実状は把握できます。

  その他 納品率、欠品率、誤納率、ピッキング効率、車両稼働率・・・・

  現場ごとに 把握したい指標はたくさんありますが、誰も読まない指標を出しても無意味です。

  先ず 物流の現状をみんなに理解してもらいましょう。  

     物流コストは 現場の創意工夫で削減可能な部分と 現場では削減不可能な部分に分類して管理し、

  管理可能費の増減で 物流部隊の成績を査定します。

管理不能費

  総物流コストの内 下記の様に 現場管理者のレベルでは 削減不可能なものを言います。

  租税公課・建物償却費・設置済の設備償却費・リース料・設置済のコンピューター等情報機器

  費用・稼動している情報システムの開発コスト負担・定期借入れ倉庫固定費・保安費用

この様な費目は 現場管理者にとって管理は不可能です。

一般的に物流成績の査定からは除かなければなりません。

但し 長期の物流改善目標には この削減も課題となります。

  当面は固定的にかかっている管理不能費だとしても、又 物流管理者レベルではいかんともし難い

  費用でも例えば 経営者のレベルで センターの立地から検討し直す事が可能だとすれば、管理可能な費目

  に変化します。

つまり 管理不能の定義は 人のポジションで違うのです。

  何を 管理する為の指標かをはっきりさせておかなければ、物流管理指標は 意味を持たなくなり、

  現場はソッポを向きます。

  同様に  立地条件の異なるセンターを 単純に数値比較しても 無駄 です。

  繁華街を担当し、4トン車が使えなかったり、交通渋滞に悩ませれるセンターと 郊外の大型店へ

  大量輸送出来るセンターの配送経費を較べられては センターの物流責任者は たまったものでは

  有りません。

毎月の コストの推移で その良否を判定 すべきです。  

物流管理上 極めて重要なデータとして 納品率(欠品率)と 誤納率が有ります

    正確な物流を要求されるお客様は このデータを 取引先選定の第一基準としており、

    その会社の物流能力を見極める大切な数値をとして 扱われています。

    スーパー、コンビニ等では 納入各社の数値が全取引先に公表され、金銭ペナルティーが 徴収されます。

納品率

  発注した数量に対し 何%が実際納入されたかという割合です。従って 客先からの発注数量は正確に

  入力されなければなりません。逆に言えば せっかくの注文に対し、販売し損ねた数字であり、会社として

  機会損失が発生しているわけです。引当後受注可能数が 受注数より少なかった場合でも 受注数その

  ものは変更後の数量で入力してしまっては 納品率が把握できなくなります

欠品率

  納品率の反対の概念ですが 受注したのにもかかわらず、引当後在庫が足りない為出荷できなかった

  商品の割合です。共に商品の合計数の比率で計算される客先と 欠品の有った商品の行数の比率で計算

  される場合が有ります。

誤納率

  注文内容と異なる商品を出荷したり、数量を間違えて出荷した商品の割合です。

  このデータも元の受注データそのものを修正してしまっては、まったく把握出来なくなります。

  誤納率も 商品の合計数の比率で計算される客先と欠品の有った商品の行数の比率で計算される

  場合が有ります。従って 客先に正しい商品を送り直す場合や数量不足分を納入する場合は 新たに受注から

  入力して出荷しなければなりません。