議会レポート

平成14年6月


6月県議会で質問に立ち、
教育問題、環境問題などについて
県執行部に質問しました。
合併問題は、市民と共に考え、
納得できる形にしなければと主張しています。



■合併問題に関して■
 合併問題が動き出している四街道市選出の岡村泰明県議(自民党2期目)は、市町村合併はそれぞれの地域の歴史や住民の日常生活に多大な影響を与える問題であり、十分な情報公開と意見交換を行いながら、住民が納得するプロセスを踏むことが何より大事だと考えています。

まず一番大切なことは豊富で確かな情報をもとに市民と話し合いを重ね、十分な議論を行うことであり、また協議会が設立された場合には「四街道の主張」をはっきりと持った協議がなされ、その後、協議会での協議内容を開示した上で住民投票が行われるべきであると考えます。

賛成・反対いろいろな意見があると思われますが、議論を十分に行い、四街道の未来のために納得できる形にしなければと主張しています。

6月定例県議会の一般質問の登壇では、県政でも高い政治力が注目されている中、教育問題、PFI(公共の民間活力導入)、地球温暖化防止策、緊急地域雇用創出特別基金事業といった県民の視点で県執行部を質し、印旛沼の水質保全対策など地域課題にも踏み込んで質問しました。岡村県議の質疑を特集しました。



議会では教育、環境を鋭く質問

■教育問題■
個性のばすゆとり教育を

岡村 教育の根本的な課題は、「活力ある若者づくり」と考えます。今、学校は週5日制になり「ゆとり教育」が全面的に実施されています。保護者は学力低下を懸念、6日制の私立中学校や土曜日塾通いが増えている報道もあり、教育格差を憂慮していますが、「生きる力」「確かな学力」をもった児童生徒を育てるための新しい学習指導要領を県教育委員会は自信を持って進めてほしい。県は「ゆとり教育」をどのように推進しようとしているのか。

教育長 ゆとり教育の中で児童生徒の自ら学び自ら考える力を育成するため、各学校で複数の教師によるチーム・ティーチングや習熟度別の少人数指導推進など指導方法や指導体制で改善、個々に応じた細かな指導を推進しています。

岡村 一人ひとりの個性を伸ばし、優れた若者をどのように育成するのか。

教育長 中学校での選択教科の履修幅の拡大、高校での特色を踏まえた多用な教科、科目の設置などにより、個性や能力を伸ばし意欲的に学ぶことができる学習環境づくりに取り組んでいます。県教委も学力向上推進委員会を設置、教科指導の改善・充実のための方策を明らかにするとともに、創意工夫を生かした教育や特色ある学校づくりの推進を図っています。



■地球温暖化■
ガス6%削減へ啓発活動

岡村 地球温暖化問題は人類の生存基盤や生物の種の保全に関わる重要な問題であることは、言うまでもありません。21世紀末の地球の平均気温は5.8度の上昇、海面が1.5メートル上がり陸地が減るとも言われています。昨年11月に京都議定書の運用規則が定められ、批准が6月に閣議決定されました。さらに政府の目標達成計画が策定され体制整備が進められています。
 県では12年12月に温室効果ガスの排出量を2010年までに90年に比べ6%削減することを目標にする「千葉県地球温暖化防止計画」が策定されましたが、計画削減目標6%について県民の理解と協力を得るために、どのように普及啓発を行っていくのか。

環境生活部長 防止には県民一人ひとりが暮らしや事業活動を見直し、環境に配慮していく行動が極めて重要です。
 県では
 (1)中小企業の環境マネジメントシステム導入支援
 (2)シンポジウムや講演会の開催
 (3)7都県市共同のキャンペーン
 (4)環境家計簿の普及
に取り組んできたところです。
 今後も市町村レベルの地域協議会の設置を促進するとともに2月に県が移植した130人の地球温暖化防止活動推進員と協力して普及活動に努めていきます。

岡村 県の温暖化防止のための率先行動の取り組み状況はどうか。

環境生活部長 県は13年4月から環境ISO14001を適用して
 (1)昼休みの一斉消灯など省エネ・省資源の推進
 (2)分別収集の徹底など廃棄物の削減・再資源化
 (3)公共事業の建設副産物リサイクルの推進
に取り組んでいます。



豊かな"生活都市"へ政策を提言

■印旛沼■
水質保全対策も推進

岡村 千葉県は人口増加に伴い生活雑排水をはじめとする汚濁負荷量も増え、手賀沼や印旛沼といった閉鎖性水域の水質に影響を与えています。
 「湖沼水質保全計画」が策定され、これまで3期にわたり下水道や合併浄化槽の整備などいろいろな対策が実施されてきました。県は今年3月に第4期の計画を策定して新たな取り組みが開始されましたが、印旛沼に流入する市街地や農地からの自然系の汚濁負荷量を減らすために、どのような対策を講じていくのか。

知事 飲料水に使っている水がワースト上位ではいけないと思います。道路側溝や水路の清掃、農地の肥料成分の流出防止へ適正な施肥や水管理方法の普及を図る対策を進めます。

要望 印旛沼周辺をぜひ「ちばエコ農業」の拠点としていただきたい。「ちばエコ農業」の産地になると肥料とか農薬の使用を半分以下にする決まりがある。そういう面からもぜひ「ちばエコ農業」を印旛沼周辺の市町村に呼びかけてほしい。



■PFI■
千葉県も積極的な活用を

岡村 PFIは10年ほど前にイギリスで導入された手法で民間の資金やノウハウを活用して低廉かつ良質な公共サービスが提供されるものです。現在のように厳しい経済情勢で民間事業機会を創出し経済活性化など様々なメリットをもつ事業手法です。国も11年9月にPFI法を施行、翌年に基本方針とガイドラインがまとまり、今年1月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」でも導入を進めています。
 全国の地方公共団体は約44団体が50事業を実施、県内でも千葉市や市川市で実施方針が公表されました。県も積極的なPFI活用が必要と思うが、今後どのように取り組んでいくのか。

総合企画部長 昨年度「千葉県PFI活用ガイドライン」を策定すると共に、県が直接事業を実施した場合とPFI実施の場合の財政負担の比較などの可能性調査を緊急性の高い6事業で実施しました。今後、調査結果を踏まえ、PFI導入の有効な事業についてさらに検討を進めるとともに幅広い分野について検討していきたい。

要望 千葉県でも、ぜひこのPFIを取り入れて事業を実施していただきたい。



■雇用対策■
今年度は487基金事業

岡村 景気低迷の中、雇用情勢は大変厳しいものになっています。今年3月の総務省試算では全国平均失業率5.0%に対し、千葉県は4.7%と下回っていました。しかし、有効求人倍率は求職者10万5千人に対し有効求人数4万8千人で0.45倍と全国の0.52倍より低く厳しい状況です。県は雇用のセーフティーネット対策として国交付金を財源に120億円の緊急地域雇用創出特別基金を創設、県と市町村でこの基金の事業を実施して17年3月までに1万9千人の雇用創出を図ると聞いていますが、この基金事業はどんな内容か。

商工労働部長 14年度は44億3600万円を予算計上し
 (1)老人医療適性化推進員設置
 (2)NPOアンケートなど85事業、市町村で
 (3)廃棄物不法投棄対策
 (4)放置自転車対策など357事業、学校教育関係で補助教員設置など45事業、計487事業
を行います。
 これで7000人の雇用創出を見込んでいます。現在すでに約3500人が雇用されてます。

要望 本当に職に困っている人のために、この事業を進めていただきたい。



■DNA研■
解析に世界的な評価

岡村 科学技術の進歩はその成果の産業化で、豊かで快適な暮らしや市場経済拡大など多大な恩恵を与えてます。中でも生命科学の研究・技術開発は重要視され、かずさDNA研究所に強い関心と期待感があり、視察でさらに思いを強くしました。
 研究所は県が平成6年に開所、DNA解析を専門として研究、8年には地球上で最初の光合成生物「らん藻」ゲノムの塩基配列のすべてを解析するという誇るべき成果をあげました。その後も「シロイヌナズナ」や窒素を固定する遺伝子「根粒菌」全ゲノム完全解析を完了する実績を重ね世界的評価を高めています。
 しかし世界のバイオテクノロジー分野の競争は欧米などでも激化。かずさDNA研究所が世界水準を維持、向上するには優れた研究人材の確保や機器整備が必要だと思います。国の資金導入や共同研究の促進など、幅広い展開が必要と考えるが、県はどのように取り組んでいるのか。

商工労働部長 県単独では限りがあり、昨年度から国の資金により新薬となる抗体開発等を目指す産学官の共同研究事業を開始しました。また、今年度も植物の遺伝子機能をゴム等の工業原料の生産に結びつける研究を行うため、新エネルギー・産業技術総合開発機構の資金導入に取り組んでいるところです。

岡村 研究成果の実用化、産業化を図り、新たな資金確保に努めていく必要があると考えるが、現状と見通しはどうか。

商工労働部長 13年度には人口的に複製された遺伝子であるcDNAクローンの譲渡により5500万円、企業等の共同研究による会費収入費等により9700万円、特許取得権の譲渡により1020万円等合わせて約1億6千万円の収入を得ています。今後は共同研究の企業会員の増加を図り、実用化や産業化に結びつく研究も行い、企業商品化された際に還元利益が拡大できるようにしたい。

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