議会レポート

平成10年12月


12月県議会で質問に立ち、以下の事柄について県執行部に質問しました。



安全性や環境面に優れた

排水性舗装の普及を

■道路■

岡村 通行車両の安全性の向上や沿道の環境問題について効果のある舗装の一つとして、排水性舗装が開発されたと聞いている。
 これは、舗装面の目を粗くすることにより無数のすき問に水を吸い込み、路面上に水がたまらないため、雨天時においても視界が遮られることがなく、事故の防止にもつながるものである。
 そこで、排水性舗装の整備について、県としてどのように取り組んでいるのか。

沼田知事 排水性舗装は、少量の雨では路面に水がたまりにくい構造となっており、雨天・夜間の視界及び滑り抵抗性の向上、騒音低減等の効果があるので、県としては、平成6年度から試験的に取り組んでおり、平成10年度は、主要地方道千葉臼井印西線、四街道市鹿渡地先ほか13カヶ所、約5キロメートルを施工することとしている。
 排水性能の維持等、維持管理上、検討すべき項目もあるので、当分の間、試験舗装として取り組んでいきたい。



■エイズ■

岡村 エイズは、感染者の傾向から、20歳代がほぼ半数に上っており、感染原因としては、異性間性的接触が中心であることから、思春期における、エイズの正しい知識の普及が非常に重要と考えられる。
 また、県では、12月1日の世界エイズデーに合わせて、11月28日からの一週間を千葉ストップエイズウイークと定めて、各種啓発活動を展開したと聞いている。
 そこで、次の点について伺いたい。
 本県のエイズ患者・感染者はどのような状況であるのか。

加藤衛生部長 エイズ患者・感染者数は、依然として増加傾向にあり、平成10年10月末現在、血液凝固因子製剤による感染を除き340名で、全国で4番目に多い県となっている。
 患者・感染者の内訳は、患者101名、感染者239名で、
 (1)性別では、男性212名、女性128名
 (2)感染原因別では、異性間性的接触167名、同性間性的接触41名、不明132名
 (3)国籍別では、日本人198名、外国人142名
 (4)年齢別では、20歳未満18名、20歳代134名、30歳代80名、40歳代58名、50歳以上50名
となっており、今後とも、検査、相談、医療等の体制の整備・充実に努めていきたい。

岡村 千葉ストップエイズウイークの実施状況はどうか。

加藤衛生部長 エイズに関する正しい知識を啓発・普及することは、エイズ予防の上から特に重要であり、年間を通して、ラジオ、テレビ、新聞等による広報や講習会の開催等、広範な活動を行っている。
 「千葉ストップエイズウイーク」の実施状況であるが、12月1日、県下26会場で街頭キャンペーンを実施、翌2日には、作家、医師、HIVの感染者を講師に迎え、「エイズ予防大会ちば'98」を開催し、医療関係者、養護教諭、一般県民等、約500名の参加を得た。
 期間中、マスメディアを利用したスポット広告を行い、各保健所では、エイズ予防講習会を開催する等、全県的な広報・啓発活動を展開した。
 引き続き、エイズに関する正しい知識の啓発・普及に努めていきたい。

岡村 県教育委員会として、学校におけるエイズ教育をどのように推進しているのか。

中村教育長 エイズは、正しい知識を身につけて行動すれば、感染を予防することは可能であり、また、エイズに対する誤解や偏見による差別を払拭するためにも、学校におけるエイズ教育をより一層充実させる必要がある。
 県教育委員会では、これまで各種指導資料の配布やエイズ教育用ビデオ教材の整備を図るとともに、指導に当たる教員等の資質向上のため、児童・生徒の発達段階に応じたエイズ教育研修会を実施する等、エイズ教育の推進に努めてきている。今後とも、国及び県の関係機関と連携を図りながら、学校におけるエイズ教育のより一層の充実に努めていきたい。



■痴呆性老人対策■

岡村 介護保険制度において、グループホームが、痴呆対応型共同生活介護として在宅サービスの給付を受けることができることとなったこともあり、県内におけるグループホームの整備は緊急の課題と考える。
 そこで、県は、痴呆性老人グループホームの設置促進、特に、施設整備についてどのように取り組んでいくのか。

沼田知事 痴呆性老人グループホームは、痴呆性老人が共同生活を送る中で、生活援助や指導等を受け、痴呆の進行を緩和していこうとするものであり、介護保険において痴呆対応型共同生活介護として、保険給付の対象となるものであるので、その設置を進めていくことは重要と考えている。
 国では、平成9年度に、このグループホームの運営費及び初年度の設備費についての補助制度を創設したが、県としては、市町村に対し周知を図る等、その設置促進を図るとともに、国に対し、建物の建設にかかわる補助制度の創設を働きかけている。
 こうした中、国においては、この制度の実施について、平成11年度より行うことを検討していると聞いていることから、県としても、国の動向を踏まえ、一層、痴呆性老人グループホームの設置促進に努力していきたい。



■スクールカウンセラー■

岡村 子供たちの健全な発達を支えるためには、身近に相談できる人が多くいる環境をつくり、子供たちが、自分を支えてくれる人がいることを感じながら、その悩みを乗り越えられるようにする必要があると考える。
 「都市政策提言」においても、児童・生徒をめぐる諸問題に対応するため、スクールカウンセラー制度の充実について提言している。
 そこで、次の諸点について伺いたい。
 児童・生徒のスクールカウンセラーに対する相談内容はどのようなものか。

中村教育長 平成10年度の一学期に、児童・生徒がスクールカウンセラーに対して相談した件数は、合計で3510件であり、最も多い相談内容は「対人関係に関すること」が29%、二番目は「不登校に関すること」で16%、三番目が「性格・身体に関すること」で10%となっている。
 学校の種別ごとの内訳では、
 (1)小学生は「対人関係」が48%と最も多く、以下、「性格・身体」、「不登校」、
 (2)中学生は「対人関係」が28%で、以下、「不登校」、「性格・身体」
 (3)高校生は「対人関係」が26%で、以下、「性格・身体」、「学業・進路」
の順となっており、小・中・高校生に共通して、対人関係に関する相談が一番多くなっている。

岡村 各学校における教育相談の活性化をどのように図っているのか。

中村教育長 県教育委員会としては、学校にスクールカウンセラーや心の教室相談員を配置するとともに、各学校に対し、
 (1)教職員が校内研修を通じて教育相談について理解を深め、教育相談を重視した生徒指導の推進を図る
 (2)スクールカウンセラーや心の教室相談員と教職員との役割分担を明確にするとともに、相互に連携して教育相談活動の充実を図る
 (3)教育相談活動の日常化や面談週間等の年間計画への位置づけを図る
等を指導し、教育相談活動の一層の活性化を図っている。

岡村 教育相談に関する専門的知識や技能を持った人材の育成をどのように行っているのか。

中村教育長 教職員に、教育相談の理論や技能を習得させるため、教育相談基礎講座・上級講座や学校カウンセリング専門講座を開設しているほか、平成9年度から、教育相談の専門家を養成するため、現職教員10名を一年間、大学へ派遣する教育臨床研修を実施している。
 さらに、今年度は、教職員に対し、教育相談や生徒指導に関する指導・助言を行うため、心理学等を専門とする大学教授等をスクールアドバイザーとして各学校へ派遣している。
 また、日常の教育活動の中で、スクールカウンセラーから教職員に対して、具体的な事例に即した助言を行っている。

岡村 スクールカウンセラーの資質向上のために、どのような取り組みをしているのか。

中村教育長 県教育委員会では、スクールカウンセラーの資質の向上を図るため、スクールカウンセラー全員を対象としたスクールカウンセラー連絡会議を年2回実施するとともに、必要に応じ、地方出張所ごとに連絡会議を実施し、講師からの助言やスクールカウンセラー相互の研究協議を通して、より効果的なカウンセリングの在り方や教職員との連携の在り方等について研修を深めている。
 今後はさらに、スクールカウンセラーが、自分自身のカウンセリングの力量を高めるため、臨床心理学を専門とする大学教授等から個別的に指導を受けることができるスーパーバイザー制度について研究していきたい。



■商店街■

岡村 地域の商店街は、消費者行動の多様化や、大型店、ディスカウントストアの増加等と相まって、空き店舗が増え、シャッター通りと呼ばれる商店街がある等、大変厳しい状況にあるが、中小小売商業者が生き残るためには、第一に、自らが知恵を絞り、消費者に喜ばれる商品、サービスを工夫することが重要である。
 そこで、県内商店街の空き店舗の状況と、その対策の取り組み状況はどうか。

内田商工労働部長 県内商店街の空き店舗の状況については、平成8年度にその実態調査を実施したところ、調査対象とした620の商店街のうち約半数の商店街で空き店舗が発生しており、発生割合は県平均で7.9%となっている。
 (1)県内商店街では、空き店舗対策として、
 (2)商店街が自ら空き店舗を借り上げ、例えば、佐原市の「忠敬茶屋」のように、地元の資源を生かした物産販売のアンテナショップや休憩所として利用するケース
 (3)意欲のある者に実験的に出店させるケース
イベントやギャラリーを開催する場として利用するケース
等の取り組みがなされており、県としても、商店街活性化支援事業等を活用し、商店街のにぎわいづくりを応援している。

岡村 滋賀県長浜市の商店街で実施している「プラチナプラザ事業」では、65歳以上の高齢者が、出資金五万円を支払い、商店街の空き店舗を活用して直接運営しているが、高齢者の生きがい対策や雇用の面で効果があるばかりでなく、空き店舗で客を集めるという二つの面でメリットがある。
 そこで、このように、空き店舗対策として、高齢者が自ら出資し、リサイクル工房等を運営して成功をおさめている事例があることから、県内でも実施すべきと思うがどうか。

内田商工労働部長 滋賀県長浜市の商店街による「プラチナプラザ事業」については、県の商店街若手リーダー養成講座である、「ふさの国商い未来塾」で先進地調査を行ったが、商店街の活性化策と高齢者の生きがい雇用対策との効果的な活用方策として、優れたものであると考えている。
 そこで県としても、市町村や商店街等に対し「プラチナプラザ事業」を紹介するとともに、商店街が具体的に取り組む場合には、空き店舗改修費と借上料について、それぞれ既存の補助制度を活用して支援する等、県内でも実現できるよう努力していきたい。

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