議会レポート

平成12年12月


12月県議会で質問に立ち、以下の事柄について県執行部に質問しました。



温室効果ガスの削減に向け

環境県千葉としての努力を

■循環型社会■

岡村 平成12年6月に制定された循環型社会形成推進基本法とあわせて、いわゆるグリーン購入法が制定され、国においては、この法律に基づく環境物品等の調達の推進に関する基本方針案が発表された。
 そこで、次の点について伺いたい。
 グリーン購入法の施行に伴い、県は、今後どのように対応していくのか。

東城環境生活部長 県では、平成9年3月に「ちば新時代エコ・オフィスプラン」を策定し、日常業務における環境配慮事項として、エネルギー利用の抑制や再生紙の利用等7分野にわたって取組事項を設定し、率先して環境保全に配慮した取り組みを進めている。
 平成13年4月から地方公共団体にもグリーン購入法が適用されることとなり、毎年度、環境物品等の調達方針を作成し、当該方針に基づき物品の調達を行うよう努めることとされたことから、県としては、今後、「ちば新時代エコ・オフィスプラン」の実績や国の基本方針の策定動向等を踏まえ、再生品等環境にやさしい物品(環境物品)等の調達方針を定めることとしている。
 さらに、県が本年度構築することとしている環境マネジメントシステムにおいても、グリーン購入法の趣旨を踏まえ、より環境への負荷の低減に努めていきたい。

岡村 県では、グリーン調達の対象物品として、どのようなものを考えているのか。

東城環境生活部長 グリーン購入法では、国において、自らの環境物品等の調達の推進に関する基本方針を定めることとされており、この基本方針では、重点的に調達すべき物品等の種類とその判断基準及びこの判断基準を満たす物品等の調達に関する目標のたて方が盛り込まれることとなっている。
 県としては、「ちば新時代エコ・オフィスプラン」において既に実施している物品の購入・使用やサービスの利用についての取組項目や、国において策定される基本方針等を踏まえ、グリーン調達の対象品目を定めていきたい。

岡村 容器包装リサイクル法が平成9年にスタートし、平成12年4月から対象品目として紙製、プラスチック製の容器包装が追加されたほか、再商品化義務を負う事業者の範囲に中小企業者が加えられた。
 そこで、廃棄物のリサイクル対策について、次の点について伺いたい。
 平成12年4月から容器包装リサイクル法が完全施行されたが、市町村における分別収集の取り組み状況はどうか。

東城環境生活部長 平成9年度に、容器包装廃棄物の減量及び再商品化を目的とする容器包装リサイクル法が施行されて以来、地域住民の協力と市町村の努力のもと鋭意その推進が図られており、平成11年度における本県の分別収集量は約9万5000トンで全国第3位となっている。
 また、平成12年4月から同法が完全施行されたことにより、分別収集の対象品目が3品目追加され、10品目となった。
 完全施行後における取組状況は、その他プラスチック等の一部の品目について、その実施がやや遅れているものの、1市町村当たりの平均分別収集品目数は、昨年度の5.7品目から7.5品目に、また、平成12年度上期の分別収集量も約6万4000トンと、平成11年度同期に比べて約30%増加する等の伸展が図られている。
 今後は、市町村の取組状況等について実態調査を実施し、必要に応じて指導・助言を行うほか、なお一層の普及啓発に努め、市町村の分別収集のさらなる推進を図っていきたい。

岡村 家電リサイクル法が、平成13年4月から本格的に施行されるが、この制度の効果についてどう考えているのか。

東城環境生活部長 家電リサイクル法は、従来、その大部分が埋立処分されてきた使用済家電製品について、消費者に費用負担を求め、製造業者がリサイクルの義務を負うという新しいシステムにより、廃棄物の適正処理と資源の有効利用を目指すものである。
 同法の本格施行により、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目については、少なくとも50%以上のリサイクルが製造業者に義務づけられることから、これら4品目に係る再資源化の飛躍的な向上が見込まれるほか、
 (1)「ものを長く使う」という消費者の意識の向上
 (2)製造段階における「リサイクルしやすい製品づくり」 の促進
 (3)ごみの減量化と最終処分場に埋め立てられる廃棄物の減少等の効果が期待されている。
 県としても、これらの効果が十分発揮されるよう、今後とも、同法の円滑な施行に努めていきたい。

岡村 家電リサイクル法を円滑に運用するため、住民にわかりやすく周知すべきと思うがどうか。

東城環境生活部長 家電リサイクル法においては、消費者は排出家電製品を適正に小売業者に引き渡し、収集・運搬及び再商品化に要する費用を負担するということとされており、この制度を幅広く周知させることは、同法の円滑な施行を図る上で極めて重要と考えている。
 このため、国においては、これまでに小売業者等を対象に説明会等を開催してきたが、今後は消費者を対象に、テレビやラジオ、パンフレット等の広報媒体を活用して本制度の周知徹底を図っていくということである。
 県としても、明年の本格施行に向け、県民の理解と協力が得られるよう、今後とも、市町村と緊密な連携を図りながら積極的な広報・啓発に努力していきたい。

岡村 建設リサイクル法が成立し、平成12年5月31日に公布されたが、同法の施行に向けて、県はどのように取り組もうとしているのか。

武藤土木部長 本県では、公共事業から生じる建設廃棄物や建設発生土の発生の抑制、再利用の促進等を図るため、千葉県建設リサイクル推進計画を策定し、各種施策に取り組んでいる。
 平成12年5月31日には、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、いわゆる建設リサイクル法が公布され、建築物等について分別解体及び再資源化の義務付け、解体工事業者の都道府県知事への登録等が規定されたが、現段階では対象規模や技術基準等の政省令が示されていない状況である。
 しかし、解体工事業者の登録の施行については、公布の日から1年以内の政令で定める日とされており、それまでに登録業務が始められるよう準備をしている。
 また、分別解体及び再資源化等の義務付けの施行は、公布の日から2年以内の政令で定める日とされており、今後示される政省令により、所定の事務が始められるよう対応することとしている。
 今後とも、より一層、資源循環型社会の構築に努めていきたい。

岡村 四街道市にある最終処分場の現状及び今後の指導については、どのように考えているのか。

東城環境生活部長 昭和61年11月に設置届が出された四街道市の最終処分場の埋立容量は、約14万立方メートルで、平成12年9月末現在での残存容量は、約2万立方メートルとなっている。
 埋立てが可能な産業廃棄物の種類は、建設工事に係る建設汚泥で、産業廃棄物の処理基準の埋立基準に基づき、含水率85パーセント以下の汚泥を埋め立てるよう規定されている。
 県は、四半期に一度、維持管理報告書を徴して、処分場の状況を把握するとともに、随時、立入検査を実施し、口頭及び書面等により適正処理を指導してきた。
 今後も、事業者に適正な事業の執行を求めるとともに、違反行為を確認した場合は廃棄物処理法に基づく厳正な指導を行っていきたい。



■地球温暖化防止■

岡村 県は、温室効果ガスの削減を図るため、森林の吸収量を見込んでいない「千葉県地球温暖化防止計画(案)」を、平成12年11月9日に千葉県環境審議会に諮問したと聞いている。
 そこで、次の点について伺いたい。
 計画に掲げた削減目標6%の達成に向けた取り組みをどのように進めていくのか。

東城環境生活部長 千葉県地球温暖化防止計画(案)に掲げる削減目標は、
 (1)社団法人経済団体連合会が自ら削減目標を掲げる環境自主行動計画
 (2)各家庭や事務所の日常活動における削減対策等、各主体別における最大限の削減努力を削減目標として設定した。
 目標達成のため、県として、
 (1)県民や事業者の自主的取り組みを促進するための支援
 (2)循環型社会形成のための基盤整備の促進
 (3)県自ら環境に配慮した率先行動の実践
等、行政、事業者、県民及び民間団体の連携・協調した取り組みを推進することによって、計画の目標達成に向けて努力していきたい。

岡村 計画の推進には、県民の理解と協力が重要と考えるが、県民に対してどのように普及啓発を進めていくのか。

東城環境生活部長 地球温暖化問題にかかわらず、県民一人ひとりが環境保全意識の向上を図ることが大変重要な課題であり、幼いころから自らの問題として環境を考え行動する知識や知恵を身につけることが大切であると認識している。
 この地球温暖化問題は、遠く離れた問題であると思われがちであるが、その原因は、人間一人ひとりの身の回りのライフスタイルに起因していることから、環境学習の場や市民、企業及び行政が合同で開催する環境シンポジウムや環境フェア等の開催時に、地球温暖化問題をより県民に理解してもらうための広報・啓発に努めている。
 今後は、地球温暖化に対する情報を収集・提供し、県民や事業者、民間団体の活動を支援するための地球温暖化防止活動推進センターを設置するとともに、温暖化防止活動推進員の制度の積極的な活用を図り、温暖化防止のための普及啓発に、なお一層努力していきたい。

岡村 計画における県自らの温室効果ガスの削減をどのように進めていくのか。

東城環境生活部長 県では、平成9年3月に「ちば新時代エコ・オフィスプラン」を策定して、日常業務における環境配慮事項として、電力やガス等のエネルギー利用に伴い排出される二酸化炭素を抑制する取り組みを行ってきた。
 計画案では、県自らも事務事業の実施に伴い、排出される二酸化炭素等の温室効果ガスの削減に努めるため、温室効果ガスの削減目標等を定める実行計画を策定し、その推進に努めることとしている。



■ダイオキシン■

岡村 ダイオキシン類対策特別措置法は、平成12年1月15日に施行され、廃棄物焼却炉等の特定施設とこれらの施設が遵守すべき排出基準を定めるとともに、知事は立入検査を行うことができるとされている。
 県に届け出された大気排出基準適用施設のほとんどは法施行前に設置された既設の施設と聞いている。
 これらの既設の施設は、これまで排出基準の適用が猶予されていたが、平成13年1月には暫定基準が適用され、さらに平成14年12月からは一段と厳しい排出基準が適用されることとなっている。
 そこで、次の点について伺いたい。
 ダイオキシン法に基づく立入検査状況はどうか。

東城環境生活部長 ダイオキシン類対策特別措置法が平成12年1月15日から施行されたことに伴い、平成12年度から同法に基づく大気基準適用施設を設置する事業場に対して立入検査を行っており、9月末現在、121事業場、160施設の立入検査を実施した。
 立入検査では、法施行直後であることから、事業場に対し、
 (1)廃棄物焼却量や稼働時間等の運転状況の記録及び保存
 (2)廃プラスチック類の除去
 (3)適正な方法による焼却
 等、ダイオキシン類の排出抑制に必要な管理項目等について指導するとともに、必要に応じてダイオキシン類の測定を実施した。

岡村 平成13年1月から排出基準が適用される施設に対して、県はどのように検査を実施していくのか。

東城環境生活部長 ダイオキシン類対策特別措置法施行日以前に設置され、平成13年1月から排出基準が適用される既設の施設に対しては、すべての施設について立入検査を実施する方針であるが、当面は、
 (1)大気汚染に係る苦情の原因となっている施設
 (2)地域的に小規模焼却炉が集中している地域内の施設
 (3)報告された自主測定の結果から必要と判断される施設
 等を中心に立入検査を実施することとしている。
 また、大規模な施設等に対しては、排出基準の遵守状況を確認するため、ダイオキシン類の測定もあわせて実施することとしている。
 今後とも、環境改善を図るため、計画的、効果的に立入検査を実施してダイオキシン類の排出抑制に努めていきたい。



■ディーゼル車対策■

岡村 平成12年11月7日にかずさアークで開催した七都県市首脳会議の場では、知事が座長としてディーゼル車対策をまとめ、七都県市として共同した取り組みを行っていくことが合意されたとの報道があった。
 そこで、次の点について伺いたい。
 7都県市ではどのような取り組みを行ってきたのか。

沼田知事 7都県市では、自動車排出ガス対策は広域的な取り組みが必要であることから、従前から冬期自動車排出ガス対策の「ぐるっと青空キャンペーン」の共同実施や七都県市指定低公害車の指定及びその普及等に取り組んできた。
 平成12年度からは、従来の取り組みに加えてディーゼル車対策を中心に検討するため、首脳会議の規約に浮遊粒子状物質削減対策を追加する等、積極的にディーゼル車対策を協議してきた。
 主なディーゼル車対策の成果として、
 (1)対策の早期実施や自動車ノックス法等関係法令の改正に関する意見等、国への働きかけの実施
 (2)粒子状物質排出量や低減方策の試算等の調査の実施
 (3)合同でのディーゼル車街頭検査の実施
 等の施策を実施するとともに、首脳会議の場で使用過程のディーゼル車対策を進め、低公害な自動車の普及を共同・協調して取り組むことを合意し、今後もディーゼル車対策を推進していくことを表明した。

岡村 今後、7都県市で共同して取り組むとしているが、県はどう対応するのか。

沼田知事 平成12年11月7日に、かずさアークで開催した7都県市首脳会議において、現在走行している使用過程のディーゼル車の対策が極めて重要であることを合意し、天然ガス自動車に代表される窒素酸化物や粒子状物質の排出量の少ない低公害な自動車の普及を共同・協調して推進していくことを、座長として取りまとめた。
 県としては、従来からディーゼル車対策として、天然ガス自動車への代替促進や50台以上の自動車を使用する事業場に対する自主管理制度の導入等、各種施策を総合的に展開してきた。
 今後は、7都県市の合意事項やディーゼル車対策の必要性を踏まえて、ディーゼル車対策を推進するため設置した「千葉県ディーゼル自動車排出ガス対策懇談会」の提言に基づき、官民が一体となってできる対策等積極的なディーゼル車対策の推進に取り組んでいきたい。



■大気汚染■

岡村 平成11年度の大気環境調査結果によると、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンについては、全地点で環境基準を達成しているが、ベンゼンについては、18の測定地点のうち、都市部や京葉臨海部を中心に11地点で環境基準を超過している状況にある。
 そこで、次の点について伺いたい。
 環境基準を超過しているベンゼンについて、県内の発生源の状況はどうか。

東城環境生活部長 ベンゼンは、合成ゴム、合成樹脂等の化学製品の原料や溶剤として使用されていることから、大気汚染防止法において、ベンゼンの指定物質排出施設として貯蔵タンク等6種類を定めており、県内では、石油化学工場等、10の事業所において61施設が設置されている。
 また、ベンゼンは、自動車のガソリン燃料中にも含まれており、指定物質排出施設以外のガソリンスタンド等からも排出されていることから、県において、これらの事業所も含め、取扱量を把握するための調査を実施した。
 その結果、平成10年度の総排出量は、県全体で年間983トンと推定され、主な内訳は、自動車が511トンで52%、化学工場が326トンで33%、ガソリンスタンドが110トンで11%となっている。

岡村 排出量の抑制に向け、どのように対応していくのか。

東城環境生活部長 ガソリン燃料中のベンゼンの低減については、国において、自動車の燃料の性状に関する許容限度及び自動車の燃料に含まれる物質の量の許容限度を改正し、平成12年1月1日からベンゼンの許容限度が従来の5%から1%と、五分の一に強化されている。
 指定物質排出施設から排出されるベンゼンについては、県において、平成11年度に排出ガスの実態調査を実施し、その結果に基づき改善指導を行うとともに、平成12年2月に改定した公害の防止に関する細目協定にベンゼンの排出基準を設定し、排出抑制の指導を行っている。
 ベンゼンの排出抑制については、法の規定により、施行後3年を目途に科学的知見の状況や大気汚染の状況等を総合的に勘案して、有害大気汚染物質対策の制度について検討を加えることとされており、現在、国において、その検討が行われていることから、県としても、この結果を踏まえて、排出抑制について適切に指導していきたい。

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