Rabigh
Plastic Technical Center 構想
住友化学は、サウジアラビアの西海岸で、ラービグ石油化学コンビナートを建設していた。サウジアラビアの国家収入の8割以上を石油の一次化学製品の輸出に頼っているが、サウジ政府は、これをさらに川下の製品にシフトしていこうという狙いで、新しい産業基盤を作ろうとしていた。これに石飛会長をはじめとして考案した住友化学の提案が採用され、世界最大の石油精製プラントと、そのオフガスを利用した石油化学誘導品ブラントの一大コンビナートを作るというものだ。このコンビナートの建設が住友化学の本体の仕事であるが、サウジ政府は、さらにこのコンビナートに隣接して、石油化学製品の誘導品を生産する工業団地をつくろうというものだ。当初は、この工業団地の建設を担当するという話しがあったが、リーマンショックで私の復帰が送れている間に、この工業団地は既に構想が出来上がり、その運営も始まっていた。
そんな中で、サウジの石油化学資源の開発を担当している石油化学・鉱山資源省の顧問をしていたファイサル殿下から、住友化学が樹脂加工の技術支援センターとして建設した千葉の樹脂開発センターを視察し、「これと同じようなセンターがサウジにも、あったらいいね。」との一言があったようだ。結局、住友化学は、工業団地の樹脂誘導品の加工技術を指導するセンターを検討しよう、建設しよう、建設するということになり、その準備が進められた。当初は、建物も立派、加工設備も、射出成形、押し出し成形、 ブロー成形などなど、はばひろく加工技術をカバーした技術センター構想で、随分と立派なセンターが描かれていた。しかし、サウジでの実際のプロジェクトを進めていくなかで、サウジの実情が見えてきて、また、政府の描く理想と現実の乖離も予想していたもの以上のものが有り、サウジサイドの要請を受け入れるだけでなく、市場の、そして、サウジの産業の実体に合わせたセンター、つまり実用的なものにしようと方向が転換された。サウジの思惑を推察するに、見た目に立派、職業訓練センター的なもの、大勢の生徒をうけいれて教育するような学校の一環となるようなものではなかったかと思う。そうした種類の訓練校は、自動車の修理工を育成するSJAHIのほか、冷蔵庫やエアコンの修理工を育成する学校、そして、樹脂加工技術を訓練する学校などが、日本のサウジに進出している企業、あるいは、業界の支援で設立されていたが、SJAHI以外は、なかなか運営が思うようにいっていなかった。これは、サウジの政府の思惑と実情との間にかなりのズレがあったためでないかと思う。サウジの海外からの企業誘致については、投資委員会といわれるSAGYA, 職業訓練校を管理するTVTC,それに石油化学産業を統括するMINPET, さらには、工業団地を管理するMODONと言った部署が夫々の業績をきそって進めており、その中で事業を展開している。そんな状況の中での事業となると、こちらを立てれば、あちらが立たず、あちらを立てれば、こちらが立たずのような状況が常にまとわりついている。そんな状況なので、サウジ側の要望も、多様化しており、実体とかけ離れた姿を模索することにもなるのである。こうしたことから、サウジの要望の中で、日本側から何を提案していけばよいのか、何度も議論をし、サウジの各方面からの要望にも応えられるようなものはどんなものかを何度も練り直した。その結果、サウジ側の要望である、世界で最先端の技術を、サウジにしかないものを、そして、ラービグで初めてというものを、と、さらにこれに、サウジの現実の技術レベルを考え、そして、目標として決して実現が不可能なものでないこと、さらには、サウジの将来の発展に避けては通れないもの、をうたい文句にこの技術センターの構想を築いていった。
住友化学ペトロラービグに併設した、サウジアラビアの石油化学産業の発展のためのプラスチック技術センター
e-learning | e-library | CAE | Plant Simulation System | Mini Plant | |
e-learning in R-PTC contains Basic Chemistry, Chemical Engineering, Polymer Processing and QC courses. All of these texts are prepared by the University or Society of Japan who have been recognizes as an authority in each field. | R-PTC has an e-library system connecting to the famous publishers in the scientific research field of all over the world. We can search hthe most advanced articles and get the most valuable information to develop our own research and technology | (1)
_Watching two linds of introductory videos, you can learn *
\what is the simulation, * What is the palstic processing and
efficiency of computational design.
(2) You can experience the CAE software for plastic processing. |
This system has been composed mainly by two functions. One of them is Dynamic Simulation system(DYNSIM), by using this system we can simulate the operation of a plant and learn the change of the plant caused by the various operations. Another unique simulation system is Field virtual engine system(EYESIM). Using this system we can confirm the phenomena of plant change by our own handling the valves and controllers in visual. | Rabigh Plastic Technical Center has a miniature Distillation Column unit. The miniature plant is comprised of water tank, water pumps, turbo blower and column. The column is made of transparent Plastic material and you can see its inside condition. Through the training program of the miniature plant, you can recognize the following phenomena by changing operating parameter : "Jet flooding" Downcomer backup flooding, "Weeping" | |
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サウジのもっと先を見越して
おりしも石油価格の低迷の今日、サウジアラビアは若い皇太子のもと、大変革に向かって始動した、この改革の主体となるべきは、サウジ国民自体。そのためには、基礎教育、科学に対する理解が必要と考え、もっと先のサウジを見越して、今、何をすべきかを模索した。少し、わがままかってなところがあったが、これを温かく見守ってくれた会長には、心から感謝している。
Science World へのいざない | 自動車産業の将来性 |
Science Worldの世界とは | Car Show Stage |
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若者には、科学、とりわけ、化学に興味をもってもらう、その機会を作ろうと言うわけで、サウジの将来を考えての啓蒙的活動に役立つようなプログラムをいくつか工夫した。 | サウジが注目しているのは、自動車産業だ。サウジアラビアでの自動車生産が究極の目標であるが、その実現のための道は決して平坦ではない。
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