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1. PowerBook5300cs |
PowerBook500系のスタイルを継承しているPowerPCのモデルであるPowerBook5300cs。 2000年の正月に動作不能で持ち込まれたため、修理することになった。多分、DC電源コネクタの破損であると思われたため分解修理することにしました。 |
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2.分解 キーボード、カバーを外す |
本体裏側のネジを3本外し、キーボードを手前から持ち上げるとキーボードが外れます。 左の写真はキーボードを外し、左右のカバーも外したところです。 |
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キーボードとマザーボード間に緑色のフレキケーブルが接続されています。このケーブルをマザーボードのコネクタを引き上げて外します。 |
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3. アームレスト部を外す |
アームレスト(トラックパッドがある部分)を外します。 ネジは無いので、少しスライドさせる様にして持ち上げると外れます。この時マザーボードと接続しているフレキケーブルを切らないように注意し、コネクタから外します。(フェライトのコアが通してありますので、組み上げの際は忘れずにつけて下さい。) |
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アームレスト部を外し、ひっくり返して置いたのが、右の写真です。 写真上部がアームレストの裏側、下に見えるのがアームレスト下部にあるHDDユニット、バッテリー部です。 |
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4. HDDユニットを外す |
写真左がHDDユニット、右がバッテリー部です。 このユニットはネジで本体に固定されています。 |
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一番左のネジが固定用のネジ、右のネジはHDDマウント用のネジです。 下の写真はHDDユニットの右にあるバッテリー回路の上にかぶさっている部分です。 |
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固定用のネジを外すとHDD本体ごと写真の様に外れます。 マザーボードとの接続フレキケーブルがありますので注意。 |
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マザーボードとの接続部分です。 HDDユニットとして外すにはこのコネクタを外せばOkです。 |
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いままでの分解をしますと、写真の様になります。 左上がマザーボード上のPCMCIAスロット、その右がCPUなどのチップを放熱している放熱器、更に右がFDDのユニットが入るベイです。 下側は左に端にHDDが見えます。その横はマザーボード、つづいてバッテリー関係の回路ブロック、右端がバッテリーの入るスペースです。 |
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5. バッテリー回路を外す |
バッテリー回路はコネクタでマザーボードに取り付いています。 上に引き抜くことで外れます。 外したものが、右の写真です。 バックアップ用の電池が接続されていますが、この電池はFDDユニット(ベイ)の脇にポケットがあり、そこに入っています。 |
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バッテリー回路の裏側です。 バックアップ用電池のコネクタが、見えます。 |
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6. 放熱器を外す |
CPU(PowerPC603e)を冷却するため、放熱板がついています。特に固定はしていませんが、位置を忘れないように確認しておいたほうが良いです。 |
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放熱板の奥は差し込む様な形になっています。
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放熱板を外すと写真の様になります。新たに「外部モニター出力回路の基板ユニット」が見えるようになります。 また、CPUが確認できます。 |
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PowerBook5300csのCPU PowerPC603e 100MHz IBM製です。 |
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7. 外部出力モニター回路を外す |
写真に見える白いケーブルをコネクタから外し、リア側にあるネジを1本外します。 基板はマザーボードとコネクタで接続されていますので上に持ち上げるようにして外します。 |
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外した「 外部出力モニター回路」です。 |
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8. マザーボードを外す |
最後に、マザーボードを引き抜く様に外せば、分解の完了です。 写真はマザーボードです。左上にDC電源コネクタがあります。
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9. DC電源コネクタ破損の確認 |
写真の様に、DC電源コネクタが破損していました。 このDCコネクタは標準的なものですので、秋葉原で探しましたところ「千石電子」でほぼ同等のものを発見しました。(3本脚の2.5mmピッチのタイプ) 3本の脚の内2本は簡単に半田を取ることができますが、残りの1本は基板の熱容量が大きくなかなか半田が溶けません。十分に熱しながら部品を抜くようにするといいかも知れません。 取り付けの際は、2本の脚を入れて3本目の半田を溶かしながら部品挿入になります。 十分注意しないと、コネクタ自体の樹脂が溶けてしまいます。
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内蔵物をすべて外した状態です。 |
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10. 確認 |
修理交換後、ACに接続して再起動。 見事に「じゃーん」と起動しました。 修理代(実費)50円(コネクタ代)で修理完了となりました。 |
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