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Power Book1700(入手時)

CPU:68030(25MHz)

FPU:68882

Memory:

4MB(オンボード2MB+2MB)

HDD:40MB(SCSI、2.5")

Disply:白黒TFT液晶(640×400)

Syatem:漢字Talk6.0.5

発売時の価格:748,000円(高い)

Power Book170(Power UP 後)

CPU:68030(25MHz)

FPU:68882

Memory:8MB(オンボード2MB+6MB)

HDD:160MB(SCSI、2.5")

Disply:白黒TFT液晶(640×400)

Syatem:漢字Talk7.1

 

1. 入手したときの状態

電源を入れても、「うん」とも「すん」とも言わない状態。

HDDの回転する音も聞こえず「全くの非動作」状態。

2. 調査

外見は非常に奇麗であったため、特に破損が原因とは考えにくい。

ACアダプターをチェック。テスターで測ると電圧が正常にでていることからACアダプターではなさそう。

「全くの非動作」であるため、まず「電源」周りだと当たりをつけ、本体のばらしに入った。

3. 分解

このシリーズのPowerBookは、比較的ばらし易く、

1) 底面のネジを外す。

2) I/Oポートのネジを1本外す。

3) バッテリーを本体から引き抜く。

この状態で底面部とTop部+液晶Displyに分かれる。

(この間にケーブルがありますが本体ごと引き抜いてしまいましょう。)

この底面部にはHDD、FDD、バッテリー室、マザーボード、CPUボード、RAMボードなど、Displyとキーボード、トラックボール以外はすべて存在しています

右図中の左下がバッテリー室、右上がACアダプターからのDC電源入り口です。

よって、右上から左下までマザーボードのパターン、部品を介してつながっているはずです。

ざっくりと調べてみたところ、そのライン上に「F1」なるヒューズがあることが分かりました。

 

テスターでF1(下の矢印)を当たってみると、「導通なし!」。

ほぼこれに間違いないと思いましたが、念のためもう少し調べてみることに。

このヒューズの先はバッテリーの金属端子(上の矢印)につながっているし、その途中で何やら1本パターンがのび、FETかTrにつながっています。

このFETかTrはメインのDCのSWの役目をしているようなので、バッテリーまで電源が来ていなければ全く動作はしそうにありません。

まずは、このヒューズが原因かどうかを確認しました。

取りあえず手持ちのヒューズが無かったので、リード線でヒューズの両端をショートして再度組み立て直し。

すべての配線を確認して、おもむろに背面のOn/Offスイッチを「ON」。

「じゃ〜〜ん!」やはり起動しました。感動の一瞬です。

4. 修理

1)ヒューズ

再度分解して、リード線の代わりにヒューズを付けることにしました。

同じヒューズは簡単には入手できないので、定格が合っている他のものを使用することにしました。

今回使用したのはSOC製の250V−5A表面実装タイプ(リード付き)です。(定格が合えば他のものでも問題ないと思います。)

交換する部品は高さが問題になるため、極力低いものを使用するようにします。

今回はリードを短く切って内側に曲げて基板のランド(半田があるところ)に半田付けしました。

 

 

Fuse交換後の様子

外したFuse(定格125V 5Aのチップヒューズ)

2)内蔵バックアップ電池

ヒューズの修理を終え、様々なセッティングをし使い易いようにして、次の日起動するとすべて「デフォルト」に戻り日付も「01月01日」になっていました。

バックアップ電池が死んでいると思い、またPB170をばらし、電池の電圧を確認してみました。「2V」。やはり電池が死んでいます。(正常値は3Vです。)

秋葉原のMac関係のお店を片っ端から調べ、店員に「PowerBook170のバックアップ電池ありますか?」と聞くと、すべての店で「基板直付けタイプだからありません。Appleでもサポートは終了してるから修理できない」と言われてしまう始末。

仕方なく、自力で改造すべく部品を探し始めました。

電池はボタン電池の様な形なので、電池ケースを求めて「千石電商」へ。・・・・・すると似たような電池がありました。

電池にリード足がちゃんと付いているし、電圧、大きさも問題ない。

思わぬところで部品を発見してしまいました。

取りあえず念のため2個購入。(右の写真の様に@400円だったので・・・)PB170の基板に実装してみました。

非常にGood!

元々の電池は2本足(下の写真で茶色の電池)ですが、購入したものは3本足(下の写真で青い電池)。でも基板はどちらでも取り付けられるように基板孔が開いていました。

ピッチもぴったり。(純正品の様です。下の写真一番右参照)

電池としての性能は本当に良いのか不明ですが(一応リチウム電池です。「二酸化マンガンリチウム二次電池」と書いてあります。)、きちんと「時を刻み」「設定を見守って」くれています。

どなたか、電池の違いを知っていましたら教えて下さい。

 

 

5. Power UP

1)MemoryのUP

入手時のメモリ容量は、オンボード2MB、メモリーモジュール2MBで計4MBでした。

4MBではSystem6であればなんとかなりますが、漢字Talk7.1では、少々心もとないため、Maxの8MBにするべく秋葉原に探しに行きました。

なにしろ、Old Macですから、なかなか見つからなかったのですが、ジャンクとして右図のようなものを、PineAppleで発見し購入してみました。(2,000円だったと思います。)

(図中左は元々実装されていた2MB、右が購入した6MB)

メモリはCPUボードの上にコネクタで接続されます。

実装し起動すると「見事」8MBで認識され、「無事」Maxメモリにすることができました。

 

 PowerBook170のメモリー

2)HDDのUP

入手時のHDD容量は純正40MBです。(今となっては「たった40MBですが、当時は超贅沢品」だったのですね。)

少々容量が少ない気がしたことと、せっかくPowerBookを復活させたので、もう少しおごってみようと思い、秋葉原へ。

2.5"SCSIHDD、しかも純正品は、あまりないのですが、ラジデパ地下1階の関商会で中古の純正HDD160MBを発見し、さんざん悩んだ末、約8,000円で購入。

さっそく、交換し起動すると「見事」にこにこMacが現れました。

漢字Talk7.5.5がインストールされていたのですが、初期化して漢字Talk7.1をインストールし峻烈な起動の速さに、またまた感激しました。

バックライトONの状態

6. PowerBook170の使用

1)TFT液晶

この液晶はTFTなのですが、バックライトがOffでもはっきりと見えます。

2)System

当初はsystem6がインストールされていましたが、さずがに使用できるアプリケーションが限られてしまうので、漢字talk7.1にしました。

3)アプリケーション

現在は、Netscape Navigater2.0、Eudora、Excel4をインストールし、E-Mail、家計簿のために活躍する予定です。

 

 

バックライトOffの状態

7. PowerBook170のCPU

MC68030FE25B

8. PowerBook170のFPU

MC68882FN25A

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