アメリカ東岸白鯨ツアー・3

 
「ナンタケット旗」     ”珍形島”「航空写真・ナンタケット島」google

7月11日ニューベッドフォードを早朝出発、約2時間でHyannis着。
高速フェリーでNantucket島に向かう。1時間でNantucket到着。
捕鯨関連収集家のヘルマン家を訪問、収蔵品を色々見せて貰い、 説明を受けました。
後、ヘルマン氏夫人・ニナさんの捕鯨関連骨董店を訪ね、深く潜って鯨さん探しをする 。
クラムチャウダー+ナンタケット料理の昼食。あとナンタケット博物館を見ました。
クジラ関連展示資料の見学・ミュージアムショップ・街や店を探索・探鯨する。
夕刻、Nantucketを発ちHyannis着。


アメリカ捕鯨の始まり・聖地といわれるNANTUCKET ISLAND  
NANTUCKET:ナンタケット島は北米大陸の東端にあり、CAPE COD(鱈岬) 
の南30マイルにある50平方マイルの小島です。CAPE CODとNANTUCKET ISLAND
は5千万年前に氷河で出来たといわれ、変わった形状をしています。
平べったい砂浜で葦などの緑がなければ砂漠といった感じでした。

1659年〜60年に北米の植民地からイギリス人10家族が移住してきました。
これらの人が寄り鯨などを仕留め、食料・薬・灯油などに利用していました。
付近には沢山のクジラが潮を吹いてインデアンも鯨漁をしていました。

1690年にはCAPE CODの鯨捕り二人を招き捕鯨技術の改良をはかります。
捕鯨は定着し捕鯨に従事する人も増え、アメリカ「捕鯨発祥の地」になり ました。

1712年NANTUCKETの鯨取りHusseyがセミクジラを追って操業して いるときに
沖へ流され、マッコウクジラに遭遇、モリを投げると上手く突き刺さり
捕獲することが出来ました。これがマッコウクジラ捕鯨の始まりです。
マッコウクジラの脳油は万能薬とされ金と同じ価格とされていた時代です。
またマッコウクジラの油も高価でした。

マッコウクジラは怖いと思われていたのに捕獲できることが広まり、
セミクジラ対象の捕鯨からマッコウクジラ対象に移行してその比重が 逆転します。
水深が浅いNANTUCKETから船の大型化に伴い入港できるフェアフェブン
・ニューベッドフォードへ移り、更に捕鯨基地はアメリカ全土に拡大しました。

マッコウクジラを追って沖へ沖へと遠くに出漁、船も大型化、鯨捕りも
増え、太平洋のジャパングラウンド迄進出し日本を悩ませることなります。
日本開国の原点はここにあるわけです。

捕鯨関連収集家ロバート・ヘルマン氏の収蔵品
  
 『ヘルマン家にあったポスター』    『アメリカ式捕鯨・グリーナー砲とその銛類』
夫婦でナンタケットの骨董店を経営されている捕鯨関連収集家ロバート・ヘルマン氏の家
におじゃまし、沢山の収集品を見せてもらい、熱が入った詳しい
説明を受けました。全くの博物館、種類・量・規模にビックリ!!!
 
壁から天井まで漁具類が展示されていました。モリや日本の鯨舟もあります。

『クジラを捕る漁具・銛:IRON』 「鉄製のモリ先」はIRONといわれております。
インディアンが使っていた「石のモリ」はSTONE NEAD。木の棒も含めた綱付銛(もり)全体を
HARPOONSと呼んでいる。国によって銛型・デザインが違っております。
米型・英型など多くのものが見られます。 
DRUG IRON 滑らかな二つ爪のモリ
TWO-FRUED IRON 尖った二つ爪のモリ
BRITISH TWO-FRUED IRON 尖った二つ爪のモリに返しがあるもの
CARSLEY IRON 尖った二つ爪のモリに返しがないもの
HORMES AND WEST IRONS 尖った二つ爪のモリに返しがない爪の先が反ったもの
SINGLE-FRUED IRON 尖った爪が1本のモリ
SWIVELーBARB−IRONS 爪が動き、開くモリ
TEMPLE IRON or TOGGLE IRON頭部が可動式のモリ。
頭部が回転して開き抜け落ちない工夫をしている。

などなど沢山の形と鯨体内で爪が動き抜けにくくしたものがあります。
モリは投げやすく、遠くに飛ばしやすい、クジラに刺さりやすく、クジラから抜けにくい、、
柔かく曲がっても切断し難いモリを追求・改良されて行ったものと思われます。

   
『Killing lance- Harpoon- Iron』アメリカ式マッコウクジラ捕鯨の漁具類
参考”The Charles W. Worgan" MYSTIC SEAPORT
 
『THE TEMPLE or toggle iron』 モリの可動式頭部及びモリ数種
参考”Whales,Whaling and Whalecraft"

   
『グリーナー砲と銛・解剖用具』     『収集家ヘルマン氏の家で説明を聞く』
日本の鯨解剖包丁も収集されていました。              
 
(左)『初めて見た真鍮で作られた砲』"MASON & CUNNINNGHAM GUN" 長さ:72.4a 口径:3.8a 
(右)『アメリカの漁具本にある写真コピー』"HARPOONS AND OTHER WHALECRAFT"
この砲ははじめてみた捕鯨砲でした。グリーナー砲の前身か、
珍しいものです。日本では見られません。 
 
(左)『上記漁具本の説明文』
(右)『ボンブランス銃・棒の先につける小銃:ピストル状』 「ポスカン銃」とも云われた。

屋上展望台『ヘルマン家の風見くじら』     『ヘルマン氏のベルトのバックルの鯨』
家全体が博物館と云える。収集の数・種類・規模・展示・詳しい説明と コレクションがすごい。

漁具の詳細はこちらをご覧下さい
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★勇魚捕る初期の銃砲類

★勇魚捕る漁具類

捕鯨と鯨のナンタケットの骨董店
 
『捕鯨・鯨骨董店のOPENフラッグ』   『ヘルマン氏夫人・ニナさんの捕鯨関連骨董店』
店の旗のデザインがいいです。マッコウクジラの背に2本の銛が描かれております。味があるイラスト!
  
『骨董店のマッコウクジラ』       『骨董店の展示・セミクジラ』

『骨董店のマッコウクジラの下あご骨に描かれた大絵図』(スクリムショー)
モリ等の捕鯨漁具類・衣類・スカーフ・タイ・絵画・古絵葉書・古書・
ゲーム・トイ・パズル・色々のスクリムショー・陶器・バスケット・
船体型・ボートモデルなどなど沢山有りました。
スクリムショーはレアーもの、なかなか手が出るものではありません。見るものでした。
NINA HELLMAN  Marine Antiques〜Americanaはネットでも見ることが出来ます。  
ナンタケット捕鯨博物館

 『ナンタケット博物館の風見クジラ』
 
『ナンタケット博物館』      『博物館の展示クジラ達』   ナンタケット博物館のマッコウクジラの骨格
ナンタケットのゲットクジラ
  
 『高価なナンタケット・バスケット』
ナンタケット・バスケットは有名。歯に模様を描いた・彫ったスクリムショーが付いたバスケット、
竹ではなく葦:アシで編んで作られている。
『クジラが付いたシール』 おいしいナンタケット・アイスクリームの可愛いシール

ナンタケット。街で見られたクジラさん

ポルシェのナンバープレートはクジラさんの尻尾でした。

店の旗  ピンクのクジラ ナンタケットのクジラ板
  


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