| 漁具の名称 | 内 容 ・ 説 明 |
| [弓取法] | - |
| 弓 | 原始・古代の捕鯨に弓を用いたという説もある。 |
| [突取捕鯨] | - |
| 石銛 | 縄文時代の石器のモリ。長崎県田平の「つぐめの鼻遺跡」で出土。
千葉県・稲原貝塚出土の黒曜石の銛が刺さったマイルカの尭骨もあります。 |
| 手投げ銛 | 突取法による沿岸捕鯨用銛。抜けない様にカエシがある。モリ部:鉄、柄:カシ、シュロ縄。モリ部:102a全長231a。 |
| アガシもり | 突取法により、鯨を獲るためのカエシがついたモリ。モリ:鉄、柄:カシ、麻縄。モリ先:16a 全長:422.5a。 |
| 銛突 | カエシのついたモリを鯨に突き刺し、モリについた綱を舟などの抵抗物につなぎ鯨を弱らせる漁法。 |
| 剣 | クジラにとどめを刺すために打ちこむモリ。鉄製のモリ部、木の柄、ロープからなる長いモリ。
紀州の剣は3種あった。大:先端の重さ7.5`、長さ1b。中:先端の重さ7`、長さ1b。小:先端の重さ5〜5.5`、長さ90a。 |
| 剣突 | 先が鋭利に尖った剣状の刺突モリ、これで鯨を突いて深手を追わせ鯨を仕留めた。 |
| 槍 | 翻訳された「クジラの世界」では剣と同様なものを「ヤリ」ともいっています。 |
| 刺し銛 | 鯨を捕るとき心臓を刺すために使う、先のとがった菱形(ひしがた)のモリ。 |
| 毒銛 | 北海道・アイヌ捕鯨で使用したトリカブト毒を塗ってクジラを弱らせるモリ。 |
| 綱銛 | モリがなくならないように綱をつけた銛。 |
| 雄銛 | 銛は鉄のモリ部と木の柄部分が一体になっている。モリの後部を柄のくぼみに刺しこむ方式を雄モリという。 |
| 雌銛 | 銛は鉄のモリ部と木の柄部分が一体になっている。モリの後部くぼみに柄を刺すものを雌モリという。 |
| 鼻切包丁 | クジラが沈まない様に鼻に穴をあけ鼻綱を通す小包丁のこと。 |
| 自由銛 | 中世初期のバスク人は銛綱を舟につながないで、自由に動く浮きにつないだ。これを自由モリという。 |
| 二重かえし銛 | 19世紀アメリカ捕鯨船で使われた「かえし」が二重になっているモリ。 |
| 可動式銛 | 肉に食いこむと頭部が回転して開き、抜け落ちない様になったモリ。 |
| [網取捕鯨] | - |
| 断ち切り網 | 湾の入り口を網で遮断し、湾内に入った小型クジラを捕獲しやすくするカーテン状の網。丹後伊根浦で使われた。 |
| 定置網 | 西海や能登で使われた大規模な網。沿岸の海底に網を設置し誘導網でクジラを誘いこみ捕獲する固定網。
2005年、東京湾に迷いこんだコククジラが千葉県富山の定置網に入り窒息死してニュースになりました。 |
| [網掛突取捕鯨] | - |
| 網取法の網 | クジラの前方や身体に数枚の網を掛け、鯨の泳ぎを抑え突捕りをしやすくする網。
網一反の大きさ:長さ32b、幅16b。20反を積んでいた。紀州では全長320b。西海では全長600bもあった。 |
| 早銛 | 最初に投げる軽量のモリ。モリ先重量:50匁(190c)。鉄製のモリ部、柄、ロープからなる細長いモリ。
有効射程距離はおよそ13b程度 |
| 差添銛 | 柄が早銛よりやや大きい。モリ先重量:50匁(190c)。最初に打つ銛。 |
| 下屋銛 | 早銛と同じ。モリ先重量:50匁(190c)。 |
| 三百目銛 | 鉤があり、網を掛けたときに網が落ちるのを防ぐためのモリ。モリ先重量:300匁(1.1`)。
鉄製のモリ部、木の柄、ロープからなる長いモリ。モリ先300匁からの語源か。 |
| 柱銛 | 帆柱に結び付けて網が外れない様にするモリ。重量:500匁(1.9`)。 |
| 錨銛 | 錨に結ばれて網が外れない様にするモリ。モリ先重量:500匁(1.9`)。 |
| 手形銛 | 鯨の動きが鈍ると盛んに打つモリ。モリ先重量:500匁(1.9`)。 |
| 一番銛 | 最初にクジラに刺した萬(万)銛で栄誉ある銛。高い報償が与えられた。続いて二番銛、三番銛と多くのモリが打ち込まれた。 |
| 万銛:よろずもり | 手形モリと同じ。クジラが網に突っ込んだ後に打つモリでクジラの逃走・沈下を防ぎ
舟を曳かせ疲労させるモリ。モリ先重量:800匁(3`)。その有効射程距離はおよそ8〜9b程度で短かった。 |
| [遊動式火器捕鯨] | 船に「固定しないで手持ち」の火気・銃を使って、炸裂弾や銛を発射して鯨を捕獲する漁法。 |
| ボンブランス銃 | 「ボンブランス」を飛ばす装置。肩当式の捕鯨銃、肩負い式捕鯨箭(ほげいせん)、手投げ槍、捕鯨砲、捕鯨銃など。 |
| ボンブランス(炸裂弾) | 1846年アメリカ人によって発明された「ボンブランス」という鯨の体内に入って爆発する炸裂弾のこと。 |
| ポスカン銃 | 木柄の先端にボンブランスが発射される短筒をつけた銃をいう。銃としては面白い形をしている。
「ボンブランス手投げ銛」:(東京海洋大学・水産資料館説明文)
アメリカ式の手投げ銛の捕鯨からノルウェー式捕鯨砲に移るまでの間、人々はいろいろな工夫
をしました。その内の一つに手投げ銛の柄の先に別の飛び出し銛を装置した物を考えました。
これは普通の銛がクジラに命中すると、その衝撃で爆薬が作動し飛び出し銛がクジラの体に
深くささって致命傷を与えるよう考えたものです。このようなモリを「ポスカン銃」といいました。 |
| ダーティングガン | 「ポスカン銃」と同じ。アラスカ原住民の捕鯨で使用されていました。 |
| 捕鯨銃 | ブランド型捕鯨銃・パーカッション式捕鯨銃・管打式捕鯨銃・植松式捕鯨銃・平戸式捕鯨銃等がある。下記説明。 |
| ブランド型捕鯨銃 | 炸裂弾の「ボンブランス」を発射するアメリカ製口径24_と28_の捕鯨銃(下記の管打式ライフル)。 |
| パーカッション式捕鯨銃 | 「管打式」は「パーカッション式」とも云われ、弾丸、火薬筒、雷管が別々になっている旧式の装弾方式です。
15世紀に発明された銃は、長期間「火打ち式」であったが19世紀初頭に発火用の鋭敏な火薬を金属皿に
詰めた「パーカッション式」が作られ、こに金属皿をハンマーで打撃し、装薬に着火・激発させる方式が発明
されると軍用銃・リボルバー拳銃に多く使用された。
幕末に漂流し、アメリカの捕鯨船長にまでなったジョン万次郎はこの銃を使い小笠原近海で捕鯨を行ない、
幕府に捕鯨で利益があがることを推奨したが失敗に終わったようです。
同じもので色々な方式の名称が付けられています。輸入されたが平戸等でも改良し作られたようです。 |
| 植松式捕鯨銃 | この銃は平戸市植松の捕鯨組がアメリカの捕鯨銃を取りいれたので植松式ともいう。全長96_、口径28_のものです。 |
| 平戸式捕鯨銃 | クジラに命中しても逃げ出したり、死鯨の引き揚げが困難だったりと成績不振で平戸地方だけのものに終わりました。
下記の火矢・火矢抜き・早盒とともに「松浦史料博物館の県指定有形民俗文化財」です。 |
| ・火矢:ひや | 銃の弾玉のこと。破裂矢または破裂槍ともいう。ボンブランスのこと。命中したらクジラの体内で破裂、必殺を
ねらって工夫をし平戸式とか植松式捕鯨銃とか呼ばれた。利点もあったが欠点もあり普及しないで終わった。 |
| ・火矢抜き:ひやぬき | 鉤状の火矢を抜く金具。 |
| ・早盒:はやごう | 火薬入れのこと。引金を引くと雷管発火装置で早盒の火薬が爆発し、火矢を発射させる仕組みです。 |
| 洋式トグル銛 | 死んで沈まない様に銛を打って繋ぎとめるための銛。 |
| [固定式火器捕鯨] | 船に台座を設けて設置した銃・砲を用いて銛や炸裂弾、双方の複合弾体を鯨に打ちこんで捕獲する漁法。 |
| 米国式中砲 | 米国中砲を用いた捕鯨。1882年頃アメリカ・ニューベットフォードで開発されたメイソン&カニンガム捕鯨砲の
ようなアメリカ式の砲か? |
| 関澤式中砲 | 関澤明清が開発した「無炸裂銛」を打つ捕鯨砲。明治20年に伊豆大島、朝鮮、金華山沖などで用いられた。 |
| グリーナー砲 | 1837年、イギリスのグリーナーが製作した。無炸裂銛を打ち出す砲。
房総のツチクジラ捕鯨に用いられた。鉄の砲身、ケヤキ、真鍮、台:ベイマツ 長さ:127.0a 口径:4.0a。 |
| 殺し銛 | グリーナー砲でモリを打ちこんだ後に、とどめをさすための銛。
モリ部:鉄、 柄:ケヤキ モリ部:85.0a 全長:245.5a。 |
| ノルウェー式捕鯨砲 | 1864年ノルウェー人のスフェント・フォインによって開発された炸裂弾体と銛を一緒に発射する砲。
口径90_・75_・50_等がある。大きい鯨ほど口径が大きい砲を用いました。現在、ミンククジラには口径75_砲を使用。
動力船の船首先端部に設置して用いたので効力を発揮し従来の捕鯨法を一新しました。
日本では明治30年代頃に導入され、現在も調査捕鯨で使われています。 |
| ノルウェー式銛 | 銛先端部に火薬が入った平頭モリ先(グラナッツ:炸裂弾体)を付け、4本爪を持つ首部が折れ曲がる仕掛けのモリ。
溝部に弾力性がある28_ナイロンロ−プを付けます。このモリは捕鯨砲の先端から差し込みます。
調査捕鯨では銛先重量:5キログラム、モリ部:40キログラム、合計45`のモリを使っています。口径90ミリでは重量60`でした。
銛先はクジラの体内に入って炸裂する様に仕掛けられています。 |
| 空気モリ | 仕留めた鯨が沈まないように、体内に吸気を送りこむためのモリ。材質は鉄、亜鉛管、柄:カシから作られています。
モリ部:86.0a 全長:233.5a。 |
| 前田式連装砲 | 1914年:明治37年に和歌山県太地浦の前田兼蔵が発明した。
小型鯨・ゴンドウクジラを捕獲する連装(3連・5連)の銛を発射する砲。
和歌山県、三陸地方、千葉県外房地方、佐賀県呼子で使われていた。
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| 五連銃用モリ | 沿岸小型捕鯨に使われた五本一度でも一本ずつでも打つことが可能なモリ。鉄 長さ:62.2a。 |
| 尖頭銛 | 銛の先端が尖った銛。水面で跳ね命中率が悪かったので平頭銛に代わった。 |
| 平頭銛 | 銛の先端(銛先:グラナッツ)が尖らず平らな銛、モリが海面で跳ねるのを少なくし命中率を上げたもの。 |
| 電気銛 | 電流を通し感電によるショックで捕殺する捕鯨銛。クジラを苦しめないといわれた。 |
| {古式鯨舟} | ー |
| 勢子舟:せこぶね | 羽刺しと呼ばれる銛手が乗る高速舟、この舟が鯨を追尾し銛を打ちます。 |
| 網舟:あみぶね | 網を運んで所定の場所に仕掛ける舟。 |
| 持双舟:もっそうぶね | 捕獲した鯨を港まで曳航するやや大型の舟。 |
| 樽舟:たるぶね | 網を浮かせたり、鯨の泳ぐ力を弱める目的で使われる樽を運んだり、回収したりする舟。 |