ホタルの話 その3 カワニナについて |
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ゲンジボタルの幼虫は、主にカワニナをエサとしますが、 ヘイケボタルの幼虫は、カワニナ、タニシの仲間、モノ アラガイ、サカマキガイをエサとして成長します。 カワニナは、雌雄異体、卵胎性の巻き貝。 琵琶湖以外では、カワニナ、チリメンカワニナ、ヒタチ チリメンカワニナ、クロダカワニナ。 カワニナは、夜行性で、移動距離は20度Cで 約20センチ/10分。 食性:珪藻、昆虫の死体、葉片、残飯、クレソンなど の茎、根など。 寿命は1から1,5年。雌貝は、100以上の稚貝を持つ。 |
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幼虫は、自分の大きさにあったカワニナを食べます。 1匹の幼虫が、次の年の3月までに食べるカワニナ の数は約30匹です。 小さい幼虫は、小さい貝しか食べれないので、 カワニナが、そこで増殖サイクル出来る環境が必要 です。養殖の場合は、貝を砕いて与えねばなりま せん。 カワニナの密度、自然増殖の環境維持が大切 だと思います。 |
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蛍の幼虫は軟らかい貝の身体にかみついて、消化 液を出して、カワニナの肉をとかして肉汁を吸います。 食べ終わるのに2日位ぐらいかかることがあります が、貝の肉の臭いが水に溶けて、他の幼虫が集まり、 いくつもの幼虫が一つの貝に群がっています。 |
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カワニナは何が好きか?を実験してみました。 酒々井の水路は、クレソンが発生しますが、 これは好きなようで、茎の部分に、稚貝がたくさん 付いていることがあります。 ただ、クレソンが増え 過ぎるので葉の部分を切ってます。 スイカは大好きですが、身の部分は、水を汚すの で食べ残りがいいです。 あげすぎには注意。 スイカの産地で良かった! |
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キャベツは好きです。ジャガイモよりはサツマイモの 輪切りがいいですが、高いのでこれは止めました。 マーケットの野菜売り場にキャベツの表皮がまと めて捨ててありますが、これをもらってきて与えます。 仲間の菜園からもたくさん届きますので、困りま せん。 自然界では枯れ葉、稲の根などにも付いてます。 |
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自然界ではカワニナにも天敵がいます。 ヒル、ヒラタドロムシ、沢ガニ、ザリガニ、コサギ、 カラスなど。 カワニナの成長には、太陽も必要のようです。 水温も暖かい季節の方が元気。冬は土に少し 潜ってます。 天敵から隔離して育ててみました。 カワニナダンゴを作って与えると他のどんな植物 よりダンゴを選びます。 |
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<カワニナダンゴ レシピ> 赤味噌、煮干し・・・カワニナの増殖を促すエサが 色々実験されてますが、会も実践中の一例を紹介 します。 A,干しシイタケ キャベツ、煮干し、ゴマ 納豆、他 B,ヌカ、小麦粉、きな粉、ボレイ 味の素、1,5カップ水 A,Bを混ぜて火にかけ、よく混ぜ、みそ汁より柔らかめ C,寒天、水3カップ を加え再び加熱し、ドロドロに。 平皿に流し固める。さらに3日間天日干し完成。冷凍庫保存 |
ホタルの減少は、エサのカワニナの減少にあるとも
言われています。家庭洗剤の排水の浄化も進みました
が自然そのももの浄化能力も期待したいです。
一度全くいなくなったカワニナを呼び戻すには、最初
は人間の手助けが必要だと思います。そのカワニナが
ホタルの維持に必要な数まで増え続けるかは、自然環
境に依存してくるでしょう。