勉強することの好き/嫌いは別として、ほとんどの子どもは『今よりも成績を上げたい』とは感じています。
しかし、現実的には思うように成績は上がりません。
すると、ほとんどの子どもは勉強不足に原因を見出しますが、一方で、学習量を増やすことに嫌悪感を示し、継続することに悲観的になります。
その結果、これまでと変化のない惰性的な取り組みを続けることになり、良くても“現状維持”、悪ければ“学力の低下”という状態に至ります。
もちろん、この状態を打破すべく、学習塾や家庭教師の利用を決めたご家庭も多いかと思います。
確かに、それにより強制的に学習量は増やせますし、一人で解決できない問題なども教えてもらうことが出来ます。
しかし、その結果、成績は向上しているでしょうか?
恐らく、学力の低下こそしていないものの、現状維持に留まっているケースが多いのではないでしょうか?
ここで、予めお断りしておきますが、これは現在ご利用になっている学習塾や家庭教師を否定するものではありません。
実際、どこの学習塾でも成績が向上する生徒と、そうでない生徒が混在していると思いますし、同じ家庭教師からマンツーマンの指導を受けても、成績が向上する生徒と、そうでない生徒がいると思います。
つまり、指導者の“勉強を教える技術”は、必ずしも成績向上には直結しないということです。
どういった学習環境であれ、成績が向上する可能性とそうでない可能性は共存しており、選ぶ学習環境は結果を決定する“最重要ファクター”ではないのです。
恐らく、多くの人が考える『成績を上げるために必要なこと』とは、以下のようなものかと思います。
■本人のやる気
■良質な学習環境/優秀な指導者の下での学習
■膨大な学習量
・・・確かに、何れもあれば成績向上への可能性は高まりますので、あった方が良いのは間違いありません。
しかし、これでは決定的に欠けている要素があるために、費やした労力やお金に見合う結果は得られ難くなります。
さらに、“見合わない結果”はモチベーションの低下を生じさせ、継続することを困難にしてしまいます。
そして、上記の3点も“継続”なくしては、ほとんど効果は得られないのです。
では、成績を向上させるためには、何が必要なのでしょうか?
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・・・それは、
自分の現状を徹底的に“分析する”ことです。
そして、これは勉強することよりも必ず優先して行わなければなりません。
何故なら、現状を分析し、情報の精査を行わずして、学習内容は決められないからです。
本人のやる気/指導者の教える技術/学習量は、適切な学習内容に着手できて初めて、その真価を得ることが出来るのです。
現状分析に際して、有効な情報を最も得られるのは、“テストの結果(採点後の答案)”です。
ほとんどの子どもは、テスト結果を自分の学力レベルを“得点(数字)”で把握するための道具としてしか認識しておらず、得点の高低に一喜一憂するだけで、そこから何ら情報を得ることなく、過去のものとしてしまいます。
しかし、重要なのは“獲得できた点数”を確認することではなく、“獲得できなかった点数の内訳とその特性”を把握することなのです。
減点部分の問題傾向を整理し、
①現状での学力でも十分に得点できた部分(=解法は理解できているが、ミスによる減点となった部分)と、
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②現状では得点できなくても仕方ない部分を区別し、②の中から、
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③今後の勉強次第で克服できそうだと感じる部分を見出す。
【解説】
①については、解法の理解は出来ているので、あとは練習量の問題です。いかに手返し良く、数多くの練習問題に取り組めるかが鍵となります。
③については、自力で取り組めるのであれば、参考書や問題集などを利用し、1問1問に時間をかけてじっくりと理解に努めます。
勿論、学習塾や家庭教師を利用中であれば、自己申告することによって、この部分の解決にピンポイントで対応してもらえるのでさらに能率的です(“自身で取り組める部分”と“援助が必要な部分”を分けることにより、授業時間を最大限有効に使うことができます)。
そして、②については、①と③が解決するまでは絶対に着手してはいけません。
何故なら、現状では学習量を得点に結びつけ難い部分(学習量の割に理解が及ばない部分)なので、事実上、無駄な労力となってしまうからです。
加えて、学習量が順当に得点に結びついていかないと、子どもたちは勉強すること自体へのモチベーションを落としてしまいます。
この部分へ着手するタイミングは、この部分が③に昇華した時です。
それまでは、“想定内の減点”として捉え、時期が来るまで勉強対象から度外視します。
以上のように、同じ“弱点”でも性質が異なれば、対応策や優先順位も変わるため、まずはこれを見極めなければ具体的な学習プランが立ちません。
そして、具体的な学習プランがなければ、それは場当たり的で、『勉強をした』という自己満足しか得られない、実体のない学習になってしまいます。
この段階で、“現状を分析すること(=弱点の性質を細分化して捉えること)”の重要性はご理解頂けたかと思います。
勿論、これを子どもたちが自身できちんと行った上で、適切に学習に取り組めば、独学でも成績は向上していきます。
・・・しかし、これは子どもたちの力では実現が難しいのが実状です。
そこで当塾では、勉強の指導に加えて、これを“学習管理”の一環として捉え、生徒ごとに分析を行った上で、それを授業内容(課題内容)に反映させる方法を採用しています。
指導者側が、“勉強を教えること”と“学習状況の管理”を統率して受け持つことで、実体の伴った効果的な学習が提供でき、子どもたちは勉強する事だけに専念できます。
よって、
当塾での学習に際して子供たちに求められること(=成績向上に必要なこと)は、以下の2点のみとなります。
① 塾から指定された宿題は期限までに完了させ、必ず提出すること
成績を向上させるためには、適切な学習内容に取り組むことも必要ですが、当然、一定の学習量を確保することは避けられません。
当塾では、毎日の学習量が均一になるように、課題を“一日単位”で具体的に指示しておりますので、スケジュール通りに遂行していれば、必要な学習量は確保できる上、無理なく提出も可能です。
② 指導された解法手順を完全に再現(模倣)すること
正直なところ、当方に通塾する生徒の中にも【成績が上がる生徒】と【そうでない生徒】が存在します。
そして、この違いは、間違いなく【指導された解法手順の再現度】に大きく起因しています。
指導した解法手順を厳守する生徒は着実に成果が上がっている一方、自己流の解法手順から脱却できない生徒ほど、学習量や指導期間に見合った成果が出ていません。
実は、子どもたちにとっては、“自己流からの脱却”は想像以上に難しいようで、指導された解法手順の精度や効率性の高さを実感しても尚、自己流に固執してしまう傾向が見られます。
しかし、ほとんどの場合、子どもたちの“自己流の解法”には多くの問題点を含んでおり、それ自体が多くの減点を生じさせています。
この点については、改善の必要性をしっかりと認識し、早い段階で正しい解法手順を習慣化させることが重要です。
上記の2点に加えて、学習への“積極性”も望まれますが、これは“現状の学力で手に負える学習内容”に取り組むことで生徒自身が“勝算”を見出すので、自ずと向上心が湧き、学習に対する積極性は自然に芽生えます。
全く歯が立たない問題であれば戦意も失ってしまいますが、あと少しで攻略できそうだとなれば意欲は出てきます(勝算のない戦いを回避したいのは子どもとて同じですし、勝算があれば欲も出てきます)
当塾での学習では、常にどの学力レベルの生徒に対しても、具体的な成績アップへの道順をイメージさせています。
漠然と“成績を上げる”ではなく、
( 例えば)
数学であと10点アップさせるためにどういった学習をしていくのか、
そして
それが如何に無理のないプランで、実現可能なことなのかを認識させます。
これにより、生徒は勝算のある具体的な目標を見据えることで、
高いモチベーションを維持したまま学習に取り組めるようになります。
冒頭でも記した通り、ほとんどの子どもは『今よりも成績を上げたい』と感じています。
当塾では、指導者に求められるのは、(勉強を教える技術も勿論ですが)そうした子供たちの想いを無理なく実現に向けてフォローする力であると考えています。