宵明けの大空に -10- 私が来たからには大丈夫

  



「ちょっと待ってください。」

とても静かな空間に響き渡る声はどよめきを生みました。
何が起きてもおかしくないというのは、お腹がおかしくなりますね。
私はもう何度でもお腹がおかしいのです。

「「何事です。」」

「何だあんたは。」

アカデメイで起きている、ラーク先生ソロモン王の会談に飛び込みました。
「私は空に住む人々、空の民のジョンです。」
「一体あなた方は、ここで何の話をしている。」
「教会の奇跡、この話についてではありませんか。」

「何を言っているのか、さっぱりだね。」
「私たちは真剣に話し合っているのだよ。」

「待て、よさないか。何の用だ。」


実のところ悪いのはこのジョンさんだと思います。

「教会の奇跡を取り払うには身内を疑うべきでしょう。」

私もそう思います。

「アカデメイの学生たちの本分は学生でしょう、学生していないのがいけません。」

これには言い尽くせない語弊がありますがご愛敬。

「「「そりゃ、そうですが。」」」

「とりあえず、これを見てください。」

私がお三方に分かるように招聘状を置きました。

「この子はアルバ、私の娘です。」

「空の民は、地上の技術の進歩、進展に非常に関心を持っています。」
「是非とも、お尋ねしたい。」

「ロップさんは何処に。」

「それは、雲の上だろ。」

「その月に行ったロップさんについてですよ。」

サアサアと流れる時間、意味が分かったのはラーク先生でした。

「ロップさんかい、ロップさんならライアン君が月へと向かったはずだね。」

「「そうなんですか。」」

ソロモン王と、ジョンさんが言いました。

「ライアン君ですか、なるほど。」

「ライアンに何か。」
レオン先生が割って入ります。

「では、ライアン君もご招待いたしましょう。」
「ならば、私たちもついて参ります。」

そうなのです、ここでジョンさんが悪いのです。

「失敬、ゴホン。そういう訳にはいかないのですよ。」

「ライアン君とやらを探しているなら、教会に頼ったほうが早いのではないですかね。」

「そうではない。しかし、それも良いでしょう。では、御免。」







時間は流れて行きます。
何の話か分からないなんて学生には良くあることです。
分からないほうが良いなんて良く言いますが、
分からなくて困っているのに分かっているなんて大変です。