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宵明けの青空に2 -2- 処刑寸前
マジカル・プリンセスのウマエ王国での演奏が決まった。
隣の隣の国なのにルボータン王国では男がニヤニヤしている。
ルボータン王国の皇帝が行ってこいと言ったのはこのことである。
「誰が死んだんだ。」
「死人とはかけ離れているよな。」
「王様の心配が分かりませんね、私たちはどうでもいいのかね。」
時計台の鐘が鳴る、街の風がごちそうの匂いを運ぶ。
家への帰り道が頭をよぎる。
反射した音が空へ昇っていく、誰がいなくなったのだろう。
僕らは遅いのかもしれない。
「歌手のタート、キュレーは不幸には見えないな。」
「分かった。ウマエ王国に今すぐ行こう。」
「えへへ、楽しみですね。」
もし、処刑が音楽を聞くことだったなら、耳を塞げばいいのか。
教会の奇跡がみんなを守る神様には攻撃できないとするなら、
マジカル・プリンセスというアイドルは信じていいのか分からない。
「なあ、ライアン。何か心配してないか。」
「何かって、犯人なんているのかなって。」
「そりゃ、いるかもしれけどさ。」
「エンターテインメントでしょうよ。」
「まさかね、ライアンは歌が上手いのかな。」
「もしかして、ライアンさんは主役だったりして。」
「言ったな、ホームランキングにエメラルドクイーンめ。」
観光しに行くのかな、何だか僕は気持ちが揺れていた。
「音痴は歌えないのかな、なんてな。」
「聞こえないだけで、流れてるんですよう。」
「上手い歌が処刑の元ということか。」
「そうでしたっけか、主役の登場です。」
「何言うんだハント、ロックに決めてやるよ。」
音痴は処刑だが、死ぬのは誰だ。
上手すぎる、ないな。
どうするんだ。
見つけた奴らが悪いとしたら、僕らは何になるんだ。