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喉山長閑さん、自立の世に生きる -4- サマーリゾート
淹れたてのカフェオレは美味しかった。
香ばしくて冷たい。
かき氷も買えたら、さらに美味しかったかもしれない。
ケーキが美味しそうと思っていた。
街に新しくケーキ屋さんができた。
お母さんが行かないと行かないけど。
ファストフードに行くのにケーキ屋さんには行かないのか。
「切ないこと言うじゃない。」
コンビニもあまりいないね。
「働くか。」
のどかはアルバイト経験がない。
お金はお小遣いなので、友達付き合いは難しくなってきた。
「社会の邪魔になったら、どうしよう。」
そのときだった。
プー パー
「お豆腐屋さんか。」
プー パー
「アイスキャンディー要りませんか。」
「え、アイス。食べたい。」
これがイチロウさんとの出会いだった。
「アイス欲しいです。」
「え、はい。よろこんで。」
イチロウさんがくれたのは手作りアイスだった。
「200円です。」
「はい。この辺でやってるんですか。」
「いやあ、始めたばっかりで。」
イチロウさんのアイスは難しかった。
「私を働かせてくれませんか。」
「え、僕が働く分しかないよ。」
のどかは200円を何度も計算していた。