宵明けの天空に -13- 世界老化大作戦

  



「お前たちだったんだな、非常識人。」
「何だこの錬金術師、お前らなんてアカデメイしか認めてくれないだろう。」

「ここで老け込むわけにはいかないんだ、そのライトを切って寿命を延ばすんだ。」
「こんなのどうでもいいじゃない、君たちだって俺はどうでもいいけどね。」

「世界の誰もが年を取ると思っている、そのライトさえなければ僕らはもっと長生きする。」
「やめろ、そんなの当たり前なんだから、切っていいわけないだろう。」

「というわけだ、君に分からなきゃいいんだろう。僕は勝手にするぞ。」
「勝手にしろ、そんなのできっこないもんね。」


これが星たちの夢の一節だったのだ、おそらく教会の奇跡について書いてあるのだろう。
宇宙すらも一体となった王国の伝統に、よそ見なんてないのである。
しかし、僕らから見て王国は危うしだった。
教会の奇跡は実体を持ち、人々を苦しめていたように見える。

病気は侵略のせいなのか、流石に言い過ぎだと思った。
しかし、7000人問題といい、人のせいにしないという、攻撃者の隠れ蓑が目立つようになったのである。
「この病気は良くて、あの病気は駄目なのか。」
そうだ。教会の奇跡も7000人問題も攻撃者がいたのである。


-お前がライアンだな。-
-そうだ。-
-言わなくてはならない、王国は滅びない。私に従え。-
-あなたはこのこころを滅ぼそうとしている、弱さも明らかだ。-

-何を言っている、お前みたいな錬金術師に言われたくないぞ。-
-あなたは私を自殺に追い込むことで、自分の作り話を隠そうとしている。-


証拠もなく相手に言いがかるのは良くないが、よく考えた結果だった。


-王国はお金がないはずだ、カブラークス王国から人を雇うのにお金がかかったのではないか。-
-この馬鹿、何がおかしい。-
-カブラークス王国は人不足か。-
-そこを叩く。-
-実際にはルボータン王国から人が出ていくことになった。-
-何を言っているんだ。-
-カブラークス王国とルボータン王国の人々を住み替えてお金に換えたのだろう。-
-ルボータン王国に金がないんだろう、できないさ。-
-いいや、追い出すだけだ。-
-カブラークス王国の人材なんて要らない。-
-安い人件費は好材料ではないか、作られた侵略戦争か。-
-ルボータン王国が全てを叩く。お前なんか、追い出されておしまいだ。-
-いなくなったらどうするの。-
-せ い せ い す る わ 。-



どうなってんだ地球、大変だ。