宵明けの青空に2 -12- カブラークス王国の王子

  



コンサートシティの帰り道、隣のステージからも歓声が上がった。
「我らがプリンス、ウマイヤ王子歌ってくれ。」

「ヤー、我らがカブラークスは科学技術のいしーずーえーに。」
「ルボータンとはライバルだよね。」

この王子は人気がある。
一方でこのようにも言っている。
「ウマエ王国に来たのはね、カブラークスが負けてないってこと見せないとね。」
「ライアン君が負けちゃうでしょう。」

「ついでに言うとね、ルボータン王国の神様って誰さ。」
「僕に似てないか。それは僕がアーティストだからなのさ。」

分かんねーよ、王子。そんな声が聞こえてきそうだった。

「教会に利用される僕じゃないさ、神様なんていない。」
「じゃあ、カブラークスで働かないかい。」

「行くぜ。」

ジャーン ワアアアアアア


国が違うと事情が違うのだろうか、涼しいことを言っているようにも聞こえる。
教会の奇跡はカブラークス王国にはうま味があるようだった。
ライアンはルボータン王国にいる。
ルボータン王国の残党狩りは届くだろうか。