宵明けの大空に -2- 矛盾問題は問題が問題

  







何度も考えて、やっぱり分からないのです。
あのラーク先生ってのが気に入らないのです。

こんなに、こんなに話しているのに最悪、最悪ばかり起きていたのは何故なのでしょう。
「ライアンさん、教えてください。如何して私たちは出てこれたのでしょうか。」
「誰かの悪意に気づくということは大変なことなんだ。」

「どういうことですか。」
「ハント、「何故なのか」と、考えるのは重要だ。しかし、問題はそれそのものにあるんだ。」
「むむむ、どういうことです。」

「まあ、その話はいったん置いておいて、次はどこへ行こうか。」
「なんでなのですか。」
「ほら、また何でなのかと聞いたね。正しいよ。解いていこうか。」

「何だか釈然としませんね。」
「話を一旦置いておく、このことに問題があったんだ。」
「どうしてですか。」
「次にどこへ行くか考えるためだ。」
「なるほど。」

私はまだ分かってなかったのです、
この問題は他人への遠慮というものを利用した、
私たちへの悪意というものが発生していたのです。

「つまり、僕らは如何して出てこれたんだハント。」
「それが分からないからライアンさんに聞いているんですよう。」
「馬鹿たれ、問題はみんなにとっても問題なんだ。」
「どういうことですか、もう。」

「つまり、もっと聞いてくるんだハント。」
「ほいな。」
「え、ちょっと待てハント。」
私は何故なのかの塊であることを痛感することになるのです。

「ハント、みんなに聞くのであれば、このライアンに聞きなさい。」
「ん、ライアンさんに聞くのですか。」
「ハントは僕に遠慮しているだろう、何でなのか僕はまだ答えきることができていないぞ。」
「何を言うのですか、問題は問題って当たり前なのではないですか。」

「そうだ。何故ではない、問題が問題なのだ。」
「如何して出てこれたのかについて考えろと言うのですか。」
「そうなんだけどね。ハントは自分でどう結論付けたんだ。」
「だから、分からないと言ってます。」
「その前の結論だ。つまり、如何して出てこれたのかに対して、出てこれるはずない。と、いうのがハントの結論なんじゃないか。」

「むむむ、そうです。そう言われるとそうです。」
「それだと、犯人の悪意には気づいていないようだな。」

ライアンさんがこんなに頼もしいのはめずらしいのです。
しかし、良識があるゆえに悪意のあるものに対して理解に乏しくて。
「ラーク先生と如何して戦うことになったのか、分かるかハント。」
「答えの出ないことばかりですね、でもそれ自体が問題なのですね。」
「そうだよ、つまり何故僕に対してラーク先生が命じてきたのか、というのが問題なんだ。」

気配を感じた。
「ということは、どういうことかしら。」
「スノーさん。」
「スノーさんがラーク先生の言うことを聞いて向き合ってくださっていたよね。」
「そういうことですか。」
「分かったのか、相変わらずすごいな。」

「ライアンさん、続けてください。ライアンさんの答えにも興味があります。」
「ああ、いつも通りです。」

「つまり、ラーク先生はわざわざライアンに話をしなくてはならなかったんだ。」
「そうですね。」
「つまり、ラーク先生はわざわざライアンに話をしなくてはならなかったんだ。」
「そうですね。」
「つまり、ラーク先生はわざわざライアンに話をしなくてはならなかったんだ。」
「そうですね。」
「つまり、ラーク先生はエデュケスの人に聞こえよがしに喋っていたのではないかな。」
「そうですね。」
「ん、ライアンちゃん何を言っているのよ。面白くないわね。」

「いただけないですね、邪推だというのですか。」
「いいえ、違うのよ。ただ、ライアンちゃんだけで答えだしてちょうだい。それでいいわ。」
「ほいなです。」

「ラーク先生はわざわざライアンに話をしなくてはならなかったんだ。」
「これそのものに問題があるんだ、つまりラーク先生はライアンこと僕に話なんかないのだよ。」
「「そうね。」」
「ハントはさっきまで分かってなかっただろうよ。」
「まず、解いてみて下さい。」

「しょうがない。では、何故ラーク先生と戦うことになったのか。」
「これそのものに問題があるんだ、つまりラーク先生とライアンは戦うことなんかないのだよ。」
「それは嘘ですよ。」「それは嘘でしょ、ライアンちゃん。」
「嘘じゃないですよ、ライアンが警戒しているのは教会ですから。」
「何、教会ってことはルボータン王国が気になるの。何考えているのよ。」

「何でなのよ、おかしいわよ。」
「ラーク先生はどこへ行ったのです。」

「だから、戦う必要なかったの、けれど問題が生じていたんだ。」

「何で、何とかかんとかしなくちゃいけないの。というのは、何とかかんとかしなくていいからなのですよ。ということですか。」
「惜しいわ、けれど問題が生じていたのよ。ハントちゃん。」

「つまり、どういうことですか。」
「ハント、ざっくり言えば。ラークさんが言ってたろ、アカデメイから連絡があったと。」
「え、あれが嘘なの、馬鹿じゃないの。あんた早く言いなさいよね。ジラーちゃんどうすんのよ。」

「ん、どういうことですか。」
「ジラーちゃんが一人でラークに立ち向かっているんじゃないかしら。それはしなくていいの、と言っていたのはジラーちゃんじゃないの。もう、ライアンもハントもなぜなぜは重要だけど、気付けなかったわね。」

「そういうことか、狙いは僕だったのか。何で、ジラーとラーク先生が戦わないといけないのか。2人が戦う必要がないからということか。だとしたら、何故ラーク先生はジラーを攻撃し始めたんだ。狙いは僕だったんじゃないのか。」
「なぜラーク先生がジラーを攻撃しないといけないのかに対する答えは、ジラーを攻撃する必要がないからだ。攻撃する必要がないというのは、ラーク先生の目的は達成されているということ。」
「もし、目標が達成されていないということは、ラーク先生はジラーを攻撃しないといけないということだ。」

「やっぱりラークが悪いんじゃないですか!」
「うん。」