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宵明けの青空に3 -1- 錬金術師の末裔
「辺境の地ララレイにいるスノーは来ているか。」
「私よ。」
「いつの間に」
「出番なんてあるのね。」
日差しの強く差す窓を無視してスノーが続ける。
「人間と物質、そして霊体の法則違反が生じているっていうのね。」
「私たちじゃないわ。」
「そんなはずはない、今度こそ錬金術師の仕業のはずだ、どうか調べてもらいたい。」
「嫌ね、教会の奇跡が終わって政教分離のルボータン王国に何が沸くって言うのよ。」
「だから君たちが怪しまれているんだ。」
「そうね、いいでしょう。私が正しかったら魔法世界にしてあげる。」
「君たちだったら王国に通報する、仲間の錬金術師たちによろしくな。」
「分かったわ。」
「レオン先生、王国は何と言っていますか。」
「読み上げます。」
アカデメイ 総長ウル殿
この度は通報を頂き、誠に早い対処であります。
宇宙との連携を強化するため、ご容赦いただきたい。
一方で、時空でもないエネルギー違反の恐れありとします。
無いとは思いますが、また奇跡の話であれば、
アカデメイを厳罰に処しますので、覚悟するように。
「とのことです。」
「整ってるじゃないの、もう。」
「何の話か、分かったかね。君だよスノー。」
アカデメイは忙しかった。
ライアン達は、結局安くは済まなかったのに。
こうなると、また彼らだと思う。
親心がネグレクトしていた。