宵明けの青空に2 -10- 魔法の効果がきれた

  



寒さで沁み入った地面から足元が冷え込んでいくのを感じる。
星が瞬いて僕らに帰り道を教えているかのようだった。

記憶の粒子が鼻に迫る、その大きさは意外と目にも見えて。
「どうするんだ。」

僕らの心を操るのだ。

「音楽も信じないんですか、お前らは本当にあほたれですよ。」
魔法の効果が切れたのか、僕らは冷静になった。

神様なんていない、しかし、音楽に異端があり、それが処刑の対象になるとしたら、
答えがたった一つある気がするのだ。
それはルボータン王国の皇帝でもなく、マジカル・プリンセスのことでもないとしたら。
何なのだろう。

「ライアン、何をそんなに悩んでいるんだ。」
「マジカル・プリンセスは神様でしたね。」

「わかったあ。」

「なんだよ。」
「上手い以外は処刑なのか。」
「だから、音痴は処刑だって。」

「ライアンさん、処刑寸前ですよ。」
僕は顔が真っ赤になった。

「いた、ライアン君だ。」
マジカル・プリンセスとチームオリエントに囲まれてしまった。
「どうでした、私たちの活躍は。」
「世界は平和になったでしょうか。」

僕は意外なことを聞かれていた。
「自分たちで空を飛んでるんだってね。」
「教会って危険なんだよ。」

「「いいから、こっち来い。」」


僕らは連れ去られた。