宵明けの青空に2 -9- マジカル・コンサート

  





ビームがステージを照らす、観客が沸いた。

オオ、オオオ、オオ、オオオ
青白い光がステージに落ちていった。

「ウマエ王国のコンサートシティの皆さん、こんにちは。マジカル・プリンセスのタートです。」
「マジカル・プリンセスのキュレーだよ。私たちがみんなに元気をあげる。」

「あおいあおいうみ、ひろいひろいそら。」
「あおいあおいそら、しろいしろいくも。」

「そらのなかをぼくらおよいでる。」
「きょだいなほしもきっとでんせつじゃないよ。」

「とんでくぶんめい。」
「まぐろだってとりのようにとんで。」

僕らは大きなミュージックの中にいた。
演奏されている曲の中に流れを見出すのだ。

そのときだった。
「やいライアン。キュレーだよ。」

唖然とした。
「タートです、音楽しているかな。」
「呼んでるのか。」
「私たちがあげるって言ってるの。」
「よく来たね、みんな。ありがとう。」

またハントが泣いている。
「不器用っすね、畜生が。」


ジェットコースターみたいに揺さぶれた日、捕まえたはずが捕まった。
怪しくて格好いい歌手たちは、あげるって言った。
神様にはなかなか会えない、むしろいないかもしれない。
しかし、そういうことなのだと思う。