宵明けの上空に -4- まだ寝ていよう

  





僕はまだガレージでくつろいでいた。

「ライアンさん、私は仕事する必要があるんですけどね。」

ハントもガレージでくつろいでいた。
大変なのだ。

「俺も仕事をしないといけないぜ。」

ジラーもガレージでくつろいでいた。
大変なのだ。

いま思うとジラーの悩みとは違うなあとは思う。
けれど、それはジラーの言い訳だと思うのだった。


ガー

冷房が効いている。

涼しいなあ。



これでいいんじゃないか、僕の生活は。


僕はこれで良かった。
けれど、ジラーとハントのやる気を取り戻す。
目的があったのだった。

「無理をしなくていいじゃないですか。」
そこからちっとも動かないのだ。
けれど、それは僕の悩みとは違うと思う。
だからこそそれは僕の言い訳だと思うのだった。


冷房がいいな、なんとなくそう思っていた。
教会の奇跡も冷房くらい、ふんわりとした幸せでいいのに。
分かってしまっただけだった。

ハントが教会に狙われるのは分かる気がする。
アカデメイでも度々先生方に注意を受けていたからだ。
ハントを連れだしたのが失敗だったか。
先入観が悪質を呼んでいた。

「こりゃ答えだな、負けてばっかりだ。」

僕は褒められているのだ。
これは、教会での祝福とイリュージョンで明らかになったことだった。
だから、その仕事は終わったのだ。
これだけの重みのある仕事だったのだ。

敵が睨んでいるのが面白い。
こんなのは初めての答えだった。


次に僕はジラーとハントは何ともないと思うのだった。
このライアンに対する疑念はないらしい。
むしろ、寝てろというほど逞しい。


オーンオーン

冷房から声がする、まだ祈ってないけど。

「ライアン君、今は寝てなさい。」




仕事にもいろいろあるんだなと思う。
儲からないって悪いことだと思う。
お金が入ればいいのにって思う。
冷房の効いた部屋で一人が思ったのだった。