宵明けの青空に3 -7- ハイパワーキック

  



「飛んでけってえの。」

バキン フワ

「ハント、早く乗るんだ。」
「結局乗るんですか、動かさないでくださいよ。」

ギュキャキャキャキャ ガロガン
ズギャキャキャキャキャ ガロガン
「ほ、ほいな。」

「とう。」
ズキュルドュルグン
「おお、間に合った。」
ガシコンック ガシコンック
「落ちたらどうするんですか。踏みつぶすつもりですか。」

「答えろ、馬鹿野郎。」

ピピピピィー ガンガンガンガン
「そんなところにいないで二人とも早く入ってこい。」
ジラーの怒った声がする。

道路だか地面だかの高速なすりおろしが底から見える。
「ほれ、行こう。」
「あいさ。」

辺境の地ララレイに向けて僕らは出発していた。
スノーに聞きたくなったからだ。
僕らは僕らだが、彼らも彼らだ。
トラブルに首を突っ込むのは良くないなと感じながらもだった。