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宵明けの青空に2 -11- 商売のからくり
「だから、ライアン君が本物だって。」
マジカル・プリンセスもチームオリエントも僕らの活躍について歌っていた。
「でも、このステージは私たちのものよ。」
「お金だしてやってます。」
「教会の奇跡をやっつけたのですよね。」
「そうですよ。」
ハントが安い相槌を打つ。
「でも、君たちはテレビには出られないのさ。」
「これは、僕たちのためのステージだからね。」
「いろいろあるんです、本当に。」
これは、びっくりだった。
「有名なのに、私たちはテレビには出てないのですか。」
「そうです。」
なるほど、意味が分かった。
「世界を平和にする活動、頑張って。」
「何かしゃくにさわりますね。」
僕らは笑っていた。
本当は僕らなんか居ては困るのだ。
なかなか、難しい商売だと分かった。
元気をもらっている分には彼らが神様だった。
ルボータン王国の皇帝はテレビで歌ったけれど、
僕らには厚い壁だった。
彼らを見て、人々は僕らを想像するのだ。
間違ったら異端である。