宵明けの上空に -13- 異端尋問

  




未だ教会は宗教ではなかったが、民衆は宗教であった。
教会の奇跡、僕は不憫だと思った。
民衆はついに尋ねた、教会の奇跡とは教会のせいではないのかと。
王国は民衆の罪を咎めた、民衆はあまりに無知であると。

頭が悪い問題だった、「絶対悪い奴はいるもんね。」
こんなこと、口にはできないのである。
教会はいくつもの答えを持っていた。
それは神々であり、悪魔付きであり、科学で解決できるものであり、それら全てが宗教であった。
しかし、今回、教会は宗教ではなかったのである。

王国、教会は僕を祝福した。
僕は錬金術師ではない、しかし奪われているものがある。
話を整理すると奪いにしか聞こえない。

教会の奇跡に教会は追いついていない。
民衆から見て、教会は異端だった。色んなことを言う。
それらすべてが宗教であると僕は見ていた、しかし、教会のトップは言った。
そのどれでもないと。

王国は口を開いた。
民衆の無知であると。
「他国の侵略ではないか。」民衆が言う。
それを宗教と呼ぶと王国は答えたのだった。

ライアンはホッとした。
「僕は人々のためになるくらいの努力をした。」
「人々のためにとはどういうことだろう。」
「人々のためになると己が信じたものを人々のために使う。」
これが善であり、本当に近づけば近づくほど熱いものを感じるのだった。

「ジラー、犯人は見つかったか。」
「ライアンこそ見つかったのかよ。」

「ハントにも聞いてくださいね。」


何かといって答えは出なかった。
かなり近い答えだと思う。
僕らはみんなと同じことが言えない変な奴らだった。
異端尋問は教会が引き受けている。

僕らが解かなきゃいけないのだろうか。