宵明けの上空に -11- 忌み言葉

  


ハントが地図を切り貼りしている、幻の旧文明を探すらしい。
ジラーが前に進まない自転車をこいでいる、歌も歌って一石二鳥、地球にポテンシャルを与えるらしい。
ヒッポは音について調べていた、音ってのは痛いらしい。バチンバチン弾いている。

ハッチさんが帰らない、どうしてもというので付いてきてもらった。
お金が狂った王国は王国がおかしいとのたまっている。

フィッシュ・ジェットは賑やかだった。


一方で変な奴について考え始めたのが僕だった。
実は教会の奇跡から解放されていない。
自分だけがまともで、1000人もまともだと思っていた。
自分だけおかしいと思ったら、1000人もおかしかったなんてあり得ないのだと思う。

自分だけがまともで、1000人おかしいという話も無しだ。

やっぱり敵が居るのである。
自分も、1000人も気付いても解決しないのはそこである。


何の事件なのか。

ジラーと話したのはしばらく前の話。
犯人探しは僕の番だった。


お前の言いたいことは犯人を探したいんだろう。
「僕じゃないよ。」
お前が認められるのが嫌、全部潰す、
「嫌われても、恨みは買わないよ。」
お前なんか、
「僕は生きると決めたんだ。」
前向きな気持ちが嫌い。
「嫌いな奴に説教されるくらいなら前向きになりたいと思わないか。」
じゃあ、お前どうすんの。
「どうするのは君でしょうに、さては成り代わりか。」
お前が嫌いなんだ。
「離れればいいだろう。」
じゃあ、どうすんの。
「変な奴。」


変な奴だと思うと事件だなって思った。
目的は歌でもない。
愛を教える立場になりたいんだと思う。
それを考えたら、変な人じゃないからおかしいのだった。

変な奴って何だ。
監視社会とか、上下社会とかいろんな言い訳をこっちもしていたが、

ふあっと風が吹いた。


変な奴がいる。監視社会とか、上下社会とか。
あらゆる非道を口にする。
これは、愛だけが切り抜けられる。


忌み言葉の辞書でも持っているのかもしれない。
無視するしかないので聞き整えるしかなさそうである。

それにしても教会の奇跡とは別に変な奴は厄介である。