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宵明けの青空に2 -6- ルボータン王国の懐
「君たちはウマエ王国に追われた訳を分かっているのか。」
「教会の奇跡ならね、コンサートの奇跡があるのだと思います。」
「ならば、誰が味方なのか分かっているのか。」
「いや、報告に上がりました。」
「よく来た、だが危険過ぎる。何を考えていたんだ。」
ルボータン王国皇帝はお怒りだった。
「教会の奇跡は人を集め始めている、ウマエ王国は話を聞いてしまったようだな。」
「ルボータン王国はかろうじて回避した。ライアン君、分かるかな。」
「これから起こることは何だ。」
「カブラークス王国をウマエ王国とルボータン王国で挟むことですか。」
「ルボータンが教会なら、そうだろう。」
「ルボータン王国は教会をせしめた、これが国だ。」
「教会の奇跡が悪いのではないですか。」
「ふふ、買ってやるか。その文句。」
「教会、ウマエ王国のコンサートを叩く、それが必要でしょう。」
「また、私を肥やすのか。」
「それより、その歌手と仲良くしておいたらどうだ。」
「そうですね、探すはずだったのですが。」
「誰が死んだのか分かったか。」
「ウマエ王国のタワーです。」
「ばっか、そのタワーがそれなら、番組はその先だろう。」
「フォンフォン王国ですか。」
「私が歌ってこよう、付いてくると良い。」
ルボータン王国の風だった。
遠いところもひとっ飛び、それは、夢だった。
叶った今は、その重さを感じていた。
文明は大きすぎる言葉だった。
まあるい空のまあるい日だった。