宵明けの天空に -6- ハントの目が良い

  



カチスチ、シュー

スコン

僕らは宵明けを待ち伏せていた。
北極星と月の間を星の実で覆う為に。

ドスン ガカカカ ガカ
ガラン


それは、ハントの受け売りなのだが。

ピィー ガン


最初に空を飛んだ日、経路は確かに、そのようだった気がする。
ハントは始めから分かっていたのかもしれない。


何が起きるのだろう。
仲間の夢が目の前で繰り広げられるのは初めてだった。

握った星の実の、仄かな暖かさが心地よかった。
ハントの発見が本物であることを裏付けているようだった。
それを2番シリンダーに入れ、僕は操縦室へと向かった。

「高度 1200。」

魚の中を風が走る、まだ土のにおいがする暖かな空気が身体を貫いていく。
ルボータン王国の端っこで僕らは天空まで北極星を追いかけていた。

「高度  2400、4000、13600。高度取れません。」
「了解、視界は良好だ。」

今度は雲の中ではないらしい、だが高度計がいかれた様だった。

「ライアン、スカイスクレーパーが見えるよ。」
ヒッポが怪訝そうに言う。

「ライアン、ハント、フィッシュジェットはさらに上昇する。」
ジラーが街を睨んで言った。

「何だこの線は。」

もう機関室は眩しくて見れなかった、しかし星の実の光はさらに眩しくなっていった。
そして街に一層濃くなった空からの操り糸が現れる。

ガヒー ブン

ジラーが線を避けると、音がした。

「こちらはアカデメイ、本通信が正しいものとします、どうぞ。」

ザザザザ

線に被ると通信が途絶えた。

キイー ガスンガスン
正面から象が迫ってくる。

「君たちは全く、教会の奇跡というものが分かってないねえ。」

ガヒー
「君たち、好きにやるんだよ。全ては思ったように正しくある。」
「こちらはアカデメイ、応答願います。」

ハントが窓の外を見ている。
「ハッチさん、ルボータン王国皇帝の下へ行きましょう。発注元を明らかにするのです。」
「カブラークス王国に当てつける前に、急ぎましょう。」


僕らは王様の下へ行くのだろう、それは錬金術師の判断とはとても思えなかった。
本当が分かるまで僕らは冷や冷やするのだった。