宵明けの天空に -10- 地球平面説

  




地球が丸いなら、時空間も平等だ。
ご飯時に現れる新大陸、その秘密は天体にあった。
太陽が近づくとき、その遺跡は姿を現す。
その太陽が描く軌跡は公転円とは違う図形を描いていた。

街は瞬間移動の話で盛り上がっていた。
「街が変わるんだよう。」
「そんな話あるわけないだろう。」

こんな折、地球球体の証拠を再び取るというのはタイムリーである。

「太陽の公転軌道、この切り貼りされた地図によると太陽はいくつあるんだ。」
「7つくらいはあったみたいですね。」
「地球平面説の証拠みたいでいやだな。」
「何ですか、タイムトラベルですか。」

タイムトラベルなんてないだろう。
僕は剥げたアスファルトを見て思ったのだった。
「でっこぼこの星では時間も怪しいではないですか。」
ハントが地図の中のルボータン王国をさして言う。

「それなら、科学は再現性を無くしてしまうだろうよ。」
「宇宙法則の結果ではないですか。」

王国の科学、証拠によって時間も裏付けられている。
何を任されたのだろうか。
「王国の言いたいことと違うのだろうよ。」

ハントがにやにやして言う。
「何度きいても、格好つけるんですね。」
「科学は悪さにはならないとか、古代遺跡に大きな愛を探してくるとか。」
「私なんかは、科学技術も使う人次第で悪さになる。そう思いますが。」
「ライアンさんの言う、長生きは私の残された人生にあってよいものか。」

「人は背恰好があって、食事とったり、排泄したり、必要ものってあまり変わらないの。」
「みんな同じだから、科学技術は悪い人のせいには出来ないのだと思ってる。」
「長生きは何より大事だけど、ハントが言うつまらないって何ですか。」

「ライアンさんは天国への階段とか言っていたけれど。神様に興味とかあるの。」
「ハントに言われたくないな、神様が見つかりそうだったのさ。」

「探しにいこうぜ、きっといるさ。」

王国に神様がいなくなってから、神様を探すなんて僕らも人が悪い。
教会は科学に宗教に厚かった。
ルボータン王国の変は、カブラークス王国には伝わっていて、
王国には、お金が無かったのである。