DW HOBBY ATD-X (X-2 心神)の組立

NEW 2020/06/18 から随時更新
   2020/07/14 動画を追加した


 ロビン発売のDW HOBBY X-2 心神です。先進技術実証機 ATD-X をモデルにしたEPP製のジェット機タイプのファンフライ機です。
モーターをミッドシップに配置し2サーボでエルロンとエレベーターをエレボン方式でコントロールする機体です。低速でも楽しめる機体になっています。

カタログ・スペックは
■翼幅:730mm ■全長:1045mm ■飛行重量:250gから350g
■重心位置:機首から540㎜

製作した機体のスペック
■翼幅:725mm ■全長:1035mm ■飛行重量:約339g ■重心位置:機首から550㎜
(カタログより実際のサイズは少し小さかったです)
■ブラシレスモーター:Dualsky ECO 2306C V2 KV1500
■ESC:MULTISTAR 20A
■サーボモーター:E-MAX ES09A 2個
■プロペラ:HY EP7035 (加工が必要)
■バッテリー:Hyperion G5 SV 25-50C 1100mAh 3S
■受信機:FRSKY V8R7-2
(水平尾翼と主翼前縁にカーボン・スパーを追加したので約3g重量が増加しています)
(EPPの厚さは実測値で約8mmでした)



組み立て

組立説明書は英文、中文の4ページです。簡単な説明書ですが写真が多いのでわかりやすいと思います。

胴体の張り合わせ
 EPPの機体は箱から出した時少し反っていたりするので平らなところにおいて数時間重しを載せて曲がった癖を取ります。動翼も折り曲げて重しを載せます。youtubeで見るとこれが組立前の儀式のようです。
 私は瞬間接着剤アレルギーなのでコニシのGPクリヤーを使いました。 合わせ面には突起がありますがガタがあるのでアライメントを注意して張り合わせましょう。取説では上面を上にして張り合わせていますが下面を上にして張り合わせる方が翼を接着するときカーボンスパーを入れる溝を合わせ接着出来ます。 一度カーボンスパーを入れてみて位置を確認してから接着した方が良いでしょう。



カーボンスパーの取り付け
 瞬間接着剤を使えないのでチョット重たくなりますがエポキシ接着剤を使用しました。 溝の両側にマスキングテープを貼りはみ出した接着剤で汚れないようにしました。 水平尾翼にもスパーを入れた方が良いと思いましたが説明書通りに組み立てた時の機体重量を知りたかったのでとりあえず無しで組み立てました。 これから作る人は補強のために追加としてこの時点で水平尾翼及び主翼前縁にカーボン・スパーを入れた方が良いです。

胴体下部の取り付け
 この機体は機首部分の水平面が少し下がっています。ちょっと違和感がありますがロビンに問い合わせたところ、そのまま組み立ててくださいとのことでした。 機首部分の下部を接着すると機首部分が反り上がります。




胴体上面の取り付け
 機首先端部分の位置合わせのため一度はめてみて切り欠き部分にバリがあれば取り除きます。
完成後の機首部分の写真ですが水平部分の下がり具合がわかります。



垂直尾翼の取り付け
 初飛行の結果をみてラダー・サーボの搭載も考えていたのでとりあえず垂直尾翼は差し込むだけにしました。

エルロンとエレベーター・ホーンの取り付け
 エルロン・ホーンを取り付ける前にEZ コネクターを仮付けしてみます。ネジ径は2mmなので取り付け穴を2mmのドリルで広げます。スムーズに廻ることを確認します。 ネットで見ると動翼のホーンを下面に取り付けている機体を見かけます。UP側の動作量を多くしようとしたものと思います。上面側の方が整備性が良く着陸時引っ掛けることが無いので上面側がお勧めだと思います。 実際飛ばしてみても舵角は十分だと思いました。
 ホーンを動翼に差し込んで接着しますが差し込む位置に微妙なずれがあるかもしれません。傾きも注意して固定します。 私は後でずれているのがわかりエレベーターのコントロールロッドの長さがちょっと足りなくなってしまいました。

プロポの設定
 私はフタバのFF8を使用しているので最新のプロポとは設定が少し違うかもしれませんが参考として記載します。
サーボを取り付ける前に設定した方がよいでしょう。アドバンス・メニューからELEVONを選択し+キーで機能をONにします。この画面でエルロンの動作量、エレベーターの動作量を設定することができます。
ベーシック・メニューのATVは100%でここでは調整しません。もしD/Rを設定するときはエルロンとエレベーターは同じレートにして一つのSWで切り替えられるように設定をします。


サーボの取り付けとリンケージ
 サーボはE-MAXのES09Aを使用しました。エルロン及びエレベーターの動作量を100%としたとき、エレベーターのリンケージとエルロンが当たるところまでのサーボ・ホーンの長さは内側から2番目の穴になりました(約8mm)。
エルロンとエレベーターを一つのサーボで動かすのでトルクのあるサーボを使用した方が良いでしょう。

 基本作業ですがサーボのニュートラルを出し直角になるようにホーンを取り付けます。直角にならないときはサブトリムで調整します。エレボン仕様なので必ずきちんと合わせます。左右のサーボホーン位置が 同じ位置になっていなければなりません。エレベーターを操作した時、左右の舵角にずれが生じる恐れがあります。
サーボは接着剤で貼り付けることになりますが取り外すこともあるのでサーボの周りにテープを巻いてから取り付けます。瞬間接着剤はサーボの隙間に入って不具合を起こす恐れがあるので不可です。 私はコニシのGPクリアを使用しています。

リンケージが済んだらEZ コネクターの各ネジ部には緩み止めのネジロックを忘れずにつけましょう。


モーター・マウントの取り付け
 カーボン製のマウント・プレートが2枚付属します。1枚は下穴が開いていますがもう1枚は穴が開いていません。 Dualsky ECO 2306C V2のマウント穴と下穴が開いたプレートの穴位置が合っていたのでこのプレートを使うことにしました。ネジ径は2㎜なので下穴の径を1.8㎜で開け直しました。 プレートを貼り付ける前にモーターを取り付けてみてネジがスムーズに締めこめるまで何回か締めたり緩めた方がよいでしょう。硬いままだと狭いところで取り付けるので非常にめんどうです。




モーターとプロペラの取り付け
 モーターのプロペラ・アダプターの径は5.5mmでHYのプロペラのシャフト径は6mmでした。0.5mmのガタがあります。このまま取り付けてモーターを回してみましたがやはり振動が大きく音もうるさくダメです。 ガタを取るためモーターのアダプター部分にアルミテープを3重に巻きガタをなくしましたが1フライトでテープがずれて失敗に終わりました。 次にプロペラのシャフト部分の内側にアルミテープを張ってガタを取ることにしました。ずれないように瞬間接着剤を少し塗りました。 モーターを廻すと振動は少なくなりましたがプロペラのトラッキングが悪く音がうるさい状態です。しょうがないのでプロペラをアイロンで加熱して少しトラッキングを合わせました。音がチョット良くなったかなと思う程度でした。 アダプター径が合い、トラッキングの合ったもっと良いプロペラがあるといいのですが。
テストランの電流値は約7.5Aでした。
追記:GWS製のプロペラと思いこんでいましたがHY製でした。訂正します。モーターとプロペラアダプターが一体のモーターはアダプター径が5.5mmなので加工なして取り付けられるのはGWS製のプロペラ一択になるようです。


ESC、バッテリー、受信機の取り付け
 組立説明書では重心位置は540㎜、ロビンのHPではファンフライ機的な飛行には550㎜となっていたので18AのESC、バッテリー、受信機を仮搭載して見て重心位置が540㎜から550㎜に入るようにバッテリーの搭載位置を探っていましたが配線が短く良い位置に搭載できません。手持ちの20AのESCが配線が少し長いので 重たくなりますが20AのESCを使うことにしました。バッテリーを胴体横に貼り付けてみましたが今度は左右の重心がずれてしまします。胴体に穴をあけて差し込むことにしました。少しきつめの穴と ベルクロテープ貼り付けてバッテリーが動かないようしました。
重心位置は約545mmぐらいになりました。とりあえずこれで初飛行をしてみたいと思います。


追加の作業
 胴体着陸で下面が汚れるのが嫌だったのでEPPの足を取り付けした。材料は胴体プロペラ・エリア・カットアウト部分のEPP(廃材)を利用しました。 、機首部分には補強と汚れ防止のためテープを貼りました。チョットだけ重くなるかな。



全備重量
 カタログ・スペックでは250gから350gとなっています。ほぼ推奨メカを搭載しましたが全備重量は336gとなりました。少し重い機体となりました。 メカを搭載する前の重量は150gでした。瞬間接着剤を使えばもう少し軽くなるかと思いますが軽いメカに変更しても250gで作るのはちょっとむづかしそうです。

**飛行を繰り返し実施後、水平尾翼にカーボン・スパーを追加し主翼前縁にもカーボン・スパーを入れたので最終的な全備重量は339gとなりました**


飛行テスト

 YOUTUBEのビデオはノーマル仕様の機体のフライトが見つからないのでどんな飛びになるのか?全備重量が思っていたより重たくなったので飛びはどうなのかちょっと不安がありました。 飛ばしてみてやっぱり頭下げになるのでアップ・トリムを少し入れて後は指トリムで飛行させました。フルスロットルにしてもカット飛び感はありませんが私の腕ではこのくらいでもいいのかなと思いました。 垂直尾翼は差し込んだだけだったので飛行中片側が外れて落ちてしまいました。片方がなくなるとバランスが崩れ飛行が不安定になり飛行が困難だったので直ぐに不時着させました。 水平尾翼にスパーを入れ垂直尾翼接着後のフライトテストではロールレートも早すぎず良いと思います。エレベーターはよく効きます。ループも旋回も小回りが効きます。 低速飛行時はラダーが欲しくなりましたがラダーの追加は飛行重量の増加になるので飛びが悪くなっては困るのでやめることにしました。
少し風があってもファンフライ機として十分遊べました。5分間のフライトでバッテリー残量は50%台でした。プロペラの音はうるさいので良いプロペラが見つかると良いのですが。

水平尾翼にカーボン・スパーの追加と垂直尾翼の接着
 機体を水平に置いておくだけでも水平尾翼の先端が少し下がってきました。エレベーターを動かしたとき水平尾翼がたわみます。初飛行が済んだのでスパーを入れることにしました。 垂直尾翼はまだ接着していないので機体上面から水平尾翼にカッターで溝を作りエポキシ接着剤で接着しました。
厚さ:0.5mm 幅:3㎜ 長さ:415㎜のカーボン・フラットバーを使用しました。
全備重量は約1gの増加で337gとなりました。
ラダーを諦めたので垂直尾翼も接着しました。


飛行ビデオ
 クラブの仲間が飛行ビデオを撮影してyoutubeにアップしてくれました。
X-2はファンフライ機なので狭いエリアでぐりぐり飛行させてみました。 運動性が良くわかると思います。
先進技術実証機らしく背後から敵機がきてもクルリとかわせそうです。

 DW HOBBY X-2 飛行ビデオ


主翼前縁にカーボン・スパーの追加 <追記>2020/07/03


 左主翼前縁が少し盛り上がっているのが気になっていましたがそのまま飛ばしていました。水平飛行中の機体を見ても盛り上がぅているのがわかります。 ロールを繰り返して行っているとき、エルロンをニュートラルにしてもロールを続ける現象がでました。一瞬、ノーコンになったかと思いました。左主翼の変形によりこの現象がでたと推測しました。 EPPは柔らかいので前縁を持ち上げるとたわみます。対策としてカーボンスパーを入れることにしました。
厚さ:0.5mm 幅:3㎜ 長さ:360㎜ 2本。
全備重量は339gとなり約2gの増加です。重心位置は550㎜になりました。
比較写真です。
  DW HOBBY X-2 前縁スパー取り付け後の飛行ビデオ
 前縁にスパー取り付け後のフライト動画です。前回の動画と比べてみてください。前縁の変形がほとんどありません。
風がありましたが低速飛行後フルスロットルで風下に向かいロール、風上に向かい大きめのループを描いてみました。
挿入されている実機の写真はビデオ撮影者(frs522さん)が実際に撮られた写真です。

<追加>
 e-max ES09Aを使用していましたが焼けたり、動かなくなったりして4個のサーボが壊れました。動翼が重すぎるのが原因かと思います。 ヒンジ部分は少しカットして動きが軽くなるようにした方が良いと思います。トルクがあり耐久性のあるサーボが必要です。



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