河川の氾濫について Ver 7.0、Ver 8.0
2019年に、台風19号が千葉県に大雨をもたらし、各地で河川の氾濫が起きた。これを期に河川の氾濫について勉強してきた。気象庁は「水害リスクライン」というプログラムで、河川の水位を予測し、これ元に氾濫を予測することを実行している。しかしながら、水位の予測は、数百メートル上流のものを基準にしたり、このプログラムが全国の一級河川では、適用する河川に数限りがあることなどから、当時はほとんど実用化されていなかったと言えるのではないかと思う。 さらには、河川の水位は、水量と河川の構造により決まるが、その水量を求めるには、
・降雨量(時間分扶・降雨量の測定地)
・地形(流域の面積、地形の傾斜・勾配、斜面の向き、長さ)
・土壌(森林の種類、土壌の状態、土質など)
・土地開発(土地の利用状況、舗装状態)
・河川(長さ、川床の勾配)
・ダムの運転状況(ダムの有無、治水ダムか利水ダムか、放水管理)
等の情報が必要である。 こうした状況は、各河川、一つ一つが異なった状況下にあり、また、絶えず、状況が変わっているので、つまり川自身が変化し、独立しているので、一つの手法が汎用性をもって、どの川にも当てはまると言うものではない。 こうしたことから、当研究所では、河川の氾濫について、事前にこれを予測するプログラムを開発してきた。実際に河川の上流で降雨した雨が、河川に流れ込み、これが下流での水位を上昇させ、その水位が土手の高さを超えたら氾濫の危険性があると言うものである。
このためには、河川の水量を求め、この水量から河川の構造との関係で、水位の変動を予測すると言うものである 先に掲げた河川の水位を決めの所要因についても、これを各河川の現場に対応するような形で、雨水の浸透率や、流速を想定するようにすることで、水位の変動の状況、例えば。水位ピークに達する時間やピークそのものの高さをあらかじめ予測できることが分かった。
球磨川の場合
流域を分水嶺、ダム等を考慮し、区分分けを行う。
流域の区分分けに従い、流路図を作成する。
河川名 | 球磨川 | 地域傾斜 | ブルー |
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地域面積比率 | 流域全面積(Ku) | 到達時間 | |||||||||
S | 1880 | Time | Rain(mm/Hr) | 浸透率 | |||||||
A流域 | A流域 | 0.236935 | 445.44 | 0.85 | |||||||
B流域 | B流域 | 0.133742 | 251.44 | 0.80 | |||||||
C流域 | C流域 | 0.093586 | 175.94 | 0.80 | |||||||
D流域 | D流域 | 0.100439 | 0.80 | ||||||||
E流域 | E流域 | 0.079176 | 148.85 | 0.80 | |||||||
F流域 | F流域 | 0.109277 | 205.44 | 0.60 | |||||||
G流域 | G流域 | 0.148473 | 279.13 | 0.60 | |||||||
H流域 | H流域 | 0.098373 | 184.94 | 0.60 | |||||||
1880 | MIN | ||||||||||
A Zone | B Zone | C Zone | D Zone | E Zone | F Zone | G Zone | H Zone | ||||
流域 | |||||||||||
浸透率 | 0.85 | 0.8 | 0.8 | 0.8 | 0.8 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | |||
流域 | 勾配 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | ||
流速(Km/Min) | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | |||
本流 | 勾配 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | 1/500 | ||
流速(Km/Min) | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 | 0.15 |
流域の開発状況、地形、地質を考慮し雨水の浸透率を決める
川床の勾配を考慮し、流速を決める。これにより、流れの時間が求まる。
流量と、河川の構造より、水位を求める。
リアルタイムでは、これにより、時間ごとの変動の様子が分かり、
流れに要する時間から、土手の高さを超える水位の予測が出来る。
各地方ごとに、代表的な河川についてケーススタディを実施した。
吉松、湯之尾、栗野橋辺りでは、測定時間より数時間前の水位の予測が可能
その他の河川でのリアルタイムでの利用も可能です。