観天望気
サウジでは滅多に雨は降らない。今でも、国王が主導して雨乞いの行事を行う。この時には、お役所ばかりでなく、大学も、公立の学校もみんながお祈りをする。今では、ジェッダの郊外に電波望遠鏡を備えた立派な天文台があるので、ここで観測しているのではないかと思うが、それでも、国王の指示で雨乞いが行られ、そして、雨になれば、「流石は、国王」と、みんながありがたがる。ときに外れることもあるが、これは、雨乞いの前に雨が降るなど、天も気まぐれ。
サウジと言えば、砂漠をイメージするかもしれません。確かに、東部から中央部にかけては広大なネフド砂漠、ルブアルハリ砂漠が広がり、雨がなく、まったく乾燥した国と思いがちですが、しかし、我々が滞在していた紅海に面する西海岸は、高温多湿だ。雨季には雨を運んでくるアフリカのサバンナの雲は南から空きあげてくるが、この雲が雨をもたらすには、標高が2000メートル以上の山がないと、降雨にならない。一方、乾燥したサハラ砂漠を超えてくる西風は、北のエジプトのほうから吹き降ろして来る。この風は滅多に雨をもたらしてくれない。海岸沿いに強烈な砂塵が舞う。こんなところがサウジの西海岸の気候の特徴なのではなかろうか。
そんなことを考えながら、この土地の人たちがどんなきこ風土に耐え抜いてきたか、それによりどんな価値観を持つようになったのか、そんなことが少し手も分かればと、サウジに滞在している間、二年間、毎朝の東と西(厳密には、東南と西北)の空の様子の写真を撮り続けてきた。
観天望気は、学生時代に山歩きをしていた。その頃は、天気予報よりも、自分で雲行きを見て明日の天気を予測するほうが信用がおけたので、空の雲の動きを見ながら、新宿発の夜行列車に乗るかどうするか決めたものだ。今でこそ、気象予報士などという資格が幅を利かせているが、かって、自然を相手に生活をしていた時代には、明日の天気を予測するのは自分の責任であったと思う。
タ イ ト ル | 期 間 | |
1 | _Sky of Saudi | 2013 Nov 〜 2014 Oct. |
2 | 観天望気 サウジアラビア Red Sea | 2014 Nov 〜 2015 Oct. |
3 | 観天望気 Sky and Climate in Rabigh | 2015 Jan. 〜 2015 Dec. |
各月はこんな感じのレポートです。2013 Dec.の例