3.ボールは区別するが、箱は区別しない場合


$これは、「組分け問題」と呼ばれており、教科書にも載っています。$
$ここではm個のボールをn個の箱に入れる(n組に分ける)ことを$
$\hspace{1em} (m_1,m_2,\cdots , m_n)  と表すことにします。ただし m_1 \leqq m_2 \leqq \cdots \leqq m_n  とする。$

$例1 3個のボール\{b_1,b_2,b_3\}を2つの箱に入れる(2組に分ける)場合$

(i) $(0,3)に分けるとき$

$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1,b_2,b_3\}$

$\hspace{2em} の1通り$

(ii) $(1,2)に分けるとき$

$\hspace{4em}\{b_1\},\ \{b_2,b_3\}$
$\hspace{4em}\{b_2\},\ \{b_1,b_3\}$
$\hspace{4em}\{b_3\},\ \{b_1,b_2\}$

$\hspace{2em} の3通りであるが、計算では \ _3C_1 で求まる。$

$全事象は$(i)(ii)$合わせて4通りであるが、どれが起こることも同様に確からしいとして$

$\hspace{2em} P(3,2)=\cfrac{3}{4}$


$例2 4個のボール\{b_1,b_2,b_3,b_4\}を2つの箱に入れる(2組に分ける)場合$

(i) $(0,4)に分けるとき$

$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1,b_2,b_3,b_4\}$

$\hspace{2em} の1通り$

(ii) $(1,3)に分けるとき$

$\hspace{4em}\{b_1\},\ \{b_2,b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_2\},\ \{b_1,b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_3\},\ \{b_1,b_2,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_4\},\ \{b_1,b_2,b_3\}$

$\hspace{2em} の4通りであるが、計算では \ _4C_1 で求まる。$

(iii) $(2,2)に分けるとき$

$\hspace{4em}\{b_1,b_2\},\ \{b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_1,b_3\},\ \{b_2,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_1,b_4\},\ \{b_2,b_3\}$

$\hspace{2em} の3通りであるが、計算では \cfrac{_4C_2}{2!} で求まる。$
$ここで、2!で割るのがなかなか理解されないが、_4C_2の中には$
$\{b_1,b_2\},\ \{b_3,b_4\}とこれを逆にした\{b_3,b_4\},\ \{b_1,b_2\}が含まれているからです。$
$つまりダブルカウントされているのです。$

$全事象は$(i)(ii)(iii)$合わせて8通りであるが、どれが起こることも同様に確からしいとして$
$\hspace{2em} P(4,2)=\cfrac{7}{8}$


$例3 4個のボール\{b_1,b_2,b_3,b_4\}を3つの箱に入れる(3組に分ける)場合$

(i) $(0,0,4)に分けるとき$

$\hspace{4em}\phi,\ \phi,\ \{b_1,b_2,b_3,b_4\}$

$\hspace{2em} の1通り$

(ii) $(0,1,3)に分けるとき$

$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1\},\ \{b_2,b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\phi,\ \{b_2\},\ \{b_1,b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\phi,\ \{b_3\},\ \{b_1,b_2,b_4\}$
$\hspace{4em}\phi,\ \{b_4\},\ \{b_1,b_2,b_3\}$

$\hspace{2em} の4通りであるが、計算では \ _4C_1 で求まる。$

(iii) $(0,2,2)に分けるとき$

$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1,b_2\},\ \{b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1,b_3\},\ \{b_2,b_4\}$
$\hspace{4em}\phi,\ \{b_1,b_4\},\ \{b_2,b_3\}$

$\hspace{2em} の3通りであるが、計算では \cfrac{_4C_2}{2!} で求まる。$

(iv) $(1,1,2)に分けるとき$

$\hspace{4em}\{b_1\},\ \{b_2\},\ \{b_3,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_1\},\ \{b_3\},\ \{b_2,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_1\},\ \{b_4\},\ \{b_2,b_3\}$
$\hspace{4em}\{b_2\},\ \{b_3\},\ \{b_1,b_4\}$
$\hspace{4em}\{b_2\},\ \{b_4\},\ \{b_1,b_3\}$
$\hspace{4em}\{b_3\},\ \{b_4\},\ \{b_1,b_2\}$

$\hspace{2em} の6通りであるが、計算では \cfrac{_4C_1 \times _3C_1}{2!} で求まる。$

$全事象は$(i)(ii)(iii)(iv)$合わせて14通りであるが、どれが起こることも同様に確からしいとして$
$\hspace{2em} P(4,3)=\cfrac{6}{14}=\cfrac{3}{7}$


$例4 8個のボール\{b_1,b_2,\cdots ,b_84\}を3つの箱に入れる(3組に分ける)場合$

(i)$\ (0,0,8)\ に分けるとき  1通り$
(ii)$\ (0,1,7)\ に分けるとき \ _8C_1=8 通り$
(iii)$\ (0,2,6)\ に分けるとき \ _8C_2=28 通り$
(iv)$\ (0,3,5)\ に分けるとき \ _8C_3=56 通り$
(v)$\ (0,4,4)\ に分けるとき  \cfrac{_8C_4}{2!}=35 通り$
(vi)$\ (1,1,6)\ に分けるとき  \cfrac{_8C_1 \times _7C_1}{2!}=28 通り$
(vii)$\ (1,2,5)\ に分けるとき \ _8C_1 \times _7C_2 =168 通り$
(viii)$\ (1,3,4)\ に分けるとき \ _8C_1 \times _7C_3 =280 通り$
(ix)$\ (2,2,4)\ に分けるとき  \cfrac{_8C_2 \times _6C_2}{2!}=210通り$
(x)$\ (2,3,3)\ に分けるとき  \cfrac{_8C_2 \times _6C_3}{2!}=280 通り$

$全事象は$(i)から(x)$まで合わせて1094通りであるが、どれが起こることも同様に確からしいとして$
$\hspace{2em} P(8,3)=\cfrac{966}{1094}=\cfrac{483}{547}$



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