FMS MINI T-28(V2)の軽量化と修理

2015/12/28 up NEW

 FMS MINI T-28(V2)を譲り受けましたがバッテリーと受信機を除く重量が484グラムあり、取扱説明書の飛行重量(470グラム)をバッテリーと受信機を積む前にオーバーしています。 早速、重量軽減に取り組むことにしました。
(記載されている飛行重量はどうみても間違っています。V1を飛ばしている方のホームページ記載飛行重量でも498グラムとなっています。 V2になってスケール感は良くなりましたがさらに重くなっています)

FMS ホームページ上のスペック
■翼幅:800mm ■全長:670mm ■飛行重量:約470g
■ブラシレスモーター:2408-1550kv
(ダウンロードした取扱説明書では1700kv、実際についていたモーターは形状から1550kvと思われる)
■ESC:FMS-20A
■サーボモーター:9gサーボ、FMS-09A(エルロン・エレベーター)FMS-091(ラダー)
■プロペラ:7×6 3枚ブレード
■推奨バッテリー:Li-Po 7.4V 1,000mAh 15C
(今時、15Cのリポではこの重たい機体には役不足です)

軽量化

その1 パイロット
 バージョン2になってパイロットが2名搭乗しているので、まづは二人に降りてもらうことにしました。このパイロットはサイズ的に大きすぎまた重過ぎます。コックピットの裏側からナイフをざっくり差し込みEPOごと切り取りました。 パイロット人形は接着剤とネジで取り付けてあり全部で26グラムもあります。
パイロットがまったく居なくなるのは寂しいので「ふわっと軽いねんど」で作ったパイロットを乗せました。約2グラムなので非常に軽量です。 コックピット内部を灰色に塗りなおしたかったのですがキャノピー部分を剥がすのが大変そうなので止めてEPOのカット部分を黒く塗り目立たないようにしました。 これで24グラムの軽量化ができました。



その2 重心調整用錘
 機首が短い機体は通常、錘を積んでいるので錘の位置をマグネットで探すと主翼差込口から前方18mmにありました。この位置では効率が悪いのでもっと前側に錘を積むことにして取り出すことにしました。 胴体の底から切り出しても良いのですが切り取った跡を修繕するのが面倒なので主翼差込口側からナイフで切り込みを入れラジオペンチで錘をつかみ取り出しました。 錘は約24グラムありました。


 錘はカウリング内部に積むことにしました。つり用の錘を加工して貼り付けました。機体修理後の搭載錘は15gとなりました。補強やマウント補助プレートなど取り付けたのでもう少し錘の重さを軽く出来ると思っていましたが意外と必要でした。


その3 コントロール・ロッド
 左右のエレベーターを2本のロッドでコントロールしているので左右のエレベーターをコの字ピアノ線で繋ぎ1本のロッドでコントロールできるように変更しました。 コの字ピアノ線の重さがあるので軽量化は僅かだと思います。
ついでにラダーサーボのラダーリンケージとステアリングリンケージの取付位置を入れ替え受信機の邪魔にならないようにステアリング側を外側にしました。


修理&調整

その1 モータ取り付けボードの割れ

 前輪を取り付けている部分にステアリング・リンクの為の切り欠きがあるので強度が無くハードランディングで割れたようです。(墜落かな?)
裏側に3mmベニヤを当てて補強しました。



その2 モーター取り付け部のガタ
 モーターはマウントに差込み、2本のいもネジで止めていますがすぐにガタが出ます。 いもネジを強く締めるとベアリングが圧迫されモーターが回らなくなります。緩めに締めなければなりませんがガタがでないように締めるには無理があります。 ちょっとでも強く締めてモーターを回すとすぐに重たくなってしまいます。困った取り付け方法です。このモーターの最大の欠点です。
ガタを無くすためモーターとマウントをエポキシ接着剤で固定することにしました。いもネジで留めないのでベアリングが圧迫されることも無くなるのでスムーズに回ることができます。 問題はマウント取り付け用のネジ位置がモーターの内側になるのでこのネジでモーターの脱着が出来ないことです。 モーター脱着用の補助プレートを自作することにし1mmのアルミ板で作りました。強度は十分にありそうです。モーターマウントと2mmのネジとナットで留めました。緩み防止のネジロックを塗ります。 モータ取り付けボード(バルクヘッド)にはサイドスラスト/ダウンスラストが付くように段がついています。段をエポキシ接着剤とプラ板で平らにして補助プレートが取り付けられるように加工しました。モーター周りのEPOはあらかじめカットしておきました。
補助プレートを2mmのタッピング・ネジ4本で留めました。


 このモーターを分解したところ作りが雑でした。マグネットの接着剤がはみ出して盛り上がっている部分があったのでナイフで削り取りました。 静バランスを見ると重たいところがあります。アルミテープを貼って静バランスをとりました。少しは回転が滑らかになると思います。
改修後のフライトテストではガタが無くなりベアリングが圧迫されることも無くなったのでモーターが良く回るようになり飛行スピードが出るようになりました。

その3 カウリングの取り付け
 カウリング取り付けネジを2本から4本に変更しグラつかないようにしました。2本ではすぐにグラグラになってしまいます。 胴体側にプラ版を接着してネジが効くようにしました。古いネジ穴が残ってしまいました。 カウリングのステアリング用の切り欠き部分から割れがあったのでプラ版を内側から当てて補強しました。



その4 ステアリング
 ステアリング・アームのカラー部分が割れてしまいました。アルミのカラーが入っていますが接着不足とプラスチックの強度不足と思います。 接着し直し糸を巻いて補強しました。



その5 ESC
 ESCのバッテリー側のコネクターがJSTコネクターがついていましが新しく販売されたロットはESCにウルトラプラグ(T型プラグ)オスが取り付けられています。 JSTコネクターでは電流容量不足なので3.5mmのコネクターに交換し電線の長さも短くしました。
2セル 1000mAh 35C のkypomバッテリーでのテストランでは約15Aの電流が流れました。使用している電線(AWG20)では役不足です。 AWG16ぐらいの電線にした方が良いと思いますが今回はそのまま使用することにしました。
ESCのヒートシンク面の四隅にスポンジテープを貼り付け胴体の中に押し込んだときEPOと隙間ができるようにしまた。少しはクーリングしやすいと思います。


その6 ランディング・ギアの取り付け
 柔らかい地面にハードランディングしたら左のメインギアが取り付けプレートごと取れてしまいました。接着不足です。中華製の接着剤はあてになりません。コニシのGPクリア・ボンドで接着し直しました。
パイロットを取り付けていた接着剤も固まらないところがありベトベトした状態でした。ラジコンショップのホームページにキット付属の接着剤は使用しないでくださいと書かれていることがよくあります。

その7 プロペラのバランス調整
 プロペラの材質はカーボン(粉?)入りのプラスチック・プロペラと思われ硬さがあり逃げがないのでよさそうでが少しへこんでいるところがあり厚さにムラがあります。 バランスを見ると1枚重たいのがありバランス調整が必要でした。重たいぺラをヤスリがけして合わせようとしましたが削るのは大変だったので軽い2枚にテープを貼って調整しました。 剥がれる心配がありますがこれで試そうと思います。


その8 動翼のヒンジ
 動翼のヒンジはEPOを薄くして成型しているので重たく動きの悪いものとなっています。動きを軽くするためヒンジ部分にナイフを入れ2箇所カットして動きがスムースになるようにしました。
ラダーはこれ以外に尾翼に張られているシールのカットの仕方が悪いので引っかかり動きを妨げています。 ヒンジ部分に被さったシールをカットする必要があります。


ベアリングの交換
 モーターを回した後、モーターを手で回すと止めた直後は軽く回りますが、少したつと重たくなります。時間を置くとまた軽く回るようになります。 温度変化でベアリングが重たくなっているようです。いもネジを締めるとき少し変形したのかもしれません。外側のベアリングを交換することにしました。  モーターのベアリングは830ZZ 外径8mm、内径3mm、厚さ4mmが使われています。モーターを分解したときスペーサーとして厚さ0.5mmのワッシャーが外側に2枚、内側に1枚使われていました。
組み立てるとき外側にワッシャー2枚も入れるのは難しかったので、このワッシャーを使わず手持ちのスペーサーを使いました。
交換後、テストランをすると同じ症状がでます。内側のベアリングに問題があるのかもしれません。 飛行後すぐに2回目を飛ばさなければ問題ないのでとりあえすこのまま使用することにしました。


塗装  (2016/1/17 up)
 この機体はノーズカウリングやキャノピー部分がきちんと塗装されていません。FMSが発売するビッグサイズの機体はキチンと塗装されているのですがチョット残念です。 実機に合わせてプラカラーで塗装することにしました。 黒い塗装はプラカラーをそのまま塗ればよいのですが赤い塗装は手持ちの色では調合できず新しく購入することにしましたがプラカラーには合った塗料が無いので蛍光レッドに赤色を少し加えて色を合わせました。
そのほかに排気エリアをシルバーで塗装しました。
尾灯を白色に塗りました。


チョットだけディテールアップ  (2016/2/14 up)

①エンジンの排気管を作りました。
②衝突防止灯をつけました。(アッパーのみ)
③主脚カバーを修正しました。(白色のプラ板を貼り付けました)

モーター&ESCのスペック

FMSのホームページから
MOTOR:1550Kv(付属モーターはショートシャフトタイプ、データーはロングシャフトタイプのものなので長さや重さが異なります)
■Dimension (mm):Ф30x67 ■Weight (not including connectors):65g ■Voltage (S):3 ■Max Current (A):1.2
■Length of Front Shaft (mm):M3*32 ■ESC:15-30A ■Lamination Thickness (mm):12mm ■Magnet Type:38H ■Kv (rpm/v):1550
■Max Current (A):24 ■Resistance (mh):0.046 ■Max Voltage (V):14V ■Power (W):230W ■Shaft A (mm):M3 ■Length B (mm):34
■Diameter C (mm):30 ■Can Length D (mm):14.5 ■Total Length E (mm):67
ESC:FMS 20A
■Cont. Current:20A ■Burst Current:30A ■BEC:5volts / 3amps ■Dimension:23x33x6mm
■Weight (Including wires and plugs):18g
■Battery cell NiXX/Lipo:5-12 NC 2-4 Lipo
BEC容量 3アンペアとなっていますが3端子レギュレーター3個になっているのでリポ4セルは無理です。一般的には3端子レギュレーターを使用する場合は3セルまでです。



T28

■受信機:frsky V8R4(3g) ■バッテリー:KYPOM 2セル1000mAh 35C(49g) ■総重量:507g(純正プロペラ装着時)
写真の機体は純正プロペラ破損のため京商のプロペラを取り付けています。塗装はノーズ部分の黒い所だけとりあえず塗装しました。


T28 飛行写真ギャラリー
京商のプロペラを付けて軽量化後の初フライト 2015年12月20日 古崎氏撮影



純正プロペラを付けてフライト 2015年12月27日 古崎氏撮影


完成  2016/2/14up
塗られていなかった部分に赤色塗装やチョットだけディテールアップしてやっと完成しました。



 


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