2月4日(月)マウイ島、カフルイ
ハワイ島からマウイ島に向け出航後、相変わらず海上はおお時化で、一晩中船は大きくゆれた。朝8時、船はマウイ島カフルイ港に着岸した。カフルイ港からみる町は高層ビルがなく、背の低い建物がカラフルに建っている。背後の山々は厚い雲に覆われ、その頂が見えない。鄙びた地方の町という感じだ。
船内新聞、テレビの天気予報では「晴れ」。デッキに出てみる。暖かい日差しが昨夜で濡れたデッキを乾かしている。さわやかな日差しだ。しかし、イメージしたハワイの強烈な日差しとはまったく違う。涼しい!
今日は自由行動。マウイ島ラハイナまでゆき、町を散策し、サトウキビ列車に乗り、終点のプウコリイからラハイナまで戻る予定だ。自由散策用のバスでラハイナまでの往復をする。バスが9時30分に本船着岸埠頭を出るのでゆっくりしていられない。
デッキ11、船尾にあるアロハ・カフェで朝食をとる。このレストランはビュフェ・スタイルでいろいろな料理、果物、デザート、飲み物など好きなものを自由に選び、好きなだけ食べられる。料金はフリー。ただし、アルコール類は有料。
レストランは大勢の人たちで混雑している。幾つもある大きなカウンターに料理が並べられ、コックさんが次々と料理を補充し、客の旺盛な食欲に対応ている。皆、お好みの料理を大きな皿に盛り、テ-ブルに運ぶ。
乗客の大半がリタイヤ組であろう。彼らの多くは「超肥満」。動きは緩慢。杖や車いすを使用している人が目立つ。この人たちが選ぶ料理を見て納得した。
パンに厚く切ったローストビーフをはさみ、マヨネーズ、ケッチャップをたっぷりとかけ、小皿には生クリームを山盛り。牛乳、最後は大盛りのアイスクリーム。そして、昼間はデッキで日光浴。これでは体に脂肪がたまる。
部屋に戻り、身支度をして、エレベーターでデッキ3まで降りる。船外にでるゲートで顔写真入りのID(われわれはパスポートを使用)とシップカードで本人確認の厳しいチェックを受ける。埠頭は風が強いが、まぶしいほどの晴れ。埠頭に着岸している本船を見ると改めてその大きさを感ずる。腰周りに身体中のすべての脂肪が落ちたようなこれまた超肥満のポリネシア系の案内嬢の指示に従いバスに乗り込む。ラハイナまでは埠頭から少し離れたショッピングセンターで路線バスに乗って行くことができるが、面倒なので往復送迎のバスを利用することにした。
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バスは9時30分に出発。バスは町中を走り、やがて、「日立の木」が道路の両脇に茂る間に並木を過ぎると、マアラエアの海岸線にでる。切り立った断崖の上を走るので見晴らしがよい。このあたりはラハイナまでの中間地点。バスのドライバーはバスのスピードを落とし、「クジラの潮吹きだ」と乗客に説明する。海面から白いしぶきが上がる。クジラだ!何頭かのクジラが沖合をゆっくり泳いでいる。このあたりはホエール・ウオッチングができるスポットで見晴台からクジラの潮吹きを見ている人がいた。 ラハイナの町に入ると急に人出が多くなり、町のメインストリートは大渋滞。バスはゆっくり走る。乗客は急ぐ旅ではないので、好都合とばかり、車窓から町の様子をゆっくり見学できる。町は海岸にそって細長く続き、道路の両側にはいろいろな商店がびっしり立ち並ぶ。建物はほとんど木造で2〜3階建。西部劇に出てくる町並みだ。ただ違うのはカーボイハットにピストルではなく、水着姿のサンダル履きの人々。 |
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バスはヒロハッティー・ショッピングセンターの中庭に着き、ここで下車。バスを降りるとショッピングセンターの人が出迎え、小さな貝殻をつなげて作った幸運の首飾りをかけてくれた。自動的に店内に。店内はお土産用の食料品や衣類が所狭しと並ぶ。われわれは素通りして店を出る。
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これから11時5分に出発するサトウキビ列車に乗る予定。ショッピング・センターからすぐ近くにサトウキビ列車の駅があるはず。方向を見定めて歩き始めるが、一向に駅らしいものが見えない。列車に乗る駅が見つからない!
「オール、アボード!」の車掌の声。列車はガタゴトと車体を揺り動かしながら走り始めた。機関車は昔の西部平原を行くクラシックなもの。煙突からモクモクと煙を吐きながらゆっくり走る。この列車は今でこそ観光列車だが、かつてはサトウキビを運ぶ重要な列車であった。車体はトロッコを改造した簡単なつくりで乗り心地はよくない。でも乗客は一向に意に介さない。
ラハイナの町を抜けるとやがてゴルフコースの脇を走る。
ゴルフを楽しんでいるプレーヤーが手を振る。われわれも思わず手を振る。よく手入れされたフェアーウエー、周囲は色とりどりの花が咲いている。コースの奥には立派なクラブハウス。このあたりはカアナパリの大きなリゾート地帯だ。 どこまでも青く澄んだ海、緑のフェアーウエー、周囲は色とりどりの花、温かな日差し。まさに楽園。 |
列車は30分ほど走り、われわれが周囲の景色を楽しんでいる間に、列車の折り返し駅、プウコリについた。
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プウコリ駅で小停車。10人ほどの日本人グループが駅を降りて、クラシック機関車をバックに写真を撮っていた。われわれも駅に降りて写真を撮っていた。 背後に、「オール・アボード」の声。このグループがまだ写真をとっていたので、われわれも写真を撮り続けた。 |
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先ほどのグループのリーダーは 5分ほどのドライブでホエラーズ・ヴィレッジに着いた。リーダーに厚くお礼 |
うっかり、チョンボで帰りの列車に乗れなかったが、予定外のWhalers
Villageを訪れる機会ができた。よかった。ラハイナからこのあたりは捕鯨基地で栄え、またハワイ諸島を統一したカメハメハ大王が始めて統一後首都をおいた町でもある。Whalers
Villageの正面入り口には大きなクジラの骨格の置物があり、その奥にはレストランやみやげ物など売る商店街がる。
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ショッピング街を抜けると海岸で多くの観光客が海水浴を楽しんでいる。ここにはホテルもあり、家族連れが静かに長期滞在し、海水浴を楽しむところとしては最適なリゾート。
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ヴィレッジ内を散策した。ほとんどの人たちが、海水着スタイルでわれわれのスタイルは異端的。日差しが強くなり、暑くなってきた。ようやく、ハワイに来たのだという感覚になった。
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1時にラハイナ行きの路線バスに乗るため時間調整しながら、ウインドウショッピングを楽しんだ。 |
時間は2時近くになり、お腹中が空き、喉も渇いた。 レストランはオープンデッキのように大きく開かれた窓に囲まれ、開放感一杯で明るい。 |
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出てきたバーガーは特大大盛りで、レモネードも大きなカップに入っていてこれも大盛り。
とても食べ切れないと思っていたが、おいしくて、殆ど食べてしまった。満腹!
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これから腹ごなしも兼ねラハイナの海岸沿いのフロント・ストリートを散策し、史跡などを見て回ることにした。史跡にはカメハメハ大王の像を模った標識があるのでわかりやすい。
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・ワーフ・シネマ・センター
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・パイオニア・イン(Pioneer
Inn)
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・バンヤンの大樹
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・船員病院
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フロント・ストリートの海側に経つ木造の古いレストラン。二階は開放的で眺めも良いだろう。
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ボルドウインホームの敷地内にある。珊瑚を材料に建てられた建物はボルドウ
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・ウォ・ヒン寺(Wo
Hing Temple) |
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フロント・ストリートには数えきれないほど多くの小さな商店がびっしりと並
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マウイ島のカフルイ、ラハイナ滞在はわずか半日程度であったが、ラハイナは
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一方、ラハイナから海岸線を北上するとそこには海外から巨大資本が入り、広大な土地を使い、近代的なホテルを建て、ゴルフ場を作り、大型のショッピングセンターを配した巨大なリゾートタウンがある。ここに多くの人たちがバカンスを楽しんでいる。ラハイナで見かける人たちとかなり雰囲気が違う。
今回、サトウキビ列車に乗って沿線からながめたカフルイのリゾートもハワイらしい風景ではある。4時。ラハイナ、ヒロハッティー・ショッピングセンターの中庭から迎えのバスに乗り、本船に戻る。いつもながら、荷物検査、身体検査、パスポート、シップカードのチェックと厳重な関所を通過して船内に入った。今日は天気がよく、あちこち歩きまわったので日焼けし、軽い疲労を感じた。
今日の夕食はリトル・イタリーでイタリア料理をコースで堪能することにした。リトル・イタリーのフロントデスクでテーブルの予約を依頼した。四名以下では予約ができないとのことであったが、すんなり7時30分に予約ができた。それまでに船室に戻り、シャワーを浴びてさっぱりして、少しドレスアップする。リトル・イタリーはわれわれの船室と同じデッキ11にあり、近くて便利。このレストランはサンダル、短パン、Tシャツなどの着用はお断りのドレスコードがある。他の客もそれなりのおしゃれをして来ている。
船内のレストランの混雑状況は各デッキのボードに表示されているが、ここのリトル・イタリーはいつも混んでいる。多分美味しいのであろう。期待に心が弾む。
「私が係りです」と挨拶され、メニューを渡された。今日はイタリアンのフルコースと決めていた。メニューはイタリア語と英語で書かれている。意味のわからないメニューが多い。いろいろ迷ったが、結局は馴染みのメニューになってしまった。
飲み物はワイン、フランスのソービニオン・ブラウン、野菜スープ、シーザーサラダ、パスタ、ピッツァ、魚介入りのリゾット、食後はデザートとしてテラミス(大きい)にコーヒー。食べ応えがある。味は普通であったが、雰囲気がよく、カバーチャージなどの追加料金なしで合格。
デッキ5にあるハリウッド・シアターに行ってみた。今夜は1970年から
部屋に引き揚げる。今夜はカフルイ港に停泊。