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河川の氾濫予測プログラムの運用

雨量のデータをもとに、国交省より紹介された貯留関数法によりの河川水量を計算し、水位測定地の河川の構造から、その地点での水位の動向を求め、これとその地点で実測された水位とを比較すると言う手法で、河川の氾濫の可能性を探ると言う手法を開発した。河川の水量を求めるには、その河川の持つ独自の環境を考慮する必要がある。とりわけ、川床の傾斜による流速については、河川の流れの時間を左右するので、氾濫の時期を検討するときには、重要なデータとなる。こうしたことを考慮し、各河川の過去における増水の動向について分析をした。その結果、現地で管理する必要があるが、当プログラムから、氾濫の可能性を議論する重要な情報が得られるものと思われる結果が得られたので、それを紹介したい。

検討をした河川は、全国の代表的な一級河川である。それぞれの河川が、その河川に独自な環境下で流れとなっているために、これらは一義的に議論できない。そこで、各河川については、こうしたことを考慮して、それぞれに独自のプログラムを作成している。このプログラムの運用にあたっては、その河川に独自のデータが必要であるので、是非こうしたことについての現場を管理している方のご意見を受け溜まりたい。

ここでは、台風銀座と言われている南九州地方の河川について、当プログラムの実施状況から報告してゆきたい。

当プログラムの運用結果

  入力データ、計算の仮定、流路の区分とその地域の地勢、雨水の浸透率、水位測定点の選択、水位測定間の流速、ダムの種類と運用状況、河川が氾濫した時の溢水状況などの議論をしていただきたい。 

このような前提条件で、当プログラムでの計算結果

 

地域 河川名 検証した豪雨の時期 結果、コメント
南九州 川内川 2024. 8.28 河川全体で非常に良く合致している
大淀川 2024. 8.28 浸透率、流速の見直しで、現実の水位との対応がよくなった。綾北ダムでは、全量放水とした。
肝属川 2024. 8.28 二度目の豪雨時には、最初の豪雨のために、水位が下がらない。
球磨川 2024. 8.28 流速を検討し、水位の変動が実測値と非常に良く一致した。
北九州 遠賀川 2024. 8.28 水位の変動が実測値によく合っている。
筑後川 2024. 6.30 松原ダムでの水量管理が重要   流路図の見直し
嘉瀬川 2019. 8.27 実測の水位の変動の状況がよくわかる
大分川 2024. 8.28 雨量、水位の実測が十分でないか、水位の変動の概略は良く合っている。
四国 吉野川 2024. 8.30 治水ダムからの放水管理が行われていた。
肱川 2018. 7. 6 野村ダムからの放水管理が行われていた。
渡川・   四万十川 2024. 8.29 大正、津野川辺りでの水位の変動がうまく制御されていた。
中国地方 吉井川 2018. 7. 6 津山、周匝、御休では、水位の上昇の過程、高さが良く合致
江の川 2018. 7. 6 上流では、非常に良く合致している。           下流では、水位の上昇の過程が上手く把握できている。 
高梁川 2018. 7. 6  水位がかなり高くなり、堤防の高さを超える所もある。
千代川 2023. 8.15 水位の上昇の過程が上手く把握できている。
近畿地方  円山川 2018. 7. 5  豪雨は二度に分かれているが、水位の変化はよく合致している。
加古川 2018. 7. 5 二度目の豪雨では、一度目の豪雨の水位が下がりが遅れているので、水位を合わせるスタート時点を調整した。
紀ノ川 2017.10.22. 水位の測定地では、氾濫危険の水位に達していた。
新宮川 2018. 8.23 水位の上昇が実測と計算が良く合致していた。
大和川 2018. 7. 5 水位の変化が非常によく合致している。
由良川 2018. 7. 6 ダムの管理の情報が必要だが、水位の変化が良く把握できた。
中部地方 狩野川 2023. 6. 2 放水路の稼働あり。徳倉、黒瀬、本宿での水位の変化は、良く合致している。
大井川 2018. 9.30 神座、細嶋での水位の変化は、非常に良く合致。
天竜川 2020. 7. 6 上流から、下流まで水位の変動が、良く把握できている。
木曾川 2019. 8.16 白川、、犬山、では、水位の変動が上手く把握できている。
長良川 2019. 8.15 各水位の測定点での挙動が非常に良く把握されている。
揖斐川 2019. 8.15 各水位の測定点での水位の変動が上手く、把握されている。
関東地方 富士川 2019.10.12 水位の変化が非常に良く把握できている。
相模川 2019.10.12 ダムの運営管理について、議論。
多摩川 2019.10.12 下流での水位の変化が良く把握できた。
那珂川 2019.10.12 水位が土手の高さに達していることが分かった。
荒川 2019.10.12 水位の変化が良く把握されている。
渡良瀬川 2019.10.12 ダムの運営についても議論
東北地方 阿武隈川 2019.10.12 福島、丸森辺りで河川が氾濫している可能性あり。水量の確認
最上川 2024. 7.25 水位はかなり上昇。実測値との整合性が確認がされた。
北上川 2019.10.12 中流での水位の変化が良く把握できている。
雄物川 2024. 7.25 長時間での水位の変化が把握できた。
子吉川 2024. 7.24 水位の変化が土手の高さまで達している。氾濫の可能性は・・・?
北海道 十勝川 2016. 8.30 十勝川本流での水位の変化は非常に良く把握できている。
石狩川 石狩川上流 2018. 7. 2 本流の水位、忠別川の水位は良く把握されている。
空知川 2018. 7. 2 赤平、空知大橋での水位の動向は上手く推定できている。
雨竜川 2018. 7. 2 水位の変化は良く把握されている。
石狩川下流 2018. 7. 2 石狩大橋での水位の動向は非常に良く把握されている。
天塩川 2019. 8.31 水位の変化が小さく、更に検討が必要
北陸地方 阿賀野川 2019.10.12 とくに只見川の水位、本流の水位の動向が、良く実績とあっている。
関川 2019.10.12 本流、保倉川の水位の動向が良く実績とあっている。
信濃川 犀川 2019.10.12 犀川の流れの状況が良く把握されている。
千曲川 2019.10.12 至る所で水位が上昇し、氾濫の可能性がある。
信濃川下流 2019.10.12 水位が堤防の高さを超えた時にはどうすれば良いかの議論をした。
神通川 2018. 7. 4 豪雨の繰り返しにもかかわらず、水位の動向が的確に把握されている。