印旛沼特産? ナガエツルノゲイトウ

戻る 

印旛沼で数年前からよく見かける植物があった。岸に近い部分で水面を覆うように繁茂している植物で、夏には小さな白い花を咲かせる。なんだろうと思い図鑑で調べてみてもなかなか載っていない。その後も気になって機会をみては調べなおしてみた。その結果、その植物はナガエツルノゲイトウという植物であることがわかった。原産はブラジルでヒユ科の植物であった。中国の水田でかなりひろまった種であるようだ。印旛沼では1990年ころから見られるようになった。この植物は印旛沼やいくつかの場所でしか今のところ確認されていないようで、印旛沼特産(?)といえるかもしれない。

ヒユのなかまにはアオゲイトウやマルバヒユなどがあるが、このナガエツルノゲイトウが一番水を好むようで水中からはえているという感じだ。マルバヒユもブラジル原産だが、こちらは花壇のふちに植えられることもあるようで人為的に日本に入ったのかもしれない。ナガエツルノゲイトウはたぶん渡り鳥によって運ばれたのではないかということである。

茎が長く伸びその生活場所を広げているようだ。茎は赤っぽくなる。冬はその茎を残し、葉はなくなっている(下写真)。4月、5月ごろになるとそこから若々しい葉を元気に出す(上写真)。葉は対生。このころの葉は明るい緑できれいだ。夏の花のころになると葉はやや濃い緑となる。花は小さく、花穂をつくりヒユ科の特徴を呈しているが、花穂は他のヒユのなかまが細長いものが多いのに対して丸っぽい。花は葉の付け根から柄を出してつく。

この植物も新参者。このまま、印旛沼で生き残れるかはまだ疑問であろう。なお、ナガエツルノゲイトウについては新たな情報が入り、続報を掲載した。そちらも参照してほしい。新情報へ

 

 

補足)

 冬と春のナガエツルノゲイトウの姿を見てもらったが、花が咲いている姿もアップしておく。花は小さいがよくみるとなかなかきれい。葉も花が咲く時期になると緑が濃くなり、長さが幅に対してやや目立つようになる。