ロシア人とウォッカを飲む

  満州里はロシアとの国境の街である。その為大勢のロシア人が買出しの商売の為に来ていていた。奇麗なスタイルの良い若いロシア人も、太ったおばさんも、髭面の男も沢山いました。ホテルのバーでビールを飲んでいたら、ロシア人のグループと酒を飲むことになり、かなり長く話しをした。ロシア語が話せる訳でもなく、英語も通じるわけでもないのであるが、酒の勢いと、ロシア人が示す日本の商品に対する関心で、夜中まで一緒に酒を飲んだ。

  結構会話(?)がはずんだのは、私がウオッカをおごったせいもありるし、私がセイコーの時計をしていたせいもあるかもしれない。若者の方はセイコーの名前は良く知っていた。それにかなり高価なさくらんぼを買って持って行ったり、ニコンのカメラで写真を撮ってあげたりした効果もあったかもしれない。写真は直ぐ現像してくれるところが、ホテルの正面あって、10時頃であったが、一時間で仕上げてくれた。

  あるおばさんの話しをよく聞いていると、娘とか、教師とか、家とかは、英語に似た単語があって、娘が二人いて、職業は教師、家は30平方メートルである事位は分った。私の家は、100以上はあると言ったら(書いたら)、自分の家はとても小さいと言って嘆いていた。そう言えば私が吉林にいた頃、ロシア人と単語を並べて話しをしたことはあったので、一部の単語は理解できた。

  ここのさくらんぼは相当高かったのだが、ウオッカはとても安くて、何故かイギリスの物が1000円位で買えた。一本を飲んでしまったが、私の腕時計に興味を示していた若者は途中で眠ってしまい、あまり酒には強くないようであった。

  ロシア人達は満州里にドルを持って買出しに来ていた。ロシアから来た、日本の四輪駆動の中古車も沢山見かかけた。新潟のどこかの小さな町の、駐車場許可証明証を付けたままの車もあった。ロシア人は日本の車の名前を良く知っていた。その車に買い込んだ荷物をぎゅうぎゅうに積め込んで、国境を超えて帰っていった。