日本刀のお土産

  中国の観光地に、沢山のお土産屋が並んでいるのは日本と同じである。しかしお土産の種類は日本ほどは多くない。雲南省や四川省・九寨溝などの少数民族がいる観光地では、少数民族が使用するナイフが、お土産の一つとして並んでいた。その中に何故か日本刀を小型にしたものが並んでいるのである。西洋とか、アラブの形式のナイフは無いが何故か日本の物はある。私がこれを見たところは、チベット族や他の少数民族が多いとろこで、ナイフを常用する所なので、ナイフが並んでいたのかもしれない。しかし何故ここに日本刀の土産なのかと不思議に思った。

  もしかしたら日本の刀は中国では、有名なのかもしれない。もし中国で日本の刀が有名であったとしても、野蛮な日本人が使う日本刀ということになっていなければよいのだけれど。その可能性は、多少はあるように思う。中国のテレビのドラマには、悪役の日本軍の将校が軍刀を持って登場し、日本語で「バカヤロー」などと叫んでいる場面がよく出てくる。

  それにしても何故、山奥の観光地のお土産が日本刀なのだろうか。そしてその日本刀が滑稽なのは、刀掛けに三本が三段に掛けてあるものもあった。多分二本より、三本の方が多くて良いと考えてのことだろうと思う。大小二本の刀ならば、一度に腰に差せるが、三本もの刀になると、同時にどの様に使うというのだろう。この様な山奥の少数民族の観光地には、あまり日本人は来ないと思うし、日本人向けのお土産ではないのだから、日本刀の使い方の考証などはどうでも良いのかもしれない。

  もう一つ気になったお土産は、これは最近の都会のお土産やのことであるが、何故か日本人形が売られているのである。元々中国には、飾り人形が極めて少ないのである。中国語で人形(言葉も人形という単語は使わない)と言えば、子供が遊ぶ為のものであって、観賞用のものではない。私などは中国で、お土産用に人形を作ったら、きっと売れるのではないかと思ったほどである。そうしたら案の定人形のお土産が現れたのである。しかし何故か和服の日本人形も並んでいるのである。韓国の民族服を着た人形もあった。勿論中国服を着た人形もあったが、中国のお土産に日本や韓国の人形は要らないと思うのだが。何故中国のお土産に日本人形が並んでいるのか、誰かに聞いてみたいと思った。中国ではこう言ったことに大らかなのであろうか。