騒がしい街

  住んでいる所は、大通りに面したアパートの5階を借りいた。始めは何の音だか分からなかったのだが、窓の下の大通りから時々、ピロピロとかキュロキュロと音が聞こえてくる。急救車の音のようにも聞こえるが、その音が長く続かない。中国でも救急車が直ぐ駆け付けてくれるような社会になったのかと思ったが、どうもそうではなさそうである。

  後でその音の発生源が分かったのであるが、それは自動車のオートロックの音であった。しかし何故自動車のドアをロックする時や、開ける時に音を鳴らす必要があるのだろう。この音は極めて騒がしくて神経に触るような音である。この音は日本の社会では絶対に許容されない音だと思う。それが夜中でも窓の下から鳴り響く。必要も無い音をわざわざ鳴らす理由、同時にそれが許されている理由には、中国ならではの理由があるのではないかと思うのだが。中国ではこう言った音が好まれるのだろうか。気にならないのだろうか。

  現在の中国では、自動車を持つことは日本とは比較にならない位のステータスシンボルになる。それだから自動車の鍵の開け閉めにも、できるだけ音で目立つ様にしているのではないだろうか、などと考えた。
中国人が見栄っ張りのところや、目立ちたがりである事は確かである。しかしその事と自動車のロックの音の関係は、ハッキリとは分からない。

  中国の町は日本と比べると相当騒がしいことは確かである。日本の住宅地は、昼間でもひっそりとした感じするが中国ではそうではない。老人を比べても違いがある。日本の老人はあまり外で過ごさないが、中国人はよく外に出ている様である。