第2話
その星は、見たこともないような植物が生い茂り、美しい海があった。
当時の地球とは似ても似つかない星だった。
私は、つけると地球の酸素を呼吸できるボンベを鼻につけ、
その星を歩いてみることにした。
特に私が驚いたのは、虹のような美しさの≪7色の草≫や、≪歌う花≫だった。
こうして2時間ほど歩いているうちに、奇妙な生物に出会った。
我々人間とは似つかない姿をした生物だ。
体はゼリー状で、プルプルと体を揺らしながら移動する。
私はこの生物を≪ポコミン≫と呼ぶことにし、見たこともない植物とともに、もし地球に帰還した時は発表しようと思った。
いつしか、≪ポコミン≫は私になつくようになり、私の即席住居に住むようになった。
宇宙飛行士と言うものは、見知らぬ星につくと、怪獣や知的生命体への恐怖からか、恐れや不安を感じるものだが、
不思議なことに、≪ポコミン≫と一緒にいる時だけは、不安な気持ちがとれ、安心することができた。
≪ポコミン≫には、人を勇気づける力があるのかもしれない。
ある日の事、この星に怪獣がいることを確信し、≪ポコミン≫には魔法の力が備わっていることが実感された事件が起きた。
私≪達≫(要するにポコミンもついてきた)が、いつものように星を歩いていると、植物がザワザワと動いたかと思うと、大きな動物が飛び出してきたのだ!
その≪動物≫はいままで私が出会ったいかなる動物でもない、恐ろしい怪獣だった!
怪獣は私たちを見つけると、猛スピードで突進してきた。
私は恥ずかしながら恐怖のあまり足が動かず、このまま食われてしまうのかと思われたその瞬間、ポコミンが怪獣を睨み付けた。怪獣はしばらくは動じなかったが、やがて巣に帰っていった。
ポコミンに秘められた力、それは、自分や自分の主人の身の安全を守る≪視線≫のパワーだった。
不思議なことに、それから私たちは、この星でもう二度と怪獣に襲われることはなかった。
第3話へ(準備中)