4.旅の情報 |
1)ドイツの物価・治安 | |
通貨が2002年からドイツマルクからユーロに変更されてから物価、対ユーロの為替レートが高騰している。2002年のユーロの為替レートは100円をきっていたが、2004年10月では140円/ユーロまで高騰している。この差は大きい。
今回の旅行で感じたことは、ドイツ、オーストリア在住の人々は皆さん親切で、紳士的。しかし、多くの人々が集まる町には海外から不心得者がたむろし、一部地区ですこぶる治安が悪化していると思う。 特に旅行者を装ったアラブ、中東系の人たちとの関わりは絶対に避けるほうが安全。今回我々は警官を装った中東系の男達に金品を抜き取られる詐欺に遭い、旅行の楽しみを半減させる不愉快な思いをハイデルベルグでしてしまった。 |
2)航空券 | |
ドイツ、オーストリア、デンマークにアクセスするルート、航空会社は幾つかある。マイレージ獲得のメリットを考慮し、ルフトハンザかスカンジナビア航空を候補に検討した。マイレージの申告を直接出向いて行わなければならないルフトハンザを諦め、ドイツまでの料金が割高で、接続時間が余り良くないが、マイレージ加算が自動的に行われるスカンジナビア航空を選択した。スカンジナビアは過去何度も利用しているので「勝手知ったる...」でもあった。 航空会社の勧めで航空券無しの「E-チケット」を利用した。出発カウンターでクレジットカードを提示すれば予約した座席の搭乗券が即時発行され便利であった。しかし、「E-チケット」の利用約款には携帯荷物などの重量制限が明記され、今回は多少の重量オーバーでも一般貨物並みの料金をしっかり請求された。 今までの旅行では航空券を利用していたので、航空券を購入時にこのような約款は無く、何度か「ウエイトオーバー」と云われたが全てOKであった。 |
3)ドイツの交通(鉄道、バス)レンタカー | |
ユーレイルパス 今回の旅行で利用した座席は全て一等車にした。理由は荷物の保管などのセキュリティーと快適性を重視したから。「結果良し」であった。 また、ドイツの鉄道はまず時刻に大変正確であること。乗客に対して、各種の情報を提供している。しかも判りやすい。ただホームと客車のステップに段差があり、重い荷物を持っての乗り降りが大変だった。鉄道を利用しての移動には出来るだけ荷物の軽量化が必須と思う。 利用した列車の出入り口は全て手動式で、列車ごとに開閉方法が違っていた。降りる時に車掌にドアーの開閉方法を聞いたことが何度かあった。 他国間を移動する国際列車は6人掛けのセミコンパートメントタイプ(個室)が多く、車両もドイツ車かイタリア車かにより車両の程度にかなり差がある。イタリア車は綺麗ではなかった。 ドイツ国内の鉄道時刻、運行ルートなどの情報は市販の時刻表「トーマスクック」である程度集める事が出来る。しかし、ローカル線やバスの最新運行状況の収集はドイツ鉄道のホームページで行った方が確実。列車の接続、乗り換えなどの乗車ホーム番号、時間、途中停車駅名、料金など必要とする殆どの情報が網羅されている。今回の旅は下記URLからの検索で全ての情報を得た。 ヨーロッパバス 我々はロマンティック街道を途中、二箇所(ディンケルスビュール、ローテンブルグ)で途中下車し、翌日、再度乗車するゆっくり旅をし、ヴェルツブルグまで行った。 ただ、日没が早い、秋以降の利用はどうしても日没後の走行になってしまう。安全、経済的で、利用方法を工夫すれば最も便利な交通手段であると思う。 レンタカー 特に交通量の多い都会の走行は避けたほうが賢明。中高年の旅行者が移動手段を選択する場合、レンタカー以外にタクシーやローカルの鉄道、バスの路線を調べ、比較検討し、精神的にも、肉体的にも負担の少ない方法を検討することをお勧めする。
また、道路標識について云えばドイツは高速道路、主たる街道では充分過ぎるほど完備していると思う。しかし、市内では標識は少なく、外部の旅行者には迷うことが多い。 |
4)ドイツの食べ物・飲み物、レストラン | |
旅の楽しみで大きい比重を占めるのが「食べ物、飲み物」である。ドイツはジャガイモ、そして豚肉、ソーセージのような詰め物が主体の料理が中心になっているが、ビールやワインを美味しく飲むために作られた料理が多いような気がする。アルコールが苦手の旅行者は食べる楽しみが半減するのでは無いだろうか。 神聖ローマ時代にローマ人がワインの栽培を普及させた。そして塩などの物資をフランスなどに運び、帰りに持ち込んだワインなど種類が豊富で、たとえハウスワインでも旨くて安い。ビールはラガービールに似た淡黄色の苦味のある「ピルスナー」が飲みやすかった。ドイツは地ビールが沢山あり銘柄も町の数だけあるのではないだろうか。 ドイツにも各国の料理を出すレストランが沢山ある。今回訪れた町は大都市ではないのでレストランの選択肢は少ない。殆どが昔からの郷土料理を出すレストランのようだ。ドイツの中世都市には必ず市庁舎がありその地下にはレストラン(ラーツケラー)がある。このラーツケラーはかつて市の議員たちが集まりワインやビールで激論を飛ばしていたことであろう。 レストラン内には大きなワインの樽がどーんと据えられ、出される料理はどれもワイン、ビールの肴として合うものばかりのようだ。レストランの選択に困ったら迷わずラーツケラーに行かれる事をお勧めする。中世の雰囲気の中で、味わうワイン、ビールと料理は格別だ。料金も手ごろで、店内は禁煙であろうか空気がとても綺麗だった。 但し、カルテ(一品料理)(メニューは定食?)は一部の地区では英語表示もあるが、主体はドイツ語なので注意。また一品の量が多いので少しづつ注文した方が良いのでは。我々は数品を注文し、二人で小分けして食べて充分であった。 もうひとつ忘れてならない食べ物にケーキがある。ヨーロッパ諸国ではお国柄の特色を出したケーキが多いが、ドイツでも美味しいケーキが沢山ある。朝食はホテルでしっかり腹ごしらえをして、昼はケーキとお茶で済ませ、夜はワインかビールで数コースのディナーとするパターンを英国で経験し、これが以降の旅でも定番になった。 |
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5)ドイツの町、宿 | |
ドイツを旅するとき「何処を訪れるか」などの判断材料は市販のガイドブック、ドイツ観光局(赤坂ドイツ文化会館内)で入手出来る。しかし、最新の情報を得るためには訪れたい町が開設しているホームページを開くのが一番確実である。観光客を受け入れたい町は必ずドイツ語以外に英語版がある。 日本人が良く訪れる町には簡単な日本語版も併記されている。これらの町のホームページを開くと、町の歴史、観光、宿泊施設、レストランなど旅人に必要な情報が殆ど網羅されている。我々はこの情報を充分活用した。 特定のドイツ町のホームページにアクセスする方法は簡単である。 Fuessen(英語表示)の場合「www.fuessen.de」のように町の名をいれ、「.de」を入力すれば簡単にアクセスできる。 旅をする中で重要な位置を占める要素に宿選びがある。英国ではB&B(朝食つき民宿)、ニュージーランドではB&Bやモーテルが完備しているので多用した。ドイツでもB&Bはあり、宿泊料金も安いが、ドイツ語でのコミュニケーションが求められるのでその選択肢が限定される。 ドイツの地方の町にある宿は昔ながらの建物を利用したものが多いので、大都会のホテルのような快適性は期待できない。しかし、古いが落ち着いた歴史あるホテルで当時の雰囲気を楽しめる。 宿泊設備などの格差は、宿泊費に関係なく大きい。また、大都市のホテルは質の割には料金は高いが、1歩大都市を離れた町の宿は安く、質の良いものが見付かる。我々は大都市での宿泊を最小限にして、小さな町で良質なホテルを町のホームページなどを活用して選択した。 |
6)参考資料
・ドイツ鉄道HP |