門をリフォームする |
目次
第1工程 | ◇花壇を取払う | 基礎を固める | ◇電気配線 |
第2工程 | ◇ポストの選定 | ◇壁面の切取り | ◇外壁材の検討 |
第3工程 | ◇タイルを貼る | ◇ポストの設置 | ◇新表札 |
第4工程 | ◇床の凹凸調整 | ◇床の目地入れ |
振り返って | ◇振り返って |
本文
25年以上風雨に耐えてきた門の外壁のブロックはひびが入り、カビによる変色が目立ち始めた。また両側の花壇や床面のコンクリートが黒ずみ見苦しくなり、とりあえず、2005年秋に通路部分に御影石を敷いた。
2006年6月に両側の花壇を取り払い、門の両壁面にタイルを貼り、花壇を取り払い、通路として使用し御影石のを敷くことにした。そして、ポスト、表札、インターフォーンを新しくするなどの大幅なリフォームを日曜大工(D.I.Y)ですることに決定し作業を始めた。簡単に考えて作業に取り掛かったが、梅雨の長雨と梅雨明け後の猛暑で作業が思うように進まない。そして、次から次えと作業中に難題が発生。難行苦行、試行錯誤の連続である。でもやり直しが利かない。毎回すこしづつ形になって行くので楽しみでもある。
◇花壇の外壁を取り払う
当初の計画では花壇の外枠を御影石のピンコロで組み直そうとブロック作りの外枠を取り払う。簡単に取り壊せると考え作業を始めた。しかし、意外!花壇外枠の基礎はコンクリートでしっかり固められ、ハンマーとタガネの手作業では歯が立たない。電動グラインダーを購入し、ブロックとコンクリートで固められた基礎を切断する。面白いように良く切れ作業が捗る。ここで問題発生。作業中に切削粉が大量に発生し、モーモーと塵埃が舞い上がる。ご近所に迷惑になる。そこで日中はご近所で借用し、塵埃の飛散が無い削岩機で大所を壊し、ご近所が洗濯物を取り込んだ夕方からグラインダーで細かな凸凹を調整する作業となった。
◇通路床面、花壇跡の基礎を固める
前回床面に御影石を敷くとき、石を固定するために壊したブロック粉を再利用した。しかし、石材の細かな凹凸の細かな調整が出来なかった。今回、前回敷いた石材を全て剥がし、底部に砂を敷き、石材を置いた。砂の方が石材の細かな凹凸の調整がしやすい。作業が進む。
石材が厚さ5センチの御影石を使用するので調整用の切削をしないように30X30、45x30、60x30センチメートルと3種類の石材の組み合わせになった。石材を仮組みする。
石段上がり口には3〜1丁(9〜27センチメートル)の御影石のピンコロを組み合わせ3段一列で重ねた。
門の側壁面基部を少し削らないと石材がぴったりと収まらない。しかし、塀の基礎が思いの他しっかり出来ている。削岩機とグラインダーとタガネで削り、凹凸を少なくする。涼しかった7月が終わり、8月に入ると梅雨が明け、連日の猛暑。今年最高の36度。首筋、腕、顔が真っ黒に日焼けした。炎天下の作業は心臓疾患者には良くない。日中の作業を避け、夕方の作業に切り替える。毎日、1〜2時間の作業になる。
◇照明灯、インターホーンの電気配線
既存のポスト用照明、インターフォーン用に使用していた地下埋設配線を新たな照明ポール、新インターフォーン用の配線に再利用した。新規配線と既存の地下埋設配線との接続を行う。地下埋設用保護管内に電線を通し、地上配線との接続は埋設用電線接続箱内で行う。湿気を防ぐ為に防水ペーストで周囲を固めた。
◇床材として御影石を敷く
砂を基礎にし、3種類の大きさの御影石を組み合わせる。砂と石材が落ち着くまで目地をセメントで固めずしばらくそのままにする。各石材が定着後、各石材の凹凸を調整し最後の仕上げで目地をモルタルで充填し固定する。
◇ポストの選定
今までのステンレス製の横型ポストは長年の風雨に耐え、まだしっかりしているが、新しいポストに取り替えることにした。カタログを取り寄せ検討に入る。ポストの種類・デザインは驚くほどたくさんあり選択が難しい。
最終的に壁面に埋め込む縦型の大型ポストに決定した。このポストであれば回覧版、大判の雑誌などの郵便も収納できる。
◇埋め込みポスト用に壁面を切り取る
ご近所の洗濯物が取り込まれた夕刻に作業を開始。夕刻と云えどまだ暑い。防塵用めがねゴーグル、防塵マスク、厚手の皮手袋と完全装備。グラインダーで厚さ30センチのブロック塀に18x48センチの穴を開ける。
印をつけた切り込み線に沿ってグラインダで切り込む。快適に切り進む。しかし、物凄い粉塵。夕刻の西風に乗って粉塵が舞い上がる。お隣の駐車場の車が大量の粉塵を被る。気にしては作業が進まない。作業後、お詫びして車の清掃をした。ブロックは難なく切り込めたが、中心部には鉄筋を砂利とセメントで固めた芯があり、これが硬くて切れない。ハンマーで叩くとブロックにひびが入る。仕方が無く、硬い芯を外して開口位置を少し左にずらし、予定の穴明け作業を無事終了。周囲は粉塵だらけ。シャツ、ズボン、マスク、ゴーグルも粉塵がたくさん付着。後片付けも含め、3時間の作業。汗まみれ、粉塵まみれの大仕事であった。
◇外壁材の検討
厚さ15ミリの御影石板を使うか、厚さ13ミリのタイル にするか迷った。最終的に軽量で、加工し易いイタリア製の300x300ミリ、厚さ13ミリのタイルを使用する事に決定した。
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◇門側壁にタイルを貼る準備
タイルの位置決め、タイルを一時固定する釘為に電動ドリルで穴を開け、コンクリート用ねじを入れる。
当初は、タイルの型紙を取り、型紙にあわせてダイヤモ ンド歯先のカッターを取り付けたグラインダーでタイル を切ったが手間がかかる。途中から型紙無しの現地あわせの方法で直接タイルを加工する。
電動グラインダーで行うタイルの切断は鋭角の粉塵が肌に当たり痛い。これらが目に入ったら大変。防護めがね、防塵マスク、皮製防護手袋と完全装備。
真っ直ぐ切断するのはコツがある。最初は切断の途中でタイルが割れてしまったが、次第に最後まで割れることなく切断できるようになった。何事も学習である。
◇門側壁にタイルを貼る
タイル貼り付け方法には種々ある事が判った。モルタルで下地処理して接着用のセメントを使いタイルを貼り付け る方法とエポキシ系樹脂接着剤を使用し、壁面にタイル をそのまま接着する方法などであった。前者はコスト的には安いが、平滑な下地処理が難しいと判断し、コスト的には高いが、作業が簡単な後者を採用。
A,B二種の接着剤を同量混合し良く混ぜ合わる。タイル裏面に塗り、外壁面に押し付け圧着する。タイルがずれないようにタイルの上下に取り付けた固定用の釘に紐を架け、タイルが完全に接着するまで固定する。
◇ポストを設置する
ポスト本体より大き目の開口部にポストを置き、水平になるように隙間にモルタルを流し込みポストを固定する。
◇埋め込み式、縦型ポスト取り出し口
ポスト後部から郵便物を取り出す。使い勝手が良さそう。
◇表札を新しくする
門構えをリフォームしたからには表札もリフォーム。カタログを取り寄せ、あれこれ検討したが、定型サンプルではなくタイルに苗字と番地を彫りこんだ陶器のオリジナル版になった。
◇側外壁・腰部
2006年は7月一杯まで梅雨が長引き、梅雨明けの8月上旬からは連日の猛暑。炎天下の作業を避け午前中や涼しくなる夕刻から毎日少しずつ作業を進める。それでも腕、首筋、顔は真っ黒の日焼けした。
300ミリ角のタイルにエポキシ系の2種混合の接着剤を調合し、タイル裏面に塗る。外壁にはタイル固定用のビス(ねじ)をドリルで埋め込み、タイル貼り付け後紐で固定する作業が続く。
・外壁頭部は今までモルタルが塗られていたが、長年の風雨によりひび割れが出来ていた。これらを全て除去。頭部のモルタルを除去するとブロックにある穴埋めも同時にはがれた。穴埋めは新聞紙で蓋をしてこの上にモルタルが塗られていた。新たな発見。同様の方法で穴上部に新聞紙を詰め、その上に新たなモルタルで充填する。平タガネで表面を平滑にする。頭部にサイジングしたタイルを貼る。完成後のイメージが掴めるようになって来た。
・外壁下部は上部のブロックを支える為に鉄筋が入った硬質のコンクリートで出来ている。しかもブロックより1センチメートル厚くなっていた。これら表面にタイルを張るためにこの1センチメートルをグラインダーとタガネで削り取る。グラインダーで切り込みを入れる時はモーモーたる粉塵と細かな石片が肌を刺す。防塵めがね、防塵マスクと厚手の革手袋で完全防備。30度を越える暑さが身に応える。水分補給を頻繁に行う。
9月に入り夏の疲れが出てきた。これからはタイルを壁面に貼る軽作業。各段の小スペースはグラインダーでタイルを切り、貼り付ける。粉塵防止のマスク、防塵めがね、皮製の作業手袋の完全装備。
◇通路床材の凹凸調整。目地入れ
石畳は何度と無く凹凸を調整した。しかし、雨が降ると微妙に各石の凹凸が目立つ。再度、石畳を調整。切が無いのでここで目地をいれ固定する。セメント1に砂2の割合でよく混ぜる。水は加えない。これを石の間の隙間に沿って箒で掃きこむ。その後に散水し、目地固めとする。
石畳の目地固めが終了したので、外壁面の腰部分にタイルを貼る。排水を良くする為に石畳に傾斜をつけたために、外壁腰部のタイルは石畳の傾斜に沿って切断する。9月17日外壁面へのタイル貼り付け作業は終了した。
門構え周辺全体が明るくなった。
◇外壁タイルの目地入れ
いよいよ目地いれである。目地専用のセメント、ゴム製のへら、スポンジ、セメントをこねる容器。必要な材料は揃った。
ここで問題発生。目地用セメントは粒子が細かく、パウダー状で、セメントをこねる容器に移し返るときにモーモーたる煙?が舞い上がる。急遽マスクをする。セメントに水を加える。しかし、中々混ざらない。粒子の粗いモルタルの比較して数倍の手間がかかり、固化する時間が短いので少量づつ何度も小分けしてらなければならない。しかし、水と馴染んだ後は糊り状になり、壁面の縦の間隙に摺りこむように塗りこむと垂れ落ちが無い。
ゴムのへらの効用:
最初、金へらでセメントを塗りこんだがタイルの表面が滑らかでない為に綺麗に仕上がらない。そこでゴムのへらで塗りこむとタイル表面の凹凸に沿ってゴムへらが動くので塗り残りのセメントが無く仕上がりが綺麗になる。
目地を入れた後、タイル表面に付着したセメントが白く乾燥した時点で、スポンジに水を含ませ、これらを綺麗に拭き取る。
日中の気温が下がり、涼しくなってきた。9月23日は曇りの予報。頑張って目地入れに精を出そう。
目地入れ完了!
工事前のカビだらけの汚い外壁が明るく、綺麗になった。
新たな作業!
目地入れは殆ど完了した翌日は発達した低気圧が関東地方を通過した。大雨だった。目地部分から溶けたセメントの灰汁がタイル表面に雨水の流れに沿って付着した。白華現象が起きた。インターネットで調べてみると目地用セメントに水と一緒に白華現象を防止する液を加えると良いとあった。しかし、もう90%目地入れは終了している。
そこで、目地入れ作業が完了し、雨が降らない天候が2〜3日続くタイミングで、目地部分にセメントの灰汁の溶出を防止する撥水剤を塗布し、タイル表面に付着したセメントの灰汁(水酸化カルシューム)を灰汁除去剤(強アルカリ液)を塗ることにする。
◇清掃・完成
2006年10月は晴天が続き、作業が捗る。目地に防水剤を塗り、目地から漏れ、タイル表面に付着したセメントの灰汁(白華)を酸で洗い落とし清掃完了。門の扉を塗装し、アクセッサリーとして素焼きの壷を置いた。4ヶ月間の工事であった。門の前は広くなり、明るくなった。ほぼイメージ通りの仕上りである。
振り返って |
◇振り返って
今まで補修的なDIYは行ってきたが、今回のような大掛かりな工事(本人にとっては)は初めての経験であった。作業を開始する前に色々調べ、段取りを考えて作業に取り掛かったが、「こうしたほうが良い」と感ずることが多かった。また、作業段階で「コツ」が分かり、後半になり作業が捗った。
専門業者に工事を依頼すると70〜80万円はするだろう。今回は材料、工具代で10万円足らずで済んだ。このような作業は最初で最後になるだろう。
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