このギャラリーは、私の父が残した青春時代のスケッチブックの中から、無線講習所の学生だった昭和6年から8年までに描いた東京近郊の情景を抜粋して掲載したものです。
父は若い頃から片時もスケッチブックを離すことがありませんでしたが、その画風は時には写実的、又時には水墨画のように、そして時には漫画のように自由奔放に描いていました。
ここで紹介する作品は、主に東京や横浜の情景を描いたもので、当時の懐かしい街の様子や風俗が偲ばれる貴重な昭和の記録と言えるかもしれません。
いつも、父がスケッチブックを片手にさらさらと楽しそうに絵を描く傍らで、どんな絵に仕上がってゆくのか興味津々と覗き込んでいたことを、昨日のことのように鮮明に覚えています
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無線通信技師の父は、結婚後間もない激動の時代を妻子を残して南方の最前線に赴き、死と隣り合わせの過酷な状況の中から戦後かろうじて生還しました。 晩年はその当時の記憶をたどりながら丹念にスケッチブックに記録し続ける毎日を送っていた日々が懐かしく思い出されます。
その父の13回忌
である2004年、 せめてもの記念になればと思いホームページを立ち上げました。 |