東北大学(理系) 2025年 問題1
$原点を出発点として数直線上を動く点P\ がある。試行(*) を次のように定める。$
\[
\hspace{3em} (*)
\left\{ \begin{array}{l}
1\ 枚の硬貨を \ 1\ 回投げて、\\
・表が出た場合は点P\ を正の向きに \ 1\ だけ進める。\\
・裏が出た場合は \ 1\ 個のさいころを \ 1\ 回投げ、\\
奇数の目が出た場合は点P\ を正の向きに \ 1\ だけ進め、\\
偶数の目が出た場合は点P\ を負の向きに \ 2\ だけ進める。\\
\end{array} \right.
\]
$ただし、硬貨を投げたとき表裏の出る確率はそれぞれ \ \dfrac{1}{2}\ ,さいころを投げたとき \ 1\ から \ 6\ までの整数の$
$目の出る確率はそれぞれ \ \dfrac{1}{6}\ とする。このとき、以下の問いに答えよ。$
$(1)\ \ 試行(*) を \ 3\ 回繰り返したとき、点P\ が原点にもどっている確率を求めよ。$
$(2)\ \ 試行(*) を \ 6\ 回繰り返したとき、点P\ が原点にもどっている確率を求めよ。$
$(3)\ \ n\ を \ 3\ で割り切れない正の整数とする。試行(*) を \ n\ 回繰り返したとき、点P\ が原点にもどっている$
$\quad 確率を求めよ。$
(1)
$点P\ が正の向きに \ 1\ だけ進む事象 \ Aは、硬貨を投げて表が出る場合と、裏が出て、さらにさいころを投げて$
$奇数の目が出る場合があり、これらは互いに排反だから$
$\qquad P(A)=\dfrac{1}{2}+\dfrac{1}{2} \times \dfrac{3}{6}=\dfrac{3}{4}$
$点P\ が負の向きに \ 2\ だけ進む事象 \ B\ は,硬貨を投げて裏が出て、さらにさいころを投げて偶数の目が出る場合で$
$\qquad P(B)=\dfrac{1}{2} \times \dfrac{3}{6}=\dfrac{1}{4}$
$試行(*) を \ 3\ 回繰り返したとき、点P\ が原点にもどっている事象は$
$AAB,\ \ ABA,\ \ BAA \ \ の \ 3\ つの場合があり、これらの確率はどれも \quad \big(\dfrac{3}{4}\big)^2 \times \dfrac{1}{4} \quad だから$
$求める確率 \ p_3\ は \quad p_3=3 \times \big(\dfrac{3}{4}\big)^2 \times \dfrac{1}{4}=\dfrac{27}{64}$
(2)
$試行を6\ 回繰り返したとき、事象 \ A\ が \ a\ 回、事象 \ B\ が \ b\ 回起こって点P\ が原点にもどったとすると$
\[ \hspace{3em} \left\{ \begin{array}{l} a+b=6\\ 1 \times a -2 \times b=0\\ \end{array} \right. \] $これを解いて \quad a=4,\quad b=2$
$求める確率 \ p_6\ は \quad p_6={}_6C_4 \big(\dfrac{3}{4}\big)^4 \big(\dfrac{1}{4}\big)^2=\dfrac{6 \times 5}{2} \times \dfrac{3^4}{4^6}=\dfrac{1215}{4096}$
(3)
$試行を \ n\ 回繰り返したとき、事象 \ A\ が \ a\ 回、事象 \ B\ が \ b\ 回起こって点P\ が原点にもどったとすると$
\[ \hspace{3em} \left\{ \begin{array}{l} a+b=n\\ 1 \times a -2 \times b=0\\ \end{array} \right. \] $これを解いて \quad a=\dfrac{2}{3}n, \quad b=\dfrac{1}{3}n$
$n\ は \ 3\ で割り切れない正の整数だから、a,\ b\ は正の整数ではない。$
$すなわち、試行(*) を \ n\ 回繰り返したとき、点P\ が原点にもどっていることはないからこの確率 \ p_n\ は$
$\qquad p_n=0$
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