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レム・レム -6- XTビルの最上階レストラン
「ここからなら狙えるぞ。」
「キミドリ先生、目立つよ。」
少年が殺気立っている。
「エビチリでも頼むか。」
「安くないよそれ。」
「少年でも食べれるだろ。」
「違うのにしてよ。」
メニューを見ていると、隣の客が席を立った。
そして会計を出るかと思うと空中で蹴っ飛ばされた。
頭が吹っ飛んだのである。
「ポルター・ガイ・スト現象か。」
「ポルター・ガイ・スト現象って何。」
「嘘はつけなくてな。」
「他にもいるのか。」
キミドリがきょろきょろしている。
「おじさん、目立つよ。」
メントスキャンディーが転がってきた。
「少年、出番だ。」
「どうすんだ。」
女性店員が拾ってくださったが、裾がめくれていてキミドリ先生に丸見えだった。
「君のかな。」
「違います。向こうのテーブルの子のですね。」
少年はちゃんと見ていた、すかさずキミドリ先生が。
「お姉さんめくれてますよ。」
「はい、どうも。」
お姉さんによるテストだったのだろうか。
何も起きなかった。
「見たの。」
キミドリ先生は笑って言った。
「見てないよ。」
そうだったね、と少年は思ったのだった。
「少年はスニーカーか。」
「何で。」
「すまなかったなと思ってな。」
「乗ってますね。」
「ところでここはレストランだ。」
「そうだけど。」
「防御札を置いて帰ろうと思う。」
「そっか。」
エビチリが届く。
「一筆描きで描ける図形で、かっこいいのを描いてくれ。なんでもいいぞ。」
少年は四角を四つ描いた
「これでいい。」
「何て読むんだ。」
「図形だよ。」
「リサジュー図形とかあるだろ。」
キミドリ先生の口が滑った。
「そうだね、自分で描きなよ。」
「分かる、私が星を描いてやる。」
嬉しそうに書いている。
「それで何が守れるの。」
「お金さ、見てろよ。」
パンパンパンパン
レジ横にぶっ叩かれる窓ガラスができた。
「何それ。」
「リサジュー波形の効果さ。お札の証明に使うんだよ。」
「星を描く図形って何。」
「偽札チェックさ。」