日本で使われた銛類 など


『江戸・明治期の捕鯨法と漁具 (紀州と西海)』
『古式捕鯨漁具(銛と剣)』 (紀州と西海)』
『遊離銛と固定銛』

と同時にご利用下さい。
日本で使われた銛などの変化、紀州と西海の違いを比較してみました。

1.石銛

http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-isimori-tugume-iseki.jpg
 石銛(つぐめの鼻遺跡)    平戸市田平町、平戸の瀬戸に面した遺跡で発掘。
 縄文時代前〜中期、サヌカイト(讃岐岩・カンカン石)という石で作られマムシの頭
 状の9a位の銛、柄に結びつけてイルカ漁などに使ったのではないかといわれている。
(資料)(蝮頭状石器 長崎県文化財集報IX
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2.燕形銛:ハナレ(キテ)

 離頭銛:銛綱がついた銛先と柄が離れるようにした銛
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-ainu-kite.jpg
  http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-ainu.jpg     
(左上図)燕形銛:ハナレ(キテ)北海道の噴火湾におけるアイヌの鯨漁に使われた
とのこと。燕に似ているためこのように呼ばれる。
(右上図)二重遊離の附柄と銛頭(燕形銛頭:キテ)樺太でアザラシ・オットセイ・
クジラ猟に使われた。小さい銛で大きい鯨を倒す毒が使用されていた。

「毒はトリカブトの根を、秋に掘って干しておき、使うときに湿った草の葉で球根を
包んで、炉の灰の中に三日程埋めておくと柔らかくなる。
これを凹み石の中で挽き砕いて、その中にイヌノヘという毒草の実を少し入れ練薬の
ようにして、ハナレの先金の湾曲している中に塗り込む」と記載されている。

北日本に見られる「ツバクロ型モリ」(メス型)とも形が同じである。
(資料)噴火湾アイヌの捕鯨:名取武光 「鯨・イルカの民俗」三一書房 
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3.ハナレ(回転離頭銛)

 「北海道漁業絵図」
http://www.catv296.ne.jp/~whale/suisan-hanare.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/suisan-hanare2.jpg
 
オットセイ猟用具 ハナレ(回転離頭銛) 獲物に突き刺さると柄(棒)がはなれ綱
を引くと銛が体内で回転しTの字状になり抜けない様にしていた。キテと同じ。
(資料)明治時代の水産絵図:大田区立郷土博物館
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4.キテ(銛頭)

   左右対称形
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-kite.jpg
キテ(銛頭):回転離頭銛、柄(棒)の先に銛頭をつけて獲物を突き刺し、キテが体
内に残り、皮肉部でT字状になり抜けを防ぐ仕組みにしていた。後はヒモを引いて手
繰り寄せて捕獲した。 
(資料)北海道大学植物園・博物館 北海道開拓記念館第63回特別展「鯨」
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5.師崎の捕鯨で使われていた「離頭銛」

 左右対称形 知多半島師崎
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-morozaki222.jpg
師崎において突取捕鯨で使われていた銛。銛頭を柄(棒)の先につけて獲物に突
き刺し柄がはずれるようにした離頭銛。銛に付けた縄で獲物を引き寄せ捕獲した。 
苧(麻縄)が絡まるので55分の間は三つ編み、後は2筋に編んで長さ5尺の縄にした
と書かれている。

右の図は古い形、近年は形平なるを使う。種類は一ノ銛(最初に用いる故)、ニノ銛、
三ノ銛という、鉾長さ五寸(約15a)柄の長さ五尺(約150a)鉾脚柄尾共に苧縄・檜
縄五十尋(70b前後)を着ける。左図はやや平らに描かれている。

銛の種類は同じであるが「早ノ銛」「一ニ三ノ銛」「代ヘ早モリ」「数銛」「鼻銛」
等に皆これを用いる、又「殿中モリ」「大剣・中剣・小剣」皆モリの名であると張州
雑志に書かれている。
両方の図共に柄の先がささるようになった「メス型」モリである。
逆に、柄の先が管になり銛をさせるようにしたモリを「オス型」モリという。

(資料)「張州雑志」(張州雑志は約230年前(1770年 〜1778年頃)尾張藩9代藩主
徳川宗睦の命で編纂)
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6.西海で使われていた銛と剣

 :西海鯨鯢記
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-karatu22.jpg
 
(左から)
「小剣」・「大剣」・「大萬森」・「大森」・「太郎剣(銛)・「はやの銛」・「てん
ちゅう銛」・「ちょっきり銛」
  (下部は)「太郎剣(銛)」
「ちょっきり銛」は左右対称形の離頭銛でメス型、銛に「ひも」がついている。
下部の銛先「太郎剣」は左右対称形に描かれている。
師崎の捕鯨で使われていた「離頭銛」(メス型モリ)と似た物が「ちょっきり銛」であ
る。西海鯨鯢記ではオス型とメス型ではない、あらたに平板(釘穴つき)・棒状のリン
グ・カギがついて柄(棒)に綱や金具で取り付けられた絵が記載されている。

「大萬銛」「大銛」「太郎剣」「はやの銛」「てんちゅう銛」は左右で形が異なる非対
称形の銛として描かれている。
尚、真ん中の柄を付けて描いた「太郎剣」は非対称形、下部の銛先のみの「太郎剣」は
左右対称形に描かれている。良くわからない絵です?

(資料)(西海鯨鯢記)1720年(享保5年)谷村友三著 日本最古の鯨事典
「海に生きる」 鯨組主中尾家屋敷 公開記念企画展 佐賀県立名護屋城博物館
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7.土佐・窪津の銛と剣

http://www.catv296.ne.jp/~whale/tosa-mori-al11l.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/tosa-mori-all333.JPG
(
左から)「剣竿」長6尺5寸・
「小剣」長3尺8寸・
「大剣」長5尺8寸・
「子銛竿」長1丈2尺1寸2分角・   「子銛」長1尺6寸 160匁・
「角銛竿」長1丈丸5寸・       「角銛」18160匁・
「樽銛竿」長6尺 丸さ6寸5分・   「樽銛」34寸 800匁・
「大銛竿」長1丈2尺 1寸2分角。  「大銛」45寸 1200
(宝暦 9年 (1759)頃の資料か) 左右非対称銛になっている。
(資料)「銛、剣などの図」(『窪津浦捕鯨文書』より)窪津漁業協働組合蔵
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8.紀州漁業絵巻

 左右非対称形銛 多くの銛の種類があります。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/suisan-mori1.JPG
(左上から下へ) 「剣」・「柱銛」と「柱」・「海刃」・「かがす」・「鼻鈎」
       「鼻鈎(はなかぎ)」の絵は珍しい!
(中上から下へ) 「早銛」・「下屋銛」・「角銛」・「三百目銛」・「萬銛」
(右上から下へ) 「勢子船」・「持左右船」・「網船」、綺麗にデザイン塗装されて
いた。西海の船は彩り鮮やかなデザインはされていなかった。
明瞭ではないが銛の大きさの比較が出来る絵です。明治時代(19世紀)。
(資料)「紀州漁業絵巻」和歌山県立図書館
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9.太地浦捕鯨絵巻

 左右非対称形銛  (明治5年)(紀州・太地)太地では多くの銛の種類があった。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-haya-mori.jpg
早銛(60匁)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori--nami-mori.jpg
並銛(60匁)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-sasi-mori.jpg
刺銛(100匁) 柄は角状に描かれている。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-zatu-mori.jpg
雑銛(160匁)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-naka-mori.jpg
中銛(300匁)老人用に軽くした銛(萬銛の半分の重さ)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-daki-mori.jpg
抱銛(500匁)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-yorozu-mori.jpg
萬銛(800匁)矢縄3山を描く
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-hana-mori.jpg
鼻銛(180匁) 柄は角材
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-tegata-mori.jpg
手形銛(500匁)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-ikar-mori.jpg
碇銛:いかりもり(600匁) 矢縄・樽・碇が描かれている
(資料)太地浦捕鯨絵巻(明治5年):九大デジタルアーカイブス
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10.捕鯨銛  左右非対称形銛(剣除く)

http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-tegata-kaku-mori.jpg
捕鯨銛 剣銛(梶賀)・角銛(梶賀)・手形銛(島勝)
剣銛:弱ってきた鯨にとどめをさす銛。大型の銛で重さ1500匁〜2000匁。
角銛:鯨を弱らせるための銛で矢縄はつけずに打ち放しのためなくなることが多かった。
  (資料によっては角銛に縄が描かれて場合もある)
手形銛2番目に打ち込む銛。2尺5寸、500匁。環と鈎(かぎ)がついている。
羽矢ノ銛(早銛):最初に打ち込む小型の銛。長さ15寸〜2尺で重さ50匁。
大銛3尺の大型の銛で、「柱銛」とも呼ばれる。
萬銛:「三重県水産図説」には見られないが、船と鯨を結ぶためのもの。
銛先や鉄棒の部分が分かるので掲載した。銛先は左右非対称の銛です。
(資料)捕鯨銛{尾鷲市立中央公民館蔵}
開館記念特別展「鯨・勇魚・くじら」(クジラをめぐる民俗文化史)四日市市立博物館
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11.「小児の弄鯨一件の巻」の銛・剣

 呼子・小川島 原本と写本の形違い
唐津藩・水野氏の家臣 木崎攸々軒盛標が安永2年(1773)〜天明4年(1784)作製
http://www.catv296.ne.jp/~whale/moteasobi-mori.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/ogawa-mori.jpg
 
(左)アメリカ・マサチューセッツ州・ピーボディエセックス博物館に所蔵されている
原本
左から「手形包丁」「剣」「万銛」「早銛」。銛先の形は「左右非対称」です。
(右)「祭魚洞文庫」No1670の「肥前州産物図考」(写本)。
   左から「手形包丁」「剣」「万銛」「早銛」。銛先の形は「左右対称」です。
写本では写した人により図の配置・銛の形・色付け・内容が異なっている場合があり
ます。
「小児の弄鯨一件の巻」に関してはたくさんの写本がありいろいろな違いがあります。
小児の弄鯨一件の巻(鯨一件の巻)<上村家本>も写本ですが、エロチックな部分を除
いた写本になっております。この上村家本では早銛と萬銛は「原本」と同じ左右非対
称に描かれています。
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12.長州捕鯨・漁具・鯨舟 

   左右対称銛?
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-yamaguti.jpg
(左より) 大包丁(鯨ノ解剖ノ時ニ用ウ)・小包丁(鯨ノ鼻綱ヲ付ケル時用ウ)
(各追船ニ二本ヲ準備ス)・(各追船ニ銛五本並ニ小銛ヲ準備ス)
追船 長サ三丈五尺 中胴七尺五寸(コノ船ニ銛、剣並ニ苧綱類ヲ準備ス)
網船(惣階船) 長サ4丈 中胴一丈(コノ船ニ網拾反ヲ準備ス)
(
資料)「長州捕鯨考」 徳見光三著 関門民芸会
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13.鯨猟具図 

  銛は左右非対称形 西海形と紀州形の違い
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-1.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-3.jpg
     
左図(左から)西海形「カリ棒(駆棒)」・「手形包丁」・「網ハヅシ」・「采(サイ
・ザイ)」・「スバル」・「カガス苧」・「シラセ」・「根苧」・「剣」・「合カギ」
・「早銛」・「万銛」・「長柄包丁」

「駆棒」:この棒を左右の手に持って声をかけながら左右の舷を叩いて鯨を駆るという。
右図(左から)紀州形は「碇銛」・「柱銛」・「手形銛」・「角銛」と種類が多い。
(資料)日本捕鯨彙考 服部 徹 編纂
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14.西海形 萬銛・羽矢銛 

平戸・生月島  銛先 左右非対称形 2種類のみ
http://www.catv296.ne.jp/~whale/saikai-mori-yorozu.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/saikai-morisaki-haya.jpg
 
萬銛                  羽矢銛
「勇魚取絵詞」肥前国生月島の鯨組主、五代目益富又左衛門正弘の鯨漁を中心に描く。
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15.房南捕鯨の銛

ツチクジラ捕鯨用の銛 左右対称形銛と左右非対称形の長銛
網掛突取法・網取法と違い、房南地方のツチクジラ突取法では大きい違いがあります。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/bounan-mori-haya-agasi-kakudai.jpg
   http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-nagamori.jpg長銛
左図:上から「早銛」a:突出し縄・b;大綱)・「あがし銛」a: 突出し縄・
:あがし縄)。
(右へ)「剣」(この剣は、今使っていないが参考に載せた)・「殺し銛」
、銛頭の絵「あがし銛」g:突出し縄)・「早銛」g:突出し縄)。左右対称形。
「このあがし銛にはあがし縄25匁づつのものをいくつも継ぎ合わせて附着す」
と書かれている。(細かい数字は省略)
右図:「長銛」アメリカ式捕鯨の銛を参考にしてつくった銛。この形の銛を「金時銛」と
   書いた資料もある。斧に似ている為かこの名がある。左右非対称銛。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-agasi.jpg
 
あがし銛:(館山市立博物館分館)
欧米の技術導入後はポスカン銃を使ったり、銛も非対称形の銛が使われた。
現在はノルウェー式捕鯨法になっている。
(資料)房南捕鯨 房総地方の捕鯨資料 吉原友吉著 相沢文庫編
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16.北海道・羽幌で使われていた銛

 1893(明治26)年 北海道 アメリカ式捕鯨の影響あり。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-kintoki-kanzashi.jpg
(上から)
「金時銛」ノ横図・「金時銛・回転図(トグル銛という)」・「銛ノ柄」・「笄銛(かん
ざし・こうがい)銛」(左右対称銛)・殺銛(両刃の剣)


 <北海道大学付属図書館蔵>
(資料)北海道開拓記念館第63回特別展 「鯨」           

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17.金時銛と燕銛(石川県)

   第1回水産博覧会
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-kinntoki-tubame.jpg
(左から)浮樽 根銛 燕銛(二重)の一種 金時銛の羽が開いた図 金時銛 燕銛 
燕銛の羽が開いた図 銛
 
    アメリカ式捕鯨法の影響を大きく受けている。
(資料)捕鯨船第26号 明治の水産博覧会 鯨舟会 竹内賢士氏
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18.加州形の漁具 金時銛

http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-sasi-kintoki.jpg
(左から)
刺銛 金時銛一種の羽が開いたもの 金時銛一種 金時銛羽開きたるもの 金時銛
上記銛と同様アメリカ式捕鯨法の影響を大きく受けている。
(資料)日本捕鯨彙考 服部 徹 編纂
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19.網の張り方の違い

連結なしの投網方式と継足し型の網張方式

 http://www.catv296.ne.jp/~whale/hogei-ami-3yui.jpg


西海 3結(組・セット)の捕鯨網
西海で三結の網を使った。網一結を双海船2艘が鯨の予想進路上に左右に分かれて
張り、その後方に別の二結がそれぞれ左右にずらして張った。
このため網の中央は三重、左右両側は2重、端の方は1重に張られることになる。
西海の双海船は百石積みと云われる大型であった。連結なしの投網方式であった。
双海船1艘に網19反(全長600b、約2万平方b)を積んだ。
1
反の網は18尋四方である。

 
http://www.catv296.ne.jp/~whale/tosa-amitori.jpg


土佐 継足し型の網張り
土州 「捕鯨網布図面」 津呂捕鯨社 多田治信氏作製
紀州・土佐では、鯨の前方に2艘の双海船が網を入れた後ほかの双海船が2艘
その片側に網を継足し鯨を円に囲む形に張る。
さらにその外側にべつの双海船2艘が弓なりに網を張り、1艘が片側に網を継足
して半円形に張り回した。
このように網を継足す方式で張回して鯨を包囲するのが特徴であった。
土佐では1反の深さ18尋(32b)9尋(16b)の網を20反積んだ、全長320b、
1万平方bである。


下記は鯨網の設計図です。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-ami.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-kujiraami.jpg
  
鯨網(資料)日本捕鯨彙考 服部 徹 編纂  苧網(麻を使用)桐板の浮を使用  
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-e-waraami.jpghttp://www.catv296.ne.jp/~whale/o-ami-zu.jpg
   
藁縄網 樽使用図 沈子重石    鯨網 改良長網 桐浮子
(資料)捕鯨船第26号 明治の水産博覧会 鯨舟会 竹内賢士氏   
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20.鯨解体方法の違い

横切と縦切方式独断と偏見的見方?

 http://www.catv296.ne.jp/~whale/suisan-kaitai.jpg


紀州・土州型解剖 尾部を陸岸向け・横丸切り・皮身一時砂場置き
(捕鯨図 浮津捕鯨会社 明治16年の水産博覧会出品 室戸市教育委員会)


http://www.catv296.ne.jp/~whale/saikai-kaibou-cut.jpg


西海型解剖 頭部を陸岸向け・縦大剥ぎ切り・皮身納屋場直行型 
(資料:五島に於ける捕鯨沿革図説 部分図)
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21.轆轤 ろくろ かぐらさん

移動型と固定型ろくろ
http://www.catv296.ne.jp/~whale/isaikai-rokuro-1.jpg
 移動型ろくろ(資料:勇魚取絵詞 部分図)
ろくろ:かぐらさん:(人力ウインチ) 多くの人が棒を押して重たいものを引き
寄せる。
http://www.catv296.ne.jp/~whale/rokuro-kotei.jpg
固定型ろくろ
土佐捕鯨 ろくろ 上下左右を板で固定(捕鯨之図 天 部分図)明治15(1882
http://www.catv296.ne.jp/~whale/rokur2o.jpg
 紀州・土州方式
尾部から引き上げ 砂浜での解体 ろくろは上下左右を板で固定
(資料:熊野浦捕鯨図巻 双巻 部分図)
http://www.catv296.ne.jp/~whale/saikai-kagurasan.jpg
 西海方式
頭部から引き上げ、入り江の周囲は石垣にし轆轤を設置していた。加工場所も近く
に作った。解体マニュアルにより轆轤で曳き大包丁で皮肉を剥ぐ図。
(資料:勇魚取絵詞(写)上 部分図)
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22.近代の捕鯨砲・捕鯨銃

明治期に導入された捕鯨銃と破裂矢と捕鯨銛
http://www.catv296.ne.jp/~whale/mori-bounan-gun-bl.jpg
 1と4はグリーナー砲です。
捕鯨銃                   3破裂矢(爆発銛)
2
5捕鯨銃ショルダーガン
                    現在は使われていない。
(資料)房南捕鯨 房総地方の捕鯨資料 吉原友吉著 相沢文庫編

現在は使われず博物館入り
http://www.catv296.ne.jp/~whale/bounan-mori-posukan.jpg
捕鯨銃・破裂矢       ポスカン銃・破裂矢(ボンブランス)
下向きの黒い2本が7破裂矢    上を向いた白い筆状11のものが破裂矢(銛)
5
は捕鯨銃            変った銛状のものがポスカン銃10です。
平戸の植松組が改良し使用。    鯨体に銛が突き刺さると短銃が破裂矢を
                 発射し、鯨体内で破裂し致命傷を与えます                  
(資料)房南捕鯨 房総地方の捕鯨資料 吉原友吉著 相沢文庫編

ノルウェー式捕鯨砲と銛
http://www.catv296.ne.jp/~whale/bounan-mori-nolwe-hou-kakudai.jpg
   銛の部分             捕鯨砲の部分

ノルウェー式捕鯨砲と銛
(資料)房南捕鯨 房総地方の捕鯨資料 吉原友吉著 相沢文庫編
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<参考資料>
ー熊野の太地ー 「鯨に挑む町」  熊野太地浦捕鯨史編纂委員会 平凡社
「熊野誌」 第56号 捕鯨特集 熊野地方史研究会・新宮市立図書館
「日本沿岸捕鯨の興亡」 近藤 勲著 山洋社
「日本捕鯨彙考」 服部 徹 編纂  大日本水産会蔵版 鳥海書房
日本民俗文化資料集成 「鯨・イルカの民俗」 三一書房
「日本捕鯨史話」 鯨組マニュファクチュアの史的考察を中心に 福本和夫著 法政大学出版局
くじらぶね会誌 捕鯨船第26号 「明治の水産博覧会」(鯨・海獣資料) 鯨船会 竹内賢士
「くじらと捕鯨の物語」 岡村昌幸著 発行
「壱岐島の鯨組用語集」 野本政宏編集 郷ノ浦町立壱岐郷土館発行
北海道開拓記念館 第63回特別展 「鯨」
「鯨の郷・土佐 」くじらをめぐる文化史 高知県立 歴史民俗資料館
「くじらといきる」 ー西海捕鯨の歴史と文化ー 佐賀県立名護屋城博物館 財団法人佐賀県芸術文化育成基金発行
「鯨取り絵物語」 中園茂生・安永 浩著 弦書房
「西海のくじら捕り」 西海捕鯨の歴史と鯨絵巻 立平 進著 長崎県労働金庫発行
「くじら取りの系譜」 概説日本捕鯨史 中園茂生著 長崎新聞社
「クジラと日本人の物語ー沿岸捕鯨再考ー 小島孝夫編 東京書店
「日本とクジラ」 福岡市博物館特別企画展 日本とクジラ展実行委員会
「鯨・勇魚・くじら」 クジラをめぐる民俗文化史 四日市市立博物館 
九州大学デジタルアーカイブhttp://record.museum.kyushu-u.ac.jp/kujira/
「房南捕鯨」 房総地方の捕鯨資料 吉原友吉著 相沢文庫編

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