ネギを背負ったクジラ化石

 

千葉県立中央博物館 (平成26年:トピックス展)

 

平成25年、千葉県柏市・手賀沼南部のネギ畑で若いザトウクジラの頭骨などの化石が発見されました。

ネギ畑の土手に邪魔な石ころとして数個放置されていたものでした。

 

発掘を進めると付近には多くのサメの歯の化石やバカガイ・ツメタガイなどの化石もありました。

 

 発見された場所は下総層群木下(きおろし)層で12〜13万年前のモノと推定されております。

現在の東京湾の一部、古東京湾といわれる内湾で当時は海であったところです。

クジラの化石が発見されたネギ畑は地面の深さ30a位木下層の上に常総層や関東ローム層がありましたが

自然の浸食や人が手を加えて薄い地面に変化しネギ畑のすぐ下になって、耕運機で耕す時に化石が現れた

といわれています。

      

木下層の年代(展示資料)

古東京湾は約45万年前から9万年前に今の関東平野一帯に広がった大きな内湾のこと、この内湾はほぼ10万年

周期で氷期、間氷期の変動を繰り返し海水が上下動をして陸地と海面を繰り返した場所でした。

このため海生のクジラが入り込みここに展示されることに相成りました。

 私が住んでいる四街道市の崖でも古代は海だったので多くの二枚貝・巻貝類やヒトデが多く見られます。

 

 

古東京湾(展示資料)

発掘されたザトウクジラの頭蓋骨には前頭骨や耳骨(鼓室胞)、鱗状骨があり腰骨も近くに見られ、下記写真の

ように上顎・吻部は失われていました。

脊椎骨が7個、肋骨が1個、散乱した骨片が多くあったそうです。(参考:展示説明文)

 

↑ザトウクジラの頭蓋骨

ネギ畑の土手に置かれていた脊椎骨化石(展示写真)

↑発掘模様(展示写真)

ザトウクジラ脊椎骨(セキツイ骨)

 耳骨

↑(参考)耳骨(荒木コレクション)以前中央博物館でゲットしたクジラの耳骨化石(黒い石状)
アメリカ・フロリダで出土、2000万年前の新生代・第3紀
のクジラの中耳の骨。人の外耳の形に似ています。
耳骨化石2個と現生の耳骨

 

耳骨は哺乳類が持っている独特のもので爬虫類・怪獣にはありません。耳骨はツチ・キヌタ・アブミが

つながり音を伝える骨で緻密にできており、化石として残ります。

 

このザトウクジラは頭骨幅約1.3b、体長は約8bの若いクジラだったようです。現生のザトウクジラの

体長はオス14.6b、最大17.5b。メス15.2b、最大19.0b。体重は3040d、最大65dです。

 

クジラの肋骨には、イタチザメではないかとみられる歯で噛むか、削り取ったような咬み痕が多くついています。

サメのギザギザした歯(鋸歯縁)でできた平行の線がハッキリとわかります。

サメの咬み痕は「バイトマーク」といわれています。

                   ↑クジラの下あごのバイトマーク

下あごにあるバイトマーク(咬み痕:拡大図)

柏市の現場で発見されたサメ類は6属だったそうですが咬み痕があったのは多くはメジロザメ属と

イタチザメのモノだったとの報告です。サメの歯先であるノコギリ刃状が合致する訳です。

オオメジロザメ

イタチザメ

                  バイトマーク

バイトマーク

脊椎骨とイタチザメの歯(赤い印)

頭骨の脇で脊椎骨はほとんどが畑を耕した耕運機で壊されていたが完全なものもありました。

このセキツイ骨にサメの咬み痕がついていました。

 

多くのサメに食べられたクジラは海底に仰向けに横たわり、小魚やカニ・エビ、ウニや様々な

底生生物の食べ物にも利用されたようです。

 

クジラは生きている時にサメに襲われたか、弱っている時に、死んだ後にサメ達に食べられたか

不明と説明されていました。

 

クジラの周囲からいろいろの貝の化石が見つかりました。

ツメタガイ、ヤツシロガイ、アカニシ、トウイト、バイ、ムシボタル、コロモガイ、サルボウ

イタヤガイ、カガミガイ、マツヤマワスレ、バカガイ、キヌタアゲマキガイ、サクラガイ、ナミガイ

など

 

資料(千葉県立中央博物館:配布資料)

(資料:(千葉県立中央博物館:配布資料)

§千葉県立中央博物館:常設展示§

常設展示のクジラ・スケルトン

上からコビレゴンドウ・ミンククジラ(コイワシクジラ)・ツチクジラ・マッコウクジラ(最前列)

 

↑ 上からミンククジラ・ツチクジラ

下左前からスナメリ・マダライルカ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ツチクジラの名前の由来と噛み傷

ツチ

↑ワラやモノをたたく木の槌(ツチ)です。千葉・和田浦で現在も捕獲し食料にされている

ツチクジラの名前の由来になった槌(ツチ)です。

http://www.catv296.ne.jp/~whale/tuti-model.jpg

↑ツチクジラ模型(海洋堂)

クチバシと頭の部分が木のツチに似ているのでツチクジラと呼ばれます。体長は

12b、体重は12dくらいです。体に付いた白い筋(傷痕)は2本の平行線についています。

この線はオスのクジラ同士がメスをめぐって戦った時のオスの歯型です。オスには下あごに

左右2対、4本の歯しかありません。外国では四本歯クジラとも云われます。

Giant Four-toothed Whale. Northern Four-toothed Whale.など

主に大型の深海にいるイカやタコを食べ挟むだけの歯になっています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

下記もご覧ください↓↓

 

千葉・君津市のクジラ化石

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/c-chiba-kaseki.html

 

くじらランド・ツチクジラ

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/20030203133737.html

 

安房の捕鯨(古式〜現在)

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/bousou-hogei.html

 

千葉のクジラたち

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/chiba-no-kuzira.html

 

日本の鯨食文化-和田町

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/wadaura-syokubunka.html

 

南房総・和田浦のクジラ

http://www.catv296.ne.jp/~whale/wadaura-wa-o.html

 

四つ歯・ツチクジラってナニ?

http://www.catv296.ne.jp/~whale/tutikuzirate-nani..html

 

房総半島のクジラたち

http://www.catv296.ne.jp/~whale/bousouno-kuziratati.HTML

 

クジラは何処から来たの?

http://www.catv296.ne.jp/~whale/rekisi.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・