クジラ・イルカのことわざ(言葉)

鯨  の  こ  と  わ  ざ
鯨の一喉焼き(いっこうやき)
一喉焼きとは尾頭付きの焼き物のこと。絶対に見られないし、有り得ないことのたとえ
鯨の喉(のど)にも骨がたつ
大きな鯨でも小さい魚の骨が喉に刺さり苦しむということ。絶対に安全ということは有り得ないということ。
鯨に銛(もり)
鯨が一本の銛で殺されるように、大きいものでも小さいものに負けることがあるというたとえ。
落ち着く鯨は銛(もり)をくう
鯨のようにモタモタしていると、思わぬ災難に出くわすということ。
鯨に鯱 (くじらにしゃち)
しつこく付きまとって害悪を加えること。
鯨飲馬食 (げいいんばしょく)
多量の飲食を一度にすること。
鯨が水を飲むように酒を飲み、馬が餌を食むようにたくさんの食物を食べることのたとえ。
鰯網で鯨捕る (いわしあみでくじらとる)

鰯網で鯨の大功
鰯を捕ろうと仕掛けた網に鯨が入ってしまった様子を、思いがけない収穫や幸運に恵まれたというたとえ、また、 あるはず無いことのたとえ。
鰯を捕ろうとして張った網で、思いがけず鯨が捕れることから「鰯網で鯨の大功」ともいう。
鰯網に鯨(いわしあみにくじら)
小さな鰯を捕る網では大きい鯨は取れない。そんなことは有り得ないことのたとえ。
鰯(いわし)のたとえに鯨(くじら)
小さなことを説明するのに、大きな例をあげること。不適切な説明のこと。
一匹の鯨に七浦(ななうら)賑わう

一頭捕えれば七郷の賑わい

鯨一本取れれば七里(ななさと)浮かぶ

鯨を突き当てれば七郷浮ぶ

鯨一頭で七浦賑わう

鯨(くじら)一匹捕れば七浦(ななうら)潤(うるお)う

鯨一頭とれば七郷(ななさと)振ふ

鯨をつきあつれば七郷浮ぶ

一匹の鯨は七つの集落を潤おすこと。大きい獲物は利益を受ける人も多い。
鯨一頭捕れば七つの浦が潤う。郷・浦・里は村・集落のこと。
また、鯨が捕れると暴風雨になる−加賀地方の悪い諺もあるようです。
捕鯨は「鯨一頭で七浦うるおす」と言われる程の巨利と経済的波及効果をもたらしました。
「いわゆる一浦・一鯨をうればすなはち七郷の賑わい、一歳のうち一鯨を得るときはすなはち捕鯨の費用をつぐない、 三鯨を得るときは、利多きを加えて余積百万あげて数うべからず」と、いかに鯨の恩恵が大きかったかを物語っています
 (長崎県における漁業種別の変遷)。
鯨の子獲れて賑わう三里半(みさとはん)
一頭の鯨は七つの集落を潤おすとのことわざがあり、子鯨はその半分の集落が賑わうことができたということ。
三里半は「さんりはん」ではなく「みさとはん」と読む。
長鯨(ちょうげい)の百川(ひゃくせん)を吸うが如し

長鯨の百川を吸えるが如く
 大きな鯨が多く川の水を次々に飲み干すような大酒飲みのこと。
酒の飲みっぷりの凄まじい様を例えた言葉、 詩聖と呼ばれた杜甫の「飲中八仙歌」に出てくる言葉です。
鯨寄る浦、虎伏す野辺  (いさなよるほ、こふすのべ)

虎伏す野辺、鯨寄る浦 (とらふすのべ、いさなよるうら)
野生の虎が生息する野、鯨が泳ぎ寄ってくる海辺の意から、人跡稀な土地、未開な土地のこと。
鯨の喧嘩にエビの背が裂ける
力を持った者同士が争う中で、力の弱い者が故なく巻き添えを食うこと。
鯨鯢の腮(あぎと)に懸く (けいげいのあぎとにかく)
鯨鯢(げいげい)の顎(あぎと)にかく(けいげいのあぎとにかく) 
鯨に食われそうな、非常に危険な事態に陥ること。鯨鯢はクジラのこと、腮〔あぎと〕はあごのことをいう。
海で危険な目にあって命を落としそうになることのたとえ。
鯨の鼾(いびき)
人前で鼻をかむこと。まだ鯨が想像上の動物だったころのことわざ
鯨波〔とき〕の声
戦場にて合戦開始の合図として大勢で一斉にあげる声のこと、士気を鼓舞するため、威勢よく大勢で一斉にあげる声のこと。
丸一本(まるいっぽん)伽羅(きゃら)と鯨(くじら)は買いにくい
高額な伽羅やすごく大きな鯨は一本・一頭・一匹は買えないことのたとえ。伽羅は香木です。
「大名も 切り売りを買う 塩鯨」 (大名でも一頭は買えない)という古川柳があります。
鯨も魚、白魚も魚(くじらもさかなしらうおもさかな)
形の大小によって軽んじたり、差別してはいけないというたとえ。
鯨も白魚も、大きさは違っても同じ魚であることの意。
イルカの千匹連れ
イルカは大群で群れて回遊することから、ものの非常に多いことのたとえ。
群の列がきれいに縦一列に並ぶことから、 「イルカの千本づれ」や「千匹ガチ」とも呼んだ。
変わった鯨字がついた言葉
鯨面(げいめん)
顔にいれずみを入れる風習。「鯨面」とは「顔に入れ墨をすること」
「魏志倭人伝」で古代日本人について「男子無大小皆黥面文身」((男子は大小の区別なく、皆、面(カオ) に黥(イレズミ)をして、身(カラダ)に文(イレズミ)をしていた))と書かれている。
大昔の日本人、老若男女すべての人は顔にいれずみを入れ、体にもいれずみをいれていたという。
鯨百合(くじらゆり)
ユリ根を水洗いし、1片ずつ離し、ざっと蒸して裏ごしする。これを、コンブをあぶって細粉にし、毛篩にかけたものと練り 混ぜ、板に薄く伸ばすと形が皮鯨に似るから「鯨百合」の名が付いた。これを蒸籠で蒸し上げ、カヤまたはゴマ油で揚げる。
鯨熨斗(くじらのし)
鯨の筋肉を精製した食品(鯨の筋肉を打ってのばし、乾燥させたもの)。三杯酢・吸い物などにする。福岡市・博多の名産。
鯨付き(くじらつき)
イワシクジラと一緒に遊泳しているカツオなどの群れ。
鯨将棋(Whale Shogi,くじらしょうぎ)
将棋の一種であり、二人で行なう盤上遊戯の一種である。 1981年にウェイン・シュミットバーガー (R. Wayne Schmittberger) が発表した、ごく新しい将棋である。
その名の通り、 全ての駒が鯨類の名前を持つ。
駒の名前が同種の動物で統一されていることや、「二歩」はよいが「三歩」はいけないというルールなど が禽将棋(鵬、鶴、雉、鶉、鷹、燕の6種類)によく似ている。
駒はそれぞれ白鯨・ネズミイルカ・コククジラ・イッカク・ザトウクジラ ・シロナガスクジラ・シャチを1枚ずつ、イルカを6枚持つ。白鯨が玉将にあたり、これを詰められると負けである。
鯨鯢(けいげい)将棋の駒
鯨鯢(けいげい)は、将棋の駒の種類の一つ。本将棋にはなく、中将棋・大将棋・天竺大将棋・泰将棋・大局将棋に存在する。
鯨鯢(けいげい)のこまの動きは「縦と斜め後ろに何マスでも動け、飛び越えては行けない」。成ると金将(きんしょう)になり 「縦横と斜め前に1マス動ける」。
大局将棋では「鯨鯢」は成ると「大鯨(だいげい)」となる。動きは「縦と斜めに何マスでも動け、 飛び越えては行けない」。現在の将棋とは違いがあります。
鯨鯢(けいげい)と呼ばれた男
大宰府に流された菅原道真(平安朝の副首相)は怪魚「鯨鯢」(小魚 を捕らえて喰うところから首悪の意味)といわ れていた。
藤原氏の讒言(ざんげん)で大宰府へ左遷、流されて望郷と貧困のうちに幼子を亡くし道真も2年後に没し 「怨念」の人ともいわれ、左遷させた人々は怨念(たたり)で早世したそうです。
今では有名な天神様「学問・受験の神様」です。   少し難しいですが下記を続けます。
『人は地獄の幽冥(ゆうめい)の理(ことわり)に慚(は)づ 我は天涯放遂の辜(つみ)に泣く』の言葉を残してい ます。
「人は、罪を犯せば地獄に堕ちるという仏法ゆえざんげし、わたしは無実の罪で都を追われ、泣く」という意味。 改元の詔書の中で、自らを怪魚「鯨鯢」と名指しされた道真は、左思「呉都賦」(『文選』巻五)の「長鯨は航を呑み、 脩鯢は浪を吐く」の句によって、「舟を呑むは我が口に非ず 浪を吐くは我が声に非ず」と反論しています。
しかし改元に伴う恩赦に漏れた身では「鯨魚は流れを失ひて蹉〓たり」(『文選』巻二・張衡「西京賦」)を意識して 詩を結ぶ位のことしかできないのでした。(参考:『菅家後集』479)
   もっとも有名な詩は、大宰府左遷に際し、自宅の梅に呼び掛けて、
「東風吹かば 匂いを(お)こせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ」と歌を詠みました。
梅もまた主の思いに こたえ、遠く太宰府まで飛んで行ったといわれております。大宰府天満宮に「飛梅」が今もあります。
迅鯨(じんげい):長鯨(ちょうげい):大鯨(たいげい)
古い話ですが旧日本海軍においては、「迅鯨」、「長鯨」、そして有事の際には短期間で航空母艦へ改装される 予定の「大鯨」といった本格的な艦が建造された。
迅鯨(じんげい)は、大日本帝国海軍の潜水母艦で、迅鯨型潜水母艦の1番艦。
長鯨(ちょうげい)は、大日本帝国海軍の潜水母艦で、迅鯨型潜水母艦の2番艦。戦後に復員輸送に従事した後に解体。
大鯨(たいげい)は潜水母艦「大鯨」として竣工し後に航空母艦「龍鳳(りゅうほう)」へ改装された。(Wikipedia)
鉄の鯨(てつのくじら)
これは現在の話です。海上自衛隊呉史料館は「てつのくじら館」と呼ばれる。潜水艦あきしおを陸上展示する広島県呉市の施設。
潜水艦は鯨そっくり、よく似ているために潜水艦のことを「てつのくじら」と云っております。
旧日本海軍の潜水艦は 鉄鯨部隊と称され 潜水艦部隊とのこと。水中の動物は魚型(流線型)で哺乳類・爬虫類・鳥類・魚類・さらに潜水艇まで同じような形になっております。
このことを「収斂現象」といい、種は違っても同じ環境下に棲息するもの(作られるもの)は進化上その形が似てくるということです。
参考資料:Flippers 著者中村康夫 発行所光琳社出版
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