空のクジラ・イルカ座

満点の星空の中に星座のクジラ座やイルカ座が描かれています。
ギリシャ神話の中には星座の面白い物語があり、今の倫理・科学
ではタブー・不思議といわれるものが沢山見られます!!!!!
クジラの語源は「怪物」がはじまりだし、イルカは「子宮」が
あったためかイルカの語源になっています。語源からみた国々
の言葉の移り変わりなどをお楽しみください。不思議ふしぎ!
 
「くじら座」。現在のクジラがこの姿を見て怒ったそうです!
クジラを見ることが殆どなかった古い時代の欧米では、クジラ
は海の怪物だと思われていたので描かれた絵画も不思議な姿を
していました。クジラもイルカも現在のクジラと比較すると化け
クジラそのものでした。見えないものを描くのは想像でしたの
で難しいし、空想の拡張も見事なものでした。怒らないでね!!

くじら座の特長
項目学名など読み内容など
くじら座(鯨座)学名Cetusケタス「化け物、化けクジラ、大きい海の動物」の意。全天で4番目に大きな星座です。
略符Cet
属格Cetiセチ
英語での意味the Whale か Sea Monsterザ・ホエール、シー・モンスターモンスターも[怪物・化け物]の意です。
くじら座の最も有名な星Miraミラ歴史上、最初に発見された「変光星」、変光周期は約330日。くじらの心臓で光る星ミラは,「不思議なもの」という意味です。
ミラ⇒ミラクルmiracle(奇跡)⇒「―ボール」 。ミラ⇒ミラーmirror(鏡、反射鏡)⇒「バック―」 )など。
くじら座の中で最も明るい星Deneb Kaitosデネブ・カイトスデネブは「尻尾」。デネブ・カイトスは「化けくじらの尻尾」の意味。明るさが変化する星が「変光星」。
ミラは恒星自身が変化する「脈動変光星」と呼ばれる。

星座物語「くじら座」及びくじら座の形
 
ヴァザーリ作「ペルセウスとアンドロメダ」(一部分)

英雄ペルセウスが生け贄となって鎖で岩につながれているア
ンドロメダ姫を、化けクジラを退治して救い出す場面です。
ペルセウスは魔女メドウサの首をクジラに差し出し、これを
見たクジラが石になり「くじら座」になるという神話です。
裸のアンドロメダの足元にメドウサの怖い頭、近くに化けク
ジラらしきものが小さく描かれています。怖くないです。。
(項目)(内容)
星座物語;くじら座エチオピアの「カシオペア王妃」は、娘の「アンドロメダ姫」の美をいつも自慢していた。自慢しすぎたので海の妖精は怒っり、海神ポセイドンに頼み海の怪物「化けクジラ:ティアマト」を送りました。海の怒りを静めるために「いけにえ」としてささげられていたアンドロメダは化けクジラに襲われて呑込まれそうになります。
 まさにその時、魔女メドゥーサを退治して帰る途中であった「ペルセウス」がさしかかりました。ペルセウスは剣を抜いてクジラと戦いました。しかし形勢不利となり、勝ち取ってきた魔女「メドゥーサ」の首を袋からとり出しクジラの目の前に差し出しました。この首を見たクジラはみるみる黒い石になってしまいました。くじら座はこの「化けクジラ」の姿だそうです。
そしてペルセウスは助けたアンドロメダと結婚することになりました。目出度し、目出度し!!!!なお、魔女メドゥーサは見たものを石に変える能力を持つ魔物。頭髪は無数の毒蛇であった由。
※日本では、クジラが石・岩・山になったという鯨石伝説が沢山あります。
くじら座の形くじら座の形はクジラが「怪物」と思われていた時代の「お化けクジラ」です。胴長アザラシのような上半身+魚の様な下半身のクジラでした。ギリシャ神話の絵には頭・胸・腹部・細長い一回転した尾部・尾びれといった形で、爪がある1対の前脚があります。
胸部に光る星ミラの心臓があり、長い尾を一回転し輪の中心に2等星デネブ・カイトスがあります。星座は大きいですが目立たない、秋の星座です。絵は検索でご覧ください。

クジラcetusに関わる学名など
項目学名など読み内容など
クジラ学   Cetology ケトロジー クジラ学 
クジラ目 Cetacea ケタケア クジラ目
鯨類 cetaceans ケタケアンス 英名 
鯨類 kotos、ketos コトス,ケトス ギリシャ語、大きい魚、海の怪物の意 
鯨類 cetaceus ケトケアス ラテン系派生語 cetus:ラテン語、大型の海獣の意
プロトケトウス類 Protocetus プロトケアスムカシクジラ類の中で最も原始的なクジラ。獲物をくわえたり、噛み切るために、異歯性の歯を持っていた。 
ケトテリウム科 Cetotheriidae ケトテリイダエ 300万年前に絶滅している。ザトウクジラやシロナガスクジラを含むナガスクジラ類の祖先。 
ムカシクジラ亜目 Archaeoceti アルカエオセチ クジラ目の中で最初の亜目 
ヒゲクジラ亜目 Mysticeti  ミステセチ 海の怪物 
ハクジラ亜目 Odontoceti オドントセチ 歯を意味するodousから
ホッキョククジラ Balaena mysticetus ミスティケタス 口ひげの生えた海の怪物 
シャチ Orcinus orca オルシヌス オルカ Orcinus(怪獣),怪物中の怪獣かKILLER WHALEです。殺し屋です。 

クジラの語源と各国語 (参考:白鯨より)
 項 目  クジラ  内 容 な ど  備 考
クジラの語源? ヘブライ語(読めないし書けない)  
 ? ギリシャ語(読めないし書けない)  
 CETUS ラテン語 「化け物、化けクジラ、大きい海の動物」の意 昔は怖ろしい怪物 
 WHCEL アングロ・サクソン語「転がる・転げまわるの意」 クジラの特長を表現 
 HVALT デンマーク語「動物の体が丸いこと」「体を転々させること」「高く弓なりに曲がること、アーチ状」 クジラの特長を表現 
 WAL、WALLEN オランダ語・ドイツ語  
 HWAL スウェーデン語  
 WHALE アイスランド語  
 WHALE イギリス語・英語  
 BALEINE フランス語  
 BALLENA スペイン語  



いるか座

 
ポセイドンとイルカ
ギリシャでゲット、ポセイドンは三叉のヤリを持っています。

いるか座の特長
項目学名など読み内容など
いるか座(鯨座)学名Delphinusデルフィナス「子宮」の意。かわいらしい星座です。
略符Del
属格Delphiniデルフィニ天の川の近くにある星座、暗い星の星座。
英語Dolphinドルフィンイルカ
いるか座の最も有名な星有名な星はない。小さなダイヤ形が目立つ程度
いるか座の中で最も明るい星暗い星の集まり。肉眼星数は19個。

いるか座 星座物語
(1)ポセイドンへの情報提供神話
 
いるかは海の神ポセイドンの使いとされています。星座になったのは、
逃げたポセイドンの妻アンフィトリテの居場所を教えた褒美だといわれています。

(2)アリオンを助けた伝説
 
音楽家アリオンがシチリア島の音楽コンクールで優勝して故郷に帰
る際、優勝賞金に目がくらんだ船員がアリオンを殺害しようとしました。
アリオンは死ぬ前に琴を弾かせて欲しいと願い、船員たちはこれを 許しました。
どこからともなくイルカの群れがやってきて、曲に聞きほれました。
アリオンが身を投げると、イルカがその背にアリオンを乗せて故郷に
連れ帰りました。イルカはこの貢献により星座の「イルカ座」になりました。
このイルカも名古屋の金シャチのように描かれています。おもろい!

『イルカdolphinの国別変化』
 項 目  イルカ  内 容 な ど  備 考
イルカの語源dauphinフランス語 ー 
 daufin フランス語 12世紀 
 delfino イタリア語 
 delfino スペイン語 ー 
 dolphin 英語 ー 
 delfyn 英語 昔(ラテン語) 
 delphin 英語 昔(ラテン語) 
 dalphyn 英語 昔(フランス語) 
 dolfyn 英語 昔・英語風 
 dolphin 英語 昔・英語風 
 delphis ギリシャ語 ー 
 delphinus ラテン語 古典 
 dalfinus ラテン語 後期 
 Delphi デルフィー ギリシャの都市。子宮の意味。 
 porpoise 英語 口ばしがないイルカ・イシイルカ類 

イルカ・クジラと関連するギリシャ神話の神様など
名前・名称イルカ・クジラとの関連
アテナ 都市の守護神。アテナは、主神ゼウスの頭から、武装し甲冑をつけた姿で生まれたとされます。
アテナはメドゥーサの頭がついた胸当て(アイギス)を付けています。
アイギス=イージス(英語)は、アメリカが開発したミサイル迎撃艦の名前になっています。
現在のアテネの語源です。
 
アポロン 『太陽神』。ゼウスとレトの息子。予言、音楽、医術の神。別名の一つはDelphinienです。
アポロンはイルカの姿で舟を導くという伝えがあったためにDelphinienとも云われました。
ギリシアで最も名高いデルポイ(デルフィー)の神託の主でもあります。
デルフィーにはアポロ神殿があります。
宇宙船「アポロ」は,神アポロンにちなみ名付けられました。
 
アリオン Arion.リュートの名手。宮廷音楽師。アリオンはシチリア島で行われた音楽祭で優勝し多額の賞金・賞品を得ました。
帰りの舟の悪い船員が賞金に目をつけ奪ってアリオンを殺そうとしました。
アリオンは死ぬ前にぜひリュートを弾かせて欲しいと懇願します。そして弾き終わったアリオンは海に飛び込みます。
リュートの音色に集まっていたイルカはアリオンを救い背にのせ舟より一足速く陸に届けました。
後から港についた悪党船員達は王様に捕まり打ち首になったそうです。
このイルカが「いるか座」になったと云われています。 
アンピトリーテー Amphitrite:ポセイドンの妻。ネーレウスがオケアノスの娘ドーリスとの間に産んだ50人の娘の一人。
海の神ポセイドンはアンピトリーテーが好きで結婚を申し込みました。しかし、彼女はポセイドンが嫌いで、海の西端にあるアトラスの宮殿へ逃げて身を隠しました。
ポセイドンは配下のイルカDelphinusに頼み、彼女の隠れ場所を探しだして貰いました。
ポセイドーンは彼女に何度も結婚を申しこみました。ついに彼女は根負けし結婚することになりました。
ポセイドーンは上手く結婚できたので、褒美にイルカを星座としました。
ポセイドーンとアンピトリーテーからはイルカの尻尾をもったトリトンが生まれます。  
アンドロメダ エチオピア王ケフェウスと王妃カシオペイの王女。アンドロメダ姫。
王妃がアンドロメダ姫の美貌をあまりにも自慢するので海の神ポセイドンの逆鱗に触れてしまいます。
怒った神によって化け鯨の生け贄とされようとして、鎖で岩に縛りつけられていました。
ちょうどそこを通り掛かった天馬ペガサスに乗ったペルセウスが見つけます。
彼は剣を抜き化けクジラと戦います。しかし化けクジラも戦上手、ついに形勢不利となります。
魔女メドウサとの戦いに勝って帰る途中でしたので、何でも見たものを石にするという魔女メドウサの首を袋からとり出し、化け鯨の前に差し出しました。
  それを見た化け鯨はみるみる黒い石になってしまいました。彼はアンドロメダ姫を救い出しました。
ペルセウスは助けたアンドロメロダを妻にしました。このクジラが「くじら座」になったということです。  
エロース アプロディーテの子。エロースは、母親の同伴者として愛の神・戦いの神といわれます。
イルカはエロースの乗り物でした。
背中にエロースを乗せたイルカの姿は、貨幣や壷絵などの形で伝えられています。 
ガイア 『大地の女神』。ゼウスの祖母。カオス(混沌)から生まれ一番最初に存在した神。 
カシオペア エチオピアのケーペウス王の妻。アンドロメダの母親。
カシオペア『王妃』。美貌の娘アンドロメダを自慢し神々に恨まれる。 
ケートス 『怪獣』。Ketos(ラテン語形はCetus)。『化けクジラ』のこと。くじら座になった。
イルカ類を含め鯨類の学名Cetaceaはこの怪物の名前を語源にしている。
『化けクジラ』ケートスの名前はティアマト。  
デルピュネー 『子宮女神』デルピュネー※女神の名Delphyne、聖地の名Delphoi、イルカの名詞delphis。
これらに共通するdelphは子宮のこと。
半蛇体の子宮女神デルピュネーは処女で母神+偉大な『大地母神』だった由。  
デルプス ネプトゥヌスとメラントとの間にできた子。
アポロ(アポロン)がデルピDelphi(デルポイDelphoi)でピュトンと闘ったときのデルピ王が、デルプスだった。
デルプス王という名からデルピの地名が起こった説と、デルポイは実際には元来女神デルピュネーの聖地だったとの説がある。
デルプス、デルピなどの名称はイルカdelphisと関係があるといわれている。 
トリトン Triton。ギリシア神話に登場する海神ポセイドンの長子。ポセイドンとアンピトリーテーの子供。
トリトンは上半身は人でイルカの尻尾をもつている。
トリトンは手にホラ貝を持ち、吹いて遊んでいました。ホラ貝の語源で英語ではトリトン(Triton)という。  
ペガサス 『天馬』。ペガサスは魔女メドゥーサの首から生まれた天馬といわれる。
ペルセウスは魔女メドゥーサの首を取り、天馬に乗って帰る途中に化けクジラと戦い、化けクジラを石にし、アンドロメダ姫を救い出しました。  
ペルセウス 『英雄』。魔女メドゥーサの首の血から生まれた天馬ペガサスに乗り空を飛ぶ。
魔女メドゥーサに勝利し首を取り、帰る途中で「化けクジラ」に会い戦って生贄のアンドロメダ姫を救いだし、アンドロメダを妻にした。  
ポセイドン 『海の神』 Poseidon。(ポセイドンはローマ神話ではネプトゥヌス:海王星です)
クロノースとレアーとの息子。イルカに引かせた車で海を駆け巡ります。 
メドゥーサ 『魔女』。見たものを何でも石にする魔力をもっていた。
メドゥーサの首を見せられた『化けクジラ』は石になりくじら座になった。
怪物メドゥーサは、元々は類まれな美貌の持ち主でしたが、神聖なアテナの神殿でポセイドンと交わったためにアテナの怒りに触れ、美しい髪の毛の1本1本を蛇に変えられその姿があまりにもおぞましいので彼女と視線を交わした者はひとり残らず石になってしまうと伝えられています。 
ネプトゥヌス 海の神ネプトゥヌスNeptunusは美しい女神を手に入れるためには色々と姿を変えて交わった。
トラキア王の娘テオパネとクルミッサ島で交わった時には、二人とも羊の姿だった。 

※読み方は国によって違いがあります。